薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2025年2月3日 児島 悠史

インフルエンザ対応策。ロキソプロフェンやイブプロフェンは使えるのか?

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☞この記事でわかること
  • インフルエンザの時に注意が必要な、「アスピリン」以外の解熱鎮痛薬
  • 「イブプロフェン」や「ロキソプロフェン」といった頻用されるNSAIDsのリスクと扱い方

インフルエンザの患者さんには「アスピリン」を避けた方が良い…というのは良く知られた話(☞前編)ですが、では「アスピリン」以外のNSAIDsであれば特に注意は必要ないのでしょうか。後編では、解熱鎮痛薬として頻用される「イブプロフェン」や「ロキソプロフェン」といった薬の扱いについて解説します。

「ライ症候群」のリスクが指摘されているのは「アスピリン」だけ?

インフルエンザに対する使用でライ症候群のリスクが指摘されているのは、「アスピリン」の他に「ジクロフェナク」や「メフェナム酸」といった薬が挙げられます1)

そのため、ジクロフェナク製剤の「ボルタレン錠」やメフェナム酸製剤の「ポンタールカプセル」では、添付文書でもインフルエンザに伴う発熱(※特に小児)への投与に関しては、“使わないことを原則とする”という注意書きが記載されています2,3)

インフルエンザ対応策。ロキソプロフェンやイブプロフェンは使えるのか?の画像1

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一方で、他のNSAIDsには特にライ症候群への注意喚起は記載されていません。

ということは、インフルエンザの時には、「アスピリン」「ジクロフェナク」「メフェナム酸」の3剤だけに気を付けていれば十分かというと、そういうわけでもなさそうです。

成人に対する「ロキソプロフェン」や「イブプロフェン」も、“安全性”が確立しているわけではない

インフルエンザの際の解熱鎮痛薬として、最も安全性が高いのは「アセトアミノフェン」です4)

しかし、「アセトアミノフェン」の解熱・鎮痛効果は比較的やさしめなため、インフルエンザによる高熱や強い痛みに対しては、より高い効果を期待できる「イブプロフェン」や「ロキソプロフェン」といったNSAIDsを用いるケースがあります。

確かに、「イブプロフェン」や「ロキソプロフェン」に関しては、インフルエンザの際に使うことのリスクが明確に指摘されているわけではありません。

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較の比較と使い分け(羊土社)」。

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