小児科で処方される“まずい”薬を飲みやすくする裏ワザ
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- 小児科で処方される薬の中で「まずい薬」とされている薬にはどのような薬があるのか?
- まずい薬を服用すると、どのような味がするのか?なぜ飲みづらいのか?
- 実際に服用する上で、どういった方法を取れば飲みやすくなるのか?
「まずい薬」といえば、小児科で処方される薬を思い出す方が多いのではないでしょうか?大人であれば、まずい薬でも症状が良くなるために我慢して服用することも多いですが、お子さんの場合、苦い薬だと「絶対に飲みたくない!」と拒否され、治療に影響が出てしまいます。
今回は、「まずいと言われることが多い薬」を実際に用意し、そのままで服用した場合と、一手間加えて味見した場合の味の変化などをお伝えしたいと思います。
味見を行うのは以下の3製剤です。
- メジコン散
- ジスロマック細粒小児用
- クラリスロマイシンドライシロップ「サワイ」
「メジコン散」をそのまま服用してみた
まずは、どうして飲みづらいと言われるのか知るために、何も使わずそのまま服用してみましょう。そのまま服用すると…?
まずい理由を一言で言うと「苦い」です。
小児の粉薬だと最近は味に工夫がされているドライシロップ製剤が多く、苦味があったとしてもそれをマスキングするようなコーティングやさまざまな風味がついており、飲みやすく改良された製剤であることが多いかと思います。
一方、この「メジコン散」は昔から販売されており、ドライシロップ製剤ではないため、甘みも少なく苦味をダイレクトに感じやすいので、お子さんが飲みづらいと感じるのではないでしょうか。
少量でも強い苦味が口の奥に広がります。
「メジコン散」を色々な食品で服用してみた
それでは、苦味をマスキングするように色々な食品などを用いて味見をし、飲みやすさが変化するか試してみましょう。
①チョコレートアイス
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苦い薬の鉄板服用法といえばチョコアイスです。
スプーンにアイスをやや多めにとり、その上に「メジコン散」を乗せて服用し、追加でスプーン1杯のアイスを食べると、あれほど苦かったメジコン散がチョコの味で完全にマスキングされて苦くなくなりました。
チョコを食べられるお子さんなら、苦手な薬の場合はチョコアイスを使用して服用するのはかなり有効だと思います。
②ココア
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「メジコン散」をココアに溶かすと、粉の量が少ないこともあって粉がわからないくらいきれいに溶けます。
味もメジコン散が入っているのがほとんどわからないくらい、ココアの風味で違和感なく服用できました。
③練乳
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イチゴを食べるときなどに使用する練乳です。チョコレートアイスやココアは実際の投薬でも説明することがありますが、「練乳を使って服用してみましょう」というアドバイスは行ったことがありませんでした。
実際に味見をしてみると練乳は圧倒的な甘さでメジコン散の苦味をマスキングした印象です。
アイスと比べると粘度が低いので練乳を使用する場合には少し深めのスプーンを使用するのが良いと思います(練乳がスプーンからこぼれそうになりました)。
チョコレートアイス同様に、追加で練乳のみを飲むことで苦味を完全に抑え込むことができました。
「メジコン散」を飲みやすくするポイント
メジコン散の成人用量は1日0.45g〜0.9g、小児で処方される場合には更に少なく1日0.1gとか0.2gで処方されるため、服薬補助のゼリーやアイスなどの食べ物・飲み物に混ぜて一気に服用することが可能です。
少量でも口の中に残ると苦味を感じるので、服用後に追加で甘いものを食べたり飲んだりすると苦味をより感じにくくなると思います。
「ジスロマック細粒小児用」をそのまま服用してみた
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「ジスロマック細粒小児用」をそのまま服用すると、オレンジ風味で「メジコン散」と比べると口に含んだ瞬間の苦味は少なく飲みやすいです。
ですが、暫く味わっていると徐々に苦味が出てきて不快です。特に、舌の奥から喉の奥の方に少量でも残っているとじわじわと苦い味を感じます。
「ジスロマック細粒小児用」を色々な食品で服用してみた
「メジコン散」の時と同様に、3つの方法を用いて味見を行ってみましょう。
①チョコレートアイス
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「メジコン散」よりも粉の量が多いので、少し多めにすくったアイスの上に「ジスロマック細粒」をのせ、更にアイスで上から蓋をするようにしてから服用してみました。