「ベンザルコニウム塩化物」不使用の点眼薬の調べ方~「添付文書」検索テクニック

- 「項目内検索」を使って、特定の添加物が入っている/入っていない医薬品だけを検索する方法
PMDA(医薬品医療機器総合機構)の情報検索 は、添付文書やインタビューフォーム、RMP資材などを検索するのに便利なWebサイトですが、ちょっとしたテクニックを活用することでもっと便利に情報収集することができます。今回は、そんな情報検索テクニックのなかから、特に薬剤師業務に役立つものを2つ紹介します。
前編では、コンタクトレンズを使っている患者さんの点眼薬を選ぶ際に重要になる「塩化ベンザルコニウム」の有無を例に、医薬品の“添加物”に焦点を当てて検索する方法です。
「塩化ベンザルコニウム」を含む点眼薬のデメリットとは?
薬の形態が“液体”である点眼薬は、薬液中で雑菌が繁殖しやすいため、薬に防腐剤や保存料などを添加して薬の劣化を防ぐ必要があります。そのため、基本的に“使い切り”タイプのものを除けば、点眼薬には防腐剤や保存料などの添加物が用いられています。
通常、こうした点眼薬に含まれる添加物が人体に悪影響を与えることはありませんが、特定の条件が重なるとリスクが顕在化することがあります。
その最たる例が、「塩化ベンザルコニウム」と「ソフトコンタクトレンズ」の組み合わせです。
「塩化ベンザルコニウム」は優れた有効性・安全性の保存料/防腐剤ですが、含水性のソフトコンタクトレンズに吸着する性質があります1)。そのため、ソフトコンタクトレンズを装着したまま用いると、吸着した「塩化ベンザルコニウム」が眼と長時間接触し続けることになり、これが角膜炎などの原因になることがあります2)。
そのため、ソフトコンタクトレンズを使っている人は、レンズを外してから点眼を行うか、あるいは「塩化ベンザルコニウム」の入っていない点眼薬を選ぶ必要があります。
しかし、この「塩化ベンザルコニウム」の入っていない点眼薬を探す際には、添付文書を1つずつ確認する必要はありません。
添付文書の「項目内検索」を活用しよう
PMDAの医療用医薬品情報検索のページでは、「一般名」や「販売名」だけで検索することが多いですが、少し画面を下へスクロールすると、「項目内検索」というものが出てきます。