ロキソプロフェンの「貼り薬」と「飲み薬」、注意すべき副作用の違いは?

- 「ロキソプロフェン」の「貼り薬」と「飲み薬」で、現れやすい副作用にはどんな違いがあるか
- 「ロキソプロフェン」の「貼り薬」や「飲み薬」を安全に使うためにはどんな点に注意すれば良いか
前編で、「ロキソプロフェン」を含めNSAIDsの製剤では「貼り薬」と「飲み薬」で期待できる効果に大きな差はないことを解説しました。では、一方で注意すべき“副作用”にはどういった違いがあるのか、安全性の面からの使い分けの目安について解説します。
「貼り薬」と「飲み薬」、副作用はどのくらい違うのか
NSAIDsの「貼り薬(外用)」と「飲み薬(内服)」では、効果はほとんど変わらない1)一方で、「貼り薬」は皮膚のトラブル、「飲み薬」は胃や腎臓のトラブルと、現れやすい副作用にははっきりと違いがあります2)。
そのため、皮膚の弱い人は「飲み薬」、胃や腎臓が弱っている人には「貼り薬」を選ぶ、というのが基本的な方針になります。

CASE①:胃や腎機能が弱っている高齢の患者さんの場合
NSAIDsは、痛みや炎症を誘発する「プロスタグランジン」の産生を抑制することで鎮痛・消炎効果を発揮しますが、この「プロスタグランジン」は胃粘膜の保護にも深く関わっています。
そのため、「ロキソプロフェン」のようなNSAIDsを服用すると、用量依存的に胃は荒れやすくなります3)。