関節リウマチ治療薬「メトトレキサート（MTX）」と葉酸を併用する理由は？
[目次]
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☞この記事でわかること
- 「メトトレキサート」が、関節リウマチになぜ効くのか
- 「メトトレキサート」で、なぜ口内炎や吐き気、肝機能障害といった副作用が起こるのか
- 「メトトレキサート」になぜ葉酸を併用するのか。なぜ24～48時間後に服用するのか
「メトトレキサート（MTX）」は、関節リウマチ治療の中心的な役割を果たす薬ですが、この薬を使う際には葉酸を併用することがガイドラインでも強く推奨されています。しかし、この併用を行う理由をきちんと説明できる薬剤師は意外と多くありません。患者さんから質問された際にもしっかりと自信を持って答えられるよう、一度おさらいをしておきましょう。
関節リウマチの病態と「メトトレキサート（MTX）」の作用メカニズム：復習ポイント①
関節リウマチは、免疫の異常によって“自分の関節”を攻撃してしまうために、全身の関節に炎症が起こる疾患です。関節の炎症は日常生活を不便にするだけでなく、進行すると臓器や血管にも悪影響を及ぼすため、薬を使ってこの炎症を抑え込むことが治療の目標になります。
ここで重要になる薬が「メトトレキサート（MTX）」ですが、メトトレキサートは主に葉酸の働きを妨げる作用を持つ薬です。炎症を起こしている関節では、細胞の活動や増殖が盛んになっているため、非常に多くの葉酸が必要になります。ここでメトトレキサートを使うと、細胞が必要とする葉酸の働きが邪魔されることで、その活動性が抑えられる＝炎症が落ち着いてくることになります。
ただ、メトトレキサートは炎症を起こしている関節以外の場所でも葉酸の働きを邪魔してしまうため、口内炎や吐き気、下痢、肝機能障害といったさまざまな副作用を引き起こすことがあります。
葉酸を併用することの意義とは？：復習ポイント②
関節リウマチの治療では、関節の炎症が長引いて不可逆的なダメージを受けてしまう前に、なるべく早く炎症を抑え込んでしまうことが重要になります。そのため、他の薬のように“副作用に身体を慣らすために少量から開始して、徐々に増量する”といったことは通常行われません。少量で使っている間に炎症が進行してしまう可能性があるからです。
