薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2025年8月12日 児島 悠史

アロプリノール×アザチオプリンの併用。禁忌じゃなければ本当に安全?

アロプリノール×アザチオプリンの併用。禁忌じゃなければ本当に安全?のメイン画像
☞この記事でわかること
  • アロプリノールとアザチオプリンの、相互作用のメカニズム
  • アザチオプリンとの併用が、類薬では「禁忌」なのに、アロプリノールは禁忌でない理由
  • アロプリノールとアザチオプリンを併用した場合の具体的なリスクと、これを避けるための減量基準

薬の添付文書に記載されている「併用禁忌」の項目は、薬剤師業務において重要な判断材料になることは確かです。しかし、この「併用禁忌」には掲載されていないから併用しても大丈夫…という安易な判断は、時に重大な相互作用リスクに繋がることがあります。

今回は、そんな注意すべき組み合わせの代表例である「アロプリノール」と「アザチオプリン」の併用について解説します。

添付文書上の“禁忌”の指定~尿酸生成抑制薬と「アザチオプリン」の併用

高尿酸血症治療薬のうち、尿酸生成を抑制するタイプの薬としては「アロプリノール」、「フェブキソスタット」、「トピロキソスタット」といった薬がよく用いられています。これらの薬のうち、「フェブキソスタット」と「トピロキソスタット」は、免疫抑制薬「アザチオプリン」との併用が添付文書上、禁忌”に指定されていますが、「アロプリノール」との併用は“禁忌”には指定されていません。

CHECK①各医薬品の添付文書の「併用禁忌」の項目

アザチオプリンとの併用
アロプリノール 注意
フェブキソスタット 禁忌
トピロキソスタット 禁忌

このことから、「アザチオプリン」と尿酸生成抑制薬を併用する場合には、「アロプリノール」を選んでおけば大丈夫、と安易に判断してしまうケースも少なくありません。

「アロプリノール」だけ“禁忌”でないのはなぜ?

「アロプリノール」や「フェブキソスタット」、「トピロキソスタット」といった薬は、いずれもキサンチンオキシダーゼを阻害する作用を持っています。

すべてのコラムを読むにはm3.com に会員登録(無料)が必要です

児島 悠史の画像

児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較と使い分け(羊土社)」。

キーワード一覧

薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

この記事の関連記事

この記事に関連するクイズ

アクセス数ランキング

新着一覧

28万人以上の薬剤師が登録する日本最大級の医療従事者専用サイト。会員登録は【無料】です。

薬剤師がm3.comに登録するメリットの画像

m3.com会員としてログインする

m3.comすべてのサービス・機能をご利用いただくには、m3.com会員登録が必要です。

注目のキーワード

医薬品情報・DI 薬物療法・作用機序 服薬指導 医療過誤・ヒヤリハット 医療クイズ 疾患・病態 ebm 感染症対策 薬剤師あるある アセスメント