子どもが嫌がらない点眼のコツとは?薬剤師向け小児点眼の服薬指導方法

- 点眼を嫌がる子どもにも試せる点眼の方法と、副作用を避けるためのポイント
子ども、とくに乳幼児は、点眼を嫌がって目をつぶったり動いたりしてしまい、上手に点眼できないことがよくあります。その状態で点眼を1日に何度も行うのは、子どもにとっても親にとっても非常に大きな負担になってしまいます。無理に点眼すると、場合によってはますます点眼を嫌がるようになり、治療が困難になることもあります。そのため、小さな子どもの点眼に関して服薬指導する際は、薬剤師から“無理なく点眼するための方法”も併せて提案していくことが重要になります。
「目頭のくぼみに1滴落とす」という点眼方法
点眼をしようとすると子どもが怖がって目をギュッと閉じてしまう、という場合に役立つ点眼法があります。
アメリカの眼科学会(American Academy of Ophthalmology)が紹介している、「目頭のくぼみに薬液を滴下し、その後、薬液が目に入るまで数回のまばたきをする」という方法です1)。
子どもに不安を与えない点眼方法
- 子どもを寝かせます
- 目を閉じてもらいます
- 目頭(鼻の近くの隅)に、目薬を1滴落とします
- 薬液が眼に入るように、数回まばたきをします
この方法であれば、“眼の近くに点眼ボトルが見える”、“眼に薬液が直接落ちて来る”といったことが起こらないため、点眼に対する恐怖感はかなり軽減されます。どうしても点眼を怖がって目を閉じてしまう、という子どもの場合には良い選択肢になります。
ただし、この方法を試す際にはいくつか注意しなければならないポイントがあります。まず、点眼の前に、目の周りは清潔な布などで拭いておく必要がある、という点です。特に目頭付近が汚れていた場合、点眼液と一緒にその汚れも眼に入ってしまうためです。