薬剤師必見!保湿剤で「ヘパリン類似物質」がよく選ばれるのはなぜ?

- 保湿剤の中で、「ヘパリン類似物質」にはどんな“長所”と“短所”があるのか
- その“長所”を活かすには、どういった視点で患者を観察するのが重要か
ひとことに「保湿剤」と言っても、薬としてはワセリン、尿素、ヘパリン類似物質といった色々な選択肢があります。そんななか、日常業務では「ヘパリン類似物質」が処方されるケースが目立ちますが、なぜこの成分が“使いやすい保湿剤”として支持されているのでしょうか。薬効や使い心地の違いに注目しながら解説します。
「ヘパリン類似物質」がよく選ばれる理由①高い保湿効果
「ヘパリン類似物質」は、その化学構造中に水酸基、硫酸基、カルボキシ基といった親水基をたくさん持っていることから、水分を多くチャッチする性質があり1)、これによって高い保湿効果を発揮します。
こうして得られる保湿効果は「ワセリン」や「尿素」よりも高く2)、実際に皮膚の乾燥症状はより大きく改善する3)ことも報告されています。
そのため、特に冬場の皮膚の“かゆみ”のように、皮膚の乾燥がベースになって皮膚症状が現れている状況では、より高い保湿・症状改善効果を期待できる「ヘパリン類似物質」が重宝されています。
「ヘパリン類似物質」がよく選ばれる理由②優れた使い心地
さらに、「ヘパリン類似物質」には「クリーム」「ソフト軟膏」「ローション」「泡フォーム」「ゲル」といった豊富な剤型があり、それぞれ好みに応じて使い分けることができるようになっています。
こうした使用感・使い心地は、実際の薬の塗布量にも影響する4)ことから、意外と侮ることはできません。