一覧付き!ステロイド外用薬と「皮膚の厚さ」の関係とは?

[目次]
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前編で紹介したステロイド外用薬の強さ(ランク)を覚えていても、実際の使い分けに迷うことは多いと思います。そんなときにもう1つ参考にしてもらいたいのが、「皮膚の厚さ」を基にした使い分けの考え方です。“薬の強さ”と、薬を塗布する“皮膚の厚さ”の2軸で考えることができれば、ステロイド外用薬の使い分けは非常にわかりやすくなります。
☞この記事でわかること
- 部位によって、ステロイド外用薬の吸収率はどのくらい違うか
- 皮膚の薄い部位に、必要以上に強力なステロイド外用薬を使っていると、何が起こるか
- 大人に比べて皮膚の薄い子どもがステロイド外用薬を使う際、どういった考え方をすれば良いか
- 虫刺され薬に「Ⅴ群」のステロイド外用薬しか配合されていないのはなぜか
部位ごとの「ステロイド外用薬」の吸収率の違い
足の裏の皮膚は分厚いですが、まぶたの皮膚は非常に薄いことからわかるように、人間の皮膚は部位によって厚さが全く異なります。そのため、同じ薬を塗布したとしても、その部位によって吸収率は全く異なることになります。
実際、部位ごとに薬の吸収率を比較した研究では、顔と足の裏では100倍近い差があることも確認されています1)。
このことから、同じような症状に対して「ステロイド外用薬」を使う際にも、皮膚の分厚いところには強めの薬、皮膚の薄いところにはやさしめの薬を選ぶ必要があります。
皮膚ごとの薬の吸収率比 1)
部位 | 吸収率の比 |
腕(内側) | 1.0 |
足の裏 | 0.14 |
足首 | 0.42 |
手のひら | 0.83 |
背中 | 1.7 |
頭皮 | 3.5 |
わき | 3.6 |
頬 | 6.0 |
下あご | 13.0 |
陰嚢 | 42.0 |