「エゼチミブ」「バルプロ酸」などの併用でワルファリンは強まる?弱まる?
抗凝固薬「ワルファリン」の作用を強めたり弱めたりする可能性のある薬を前編でも紹介しましたが、後編の今回は、ビタミンKやCYPとは違う、少し複雑なメカニズムで起こる相互作用リスクに焦点を当てて紹介します。
「エゼチミブ」を併用すると、「ワルファリン」の作用は強まる?弱まる?
正解
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解説
「エゼチミブ」はコレステロールのトランスポーターを阻害する脂質異常症の治療薬ですが、この薬が阻害するコレステロールトランスポーターは、「ビタミンK」の吸収にも関与しています。そのため、「エゼチミブ」は「ビタミンK」の吸収を妨げる作用によって、「ワルファリン」の作用が“強まる”ことがあります。
実際、「ワルファリン」服用中の患者が「エゼチミブ」を併用すると、70%の人でINRが上昇し、10%程度で「ワルファリン」の減量が必要になった、という報告もあります1)。
この相互作用リスクについては、「エゼチミブ」側の添付文書には記載がありますが、「ワルファリン」側の添付文書には記載されていない2)ため、見落とさないよう注意が必要です。
「バルプロ酸」を併用すると、「ワルファリン」の作用は強まる?弱まる?