脂質異常症の新薬「ネクセトール」の特徴と使いどころを完全解説!
- 「ネクセトール」は、脂質異常症治療においてどんな立ち位置にあるか
- 「ネクセトール」は、スタチンとどういった使い分けを行うか
- 「ネクセトール」で副作用が現れやすいのは、どんな状況か
「ネクセトール(ベムペド酸)」は、どこが新しい?~「スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)」が合わなかった人の選択肢に
「ネクセトール(ベムペド酸)」は、肝臓でクエン酸を分解する「アデノシン三リン酸クエン酸リアーゼ(ACL)」を阻害することで、LDL-Cの合成を阻害する薬です1)。
これは、現在のLDL-C値を下げる治療の中心である「スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)」とは全く異なる作用メカニズムを持つ薬です。
つまり、スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)では十分にLDL-C値が改善しなかった人、あるいは何らかの副作用等で薬を使い続けられなかった人でも、内服薬で脂質異常症の治療をできる非常に画期的な薬と言えます。
「スタチン」との併用が原則~「ネクセトール」の使用における注意点①
「ネクセトール(ベムペド酸)」は、スタチンを使えない脂質異常症患者のLDL-C値を下げるだけでなく、心血管イベントを減らす効果が確認されています2)。そういった意味では、スタチン不耐(※何らかの事情でスタチンを継続服用できない人)の場合に、“スタチンの代わり”として使える薬です。
しかし、基本的にLDL-C値の高い脂質異常症の“第一選択薬”はスタチン3)のため、スタチンによる治療が適さない場合を除き、ネクセトールはスタチンと併用で用いるのが基本です1)。