薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2026年1月5日 児島 悠史

心不全合併高血圧の処方変更:β遮断薬?Ca拮抗薬?

【特集】トリプルワーミー(RAS阻害薬+利尿薬+NSAIDs)への対応を考えるのメイン画像
☞この記事でわかること
  • 「トリプルワーミー」を見つけた際に、ARB/ACE阻害薬をどう扱えば良いか
  • ARB/ACE阻害薬を変更する際には、どんな点に注意が必要か

「トリプルワーミー」は直訳すると“三段攻撃”という意味です。ARB/ACE阻害薬+利尿薬+NSAIDsという3つの薬を併用した際に、急性腎障害を起こしやすくなる、というものです1,2)

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①ARB/ACE阻害薬:腎臓の輸出細動脈を拡張することで、腎血流量を低下させる
②利尿薬:循環血流量を減少させることで、腎血流量を低下させる
③NSAIDs:腎臓の輸入細動脈を収縮させることで、腎血流量を低下させる
(詳しくは→https://pharmacist.m3.com/column/special_feature/5340

その人の治療戦略上、どの薬も“重要な薬”となることも多いため、多少のリスクは承知の上で併用を続けることもありますが、そのリスクが顕著になってしまう場合には、リスクの低い同種同効薬に切り替えるなどの対応を考える必要があります。

今回は、このうち「ARB/ACE阻害薬」や「利尿薬」に着目した対応を考える上で重要なポイントをおさらいします。

トリプルワーミー回避の対応① 「ARB/ACE阻害薬」を「Ca拮抗薬」へ変更する

「トリプルワーミー」を避けるために、「ARB/ACE阻害薬」を「Ca拮抗薬」へ変更する、というのは1つ選択肢になります。「Ca拮抗薬」は、「ARB/ACE阻害薬」と同じ主要降圧薬であり3)、その降圧効果はほとんど変わらない4)からです。

その上、「Ca拮抗薬」は腎血流量の低下を起こしにくく、腎機能が既に低下している人の降圧治療に適している5)ことから、急性腎障害のリスクを避けるために「ARB/ACE阻害薬」を変更する際の代替案として、非常に良い選択肢になります。

ただし、「Ca拮抗薬」と「ARB/ACE阻害薬」で積極的適応は異なります3)。特に、心不全の抑制に関しては「Ca拮抗薬」は「ARB/ACE阻害薬」に比べて効果が劣る6)ため、主要降圧薬の積極的適応の違いには注意する必要があります。

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較と使い分け(羊土社)」。

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