「アスピリン喘息」で使えるCOX-2選択性のNSAIDsの選択肢と注意点
- 「アスピリン喘息」が起こるメカニズム
- 「アスピリン喘息」の人でも選択肢になる解熱鎮痛薬には、具体的にどんなものがあるか
前編では、COX-2選択性のNSAIDsは、胃粘膜保護に関わるCOX-1への作用が少ないことから“胃にやさしい”という性質を持つことを紹介しました。このCOX-1への作用が少ないことは、他にも「アスピリン喘息」に対する安全性にも関係していることが示唆されています。後編では、COX-2選択性のNSAIDsとアスピリン喘息について解説します。
アスピリン喘息が起こるメカニズムをおさらいしよう
「アスピリン喘息」とは、「NSAIDs」を使った際に起こる、喘息や鼻づまりを伴うアレルギー症状のことを指します。このアスピリン喘息は、体内でアレルギーの原因物質である「ロイコトリエン」が急激に増えることによって起こる、とされています。
通常、ヒトの身体では「アラキドン酸」から「プロスタグランジン」と「ロイコトリエン」が作られています。NSAIDsは、シクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することで「プロスタグランジン」の産生を抑制しますが、このとき、「アラキドン酸」から「ロイコトリエン」への変換が代わりに進んでしまうことがあります。
このとき体内で増える「ロイコトリエン」は、アレルギーの原因物質として喘息や鼻づまりの症状と深く関わっている(※抗ロイコトリエン薬は喘息や鼻づまりの治療に用いられる)ため、「アスピリン喘息」では“鼻づまり”を伴う“喘息”の症状が現れることになります。
「COX-2阻害薬」は「アスピリン喘息」に対して安全か?
この「アスピリン喘息」に関しても、「NSAIDs」が作用するシクロオキシゲナーゼ(COX)のうち、「COX -1」が深く関わっているとされています。
そのため、「セレコックス(セレコキシブ)」や「モービック(メロキシカム)」、「ハイペン(エトドラク)といったCOX-2選択性の高いNSAIDsであれば、「アスピリン喘息」を起こしにくい、と考えられています。
実際、これらの薬は「アスピリン喘息」の人であってもアレルギー反応を起こしにくい、とする報告も多く1,2,3,4)、“COX-2選択性”はアスピリン喘息においてもリスク軽減に貢献していることがわかります。