ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の使い分け:短時間型と長時間型
- ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、なぜ“作用時間”で使い分けるのか
- 「短時間型」と「長時間型」は、それぞれどんな状況で使うのか、どんなメリット・デメリットがあるのか
「ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬は、急性期の治療には重要な選択肢
近年、「ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬は、長期使用時のデメリットやポリファーマシーの要因としてよく槍玉に挙げられています。
しかし、そこでよく問題になっているのは“終わりの見えない長期連用”や“不必要なほどの多剤併用”であって、適正使用まで選択肢から外してしまわなければならないような薬ではありません。実際、不眠の急性期治療においては、「ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬の有用性はしっかりと示されています1)。
そのため薬剤師にとっては、この「ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬をいかに“適切”に扱うか、というところが重要になってきます。
ここでまず押さえておきたいのが、「ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬はどのように使い分けを行うのか、というポイントです。
「短時間型」と「長時間型」の使い分け~睡眠薬を“作用時間”で区別する理由
「ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬は、それぞれ用法用量に従って使っていれば、作用の強さにそこまで大きな違いは現れません。一方で、薬によって服用後の血中濃度変化は大きく異なるため、速効性や持続性にはかなりの個性が現れます。
このことから「ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬は、作用の“強度”よりも“持続性”によって使い分ける2,3)のが一般的です。
現在、日本で用いられている「ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬は10種類以上ありますが、作用時間の長さと関連する半減期の長さによって、「超短時間型」「短時間型」「中間型」「長時間型」の4つくらいに分類されています。
【図表】主な睡眠薬の分類
| 分類 | 薬剤の例 |
| 超短時間型 (半減期2~4時間) |
トリアゾラム、ゾピクロン、エスゾピクロン、ゾルピデム |
| 短時間型 (半減期6~10時間) |
ブロチゾラム、ロルメタゼパム、リルマザホン、エチゾラム |
| 中間型 (半減期12~24時間) |
エスタゾラム、フルニトラゼパム、ニトラゼパム |
| 長時間型 (半減期24時間~) |
クアゼパム、フルラゼパム |
半減期が短い「超短時間型」や「短時間型」の薬は、比較的速やかにその効果が消失するため、翌朝や日中までは作用が残りにくい、という特徴があります。
このことから、薬を服用した直後にだけ催眠効果が必要になる、“寝つきが悪い”タイプの不眠(入眠障害)の治療に用いられます。