30日制限なしの睡眠薬は?CYPの影響を受けにくい薬剤って?
- 処方日数制限が「30日」ではない睡眠薬
- ベンゾジアゼピン系の睡眠薬のうち、CYP関係の相互作用リスクが低いものはどれか
「ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬は、基本的に入眠障害には「短時間型」、中途覚醒には「長時間型」といったように、“作用時間”によって使い分けることを前編で解説しました。しかし、同じ「短時間型」や「長時間型」の薬にも色々な薬があるため、これらの薬をどのように使い分けるかも考える必要があります。
今回は、そういった場面で役に立つ「処方日数制限」や「CYP(薬物代謝酵素)関係の相互作用リスク」の違いを踏まえた使い分けのポイントを解説します。
「ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬は、ほとんどの薬に“処方日数制限”がある
薬には、一度にあまりたくさんまとめて処方できないように、“処方日数制限”が設けられているものがあります。「ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬もその1つで、ほとんどの薬は「30日」以上の処方ができません。
しかし、中には例外的にこの“処方日数制限”が長かったり、あるいは制限がなかったりする睡眠薬もあります。そのため、何らかの事情で30日以上の処方が必要になった場合には、こうした例外的な薬を使うことが選択肢になります。
【図表】主な睡眠薬の処方日数の分類
| 処方日数制限 | 薬剤の例 |
| 30日 | ゾピクロン、ゾルピデム、トリアゾラム、ブロチゾラム、ロルメタゼパム、エスタゾラム、 フルニトラゼパム、クアゼパム、フルラゼパム |
| 90日 | ニトラゼパム |
| (制限なし) | エスゾピクロン、リルマザホン |
特に「エスゾピクロン」は、比較的長期で使った際の有効性1)や、そういった長期使用でも依存や耐性、反跳性不眠が起こりにくいことが確認されている2)ため、しばらく薬に頼らざるを得ない場合にも使いやすい選択肢になります。
代謝にCYPがほとんど関与しない「ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬
多くの「ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬は、肝臓の代謝酵素「CYP」によって代謝を受けるため、このCYPを誘導・阻害する作用を持つ薬と併用すると、作用の増強や減弱といった相互作用を起こし、有効性・安全性を不安定にさせる恐れがあります。
このことから、「ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬を使う際にも相互作用リスクには細心の注意を払う必要がありますが、どうしてもこの相互作用の影響を避けられない場面もあります。