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薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2026年4月14日 根本真吾

オレキシン受容体拮抗薬ってどんな薬?ベンゾジアゼピン系の睡眠薬との違い

【特集】オレキシン系の睡眠薬、どう使い分ける?のメイン画像
☞この記事でわかること
  • 「オレキシン受容体拮抗薬」は、「ベンゾジアゼピン系の睡眠薬」と比べてどんな点が優れているか
  • 逆に、あえて「ベンゾジアゼピン系の睡眠薬」が優先されるのはどんな場面か

“覚醒”を抑える新メカニズム?「オレキシン受容体拮抗薬」と「ベンゾジアゼピン系の睡眠薬」の違い

「オレキシン受容体拮抗薬」は、脳の“覚醒”を維持するために重要な「オレキシン」の作用に拮抗することで、脳を“覚醒”から“睡眠”へと移行させていくタイプの睡眠薬です。ベンゾジアゼピン受容体に作用することでGABAの働きを強める「ベンゾジアゼピン系の睡眠薬」とは全く異なる作用メカニズムを持ちます。

2014年に「ベルソムラ(一般名:スボレキサント)」が登場して以降、「デエビゴ(一般名:レンボレキサント)」、「クービビック(一般名:ダリドレキサント)」、「ボルズィ(一般名:ボルノレキサント)」の4種が用いられており、不眠症治療の薬として「ベンゾジアゼピン系の睡眠薬」から置き換わっていくケースも多く見受けられます。

「オレキシン受容体拮抗薬」が登場した年代と作用メカニズムの違い

分類 登場した年代 基本的な作用メカニズム
オレキシン受容体拮抗薬 2014年以降 “覚醒”を司るオレキシンの受容体に拮抗
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬 1960年ころ ベンゾジアゼピン受容体に作用し、GABAの神経伝達を亢進

「オレキシン受容体拮抗薬」のメリットとは?「ベンゾジアゼピン系の睡眠薬」より優れる3つのポイント

近年、「オレキシン受容体拮抗薬」が不眠症の治療によく用いられているのには、「ベンゾジアゼピン系の睡眠薬」よりも優れた点がいくつかあるからです。

① 比較的長期で用いても効果が期待できる

まず、基本的に長期的な使用では依存・耐性が生じやすい「ベンゾジアゼピン系の睡眠薬」に比べると、GABAにあまり作用しない「オレキシン受容体拮抗薬」では依存・耐性が起こりにくく1)、比較的長期で用いても効果が期待できる2)という面が挙げられます。

② ふらつき・転倒リスクが低い

「オレキシン受容体拮抗薬」は「ベンゾジアゼピン系の睡眠薬」より筋弛緩作用も弱いため、ふらつき・転倒リスクも低い可能性が指摘されています3)

③ 非常に扱いやすい

「オレキシン受容体拮抗薬」には1つで「入眠困難」と「中途覚醒」の両方に効果を期待できるもの4)もあります。これは、不眠のタイプが「入眠困難」か「中途覚醒」のどちらかによって、作用時間で使い分ける必要があった「ベンゾジアゼピン系の睡眠薬」に比べて、非常に扱いやすい特性と言えます。

こうした点から、新しく睡眠薬を使う場合に選ばれるだけでなく、既に「ベンゾジアゼピン系の睡眠薬」で治療をしている場合にも「オレキシン受容体拮抗薬」への切り替え5)はしばしば行われています。

あえて「ベンゾジアゼピン系の睡眠薬」が優先されるのはどんな場面?

一方で、全ての患者で「オレキシン受容体拮抗薬」の方が優先されるか、というと、そうとも限りません。

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根本真吾
ねもとしんご

薬剤師/薬学博士(星薬科大学大学院)。 保険薬局に勤務し、服薬支援・処方鑑査・医療安全の実務に携わる一方、医薬品安全性評価や薬剤疫学研究にも取り組んでいる。特にJADERデータベースを用いたシグナル解析やフォーミュラリ研究を行い、日本医薬品情報学会総会などで発表歴を有する。臨床現場で生じる疑問を起点に、制度解説や薬剤情報を「現場で再現できる形」に整理することを重視。論文活用、処方鑑査、医薬品安全性などをテーマに、エビデンスと実務の橋渡しとなる情報発信を行っている。

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