薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2026年4月15日 児島 悠史

「オレキシン受容体拮抗薬」の作用時間と効果の違いで使い分けよう

【特集】オレキシン系の睡眠薬、どう使い分ける?のメイン画像
☞この記事でわかること
  • 4種ある「オレキシン受容体拮抗薬」の、作用時間をベースにした使い分けの考え方
  • CYP3A4で代謝される「オレキシン受容体拮抗薬」の、併用禁忌の有無についての注意点

「オレキシン受容体拮抗薬」4剤をどう選ぶ?作用時間の違いは重要!

2014年に最初の「オレキシン受容体拮抗薬」が登場してから10年以上が経過し、2026年3月時点では「ベルソムラ(一般名:スボレキサント)」、「デエビゴ(一般名:レンボレキサント)」、「クービビック(一般名:ダリドレキサント)」、「ボルズィ(一般名:ボルノレキサント)」の4種が現場で用いられるようになっています。

この4種の「オレキシン受容体拮抗薬」の使い分けに関してはさまざまな意見や見解がありますが、最も基本になるのは「ベンゾジアゼピン系の睡眠薬」と同様、作用時間の違いを活かした切り口になります。

たとえば、基本的にオレキシン受容体拮抗薬はどれも速効性があり入眠困難に効果的ですが、なかでも「ボルズィ(ボルノレキサント)」の最高血中濃度到達時間(Tmax)は0.5時間と非常に短くなっています1)。そのため、ボルズィ(ボルノレキサント)は最も速効性を期待して使いやすい薬と言えます。

また、オレキシン受容体拮抗薬は早朝覚醒にも効果を期待して使いますが、ここでは効果の持続性が重要になります。しかし、あまり作用が持続し過ぎると翌朝へ眠気を持ち越したり、日中の仕事や学業のパフォーマンスに悪影響を与えたりすることがあります。

その点、血中濃度半減期の長さがちょうど良い「ダリドレキサント」は、早朝覚醒に効果を発揮しつつも、日中のパフォーマンスには影響しにくい2)、ということが確認されています。

一方、血中濃度半減期が長めの「レンボレキサント」は、睡眠維持の効果が高め3)とする報告もあり、持続性を期待した使い方ができます。

「オレキシン受容体拮抗薬」4剤の基本的な血中濃度変化

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較と使い分け(羊土社)」。

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