便秘指導で食物繊維を避けるべき人って?薬剤師の服薬指導がイド
- 便秘の患者さんには「食物繊維」の摂取を提案すれば良いのか
- 食物繊維を豊富に含むもので、気軽に負担なく摂取できるものは何か
便秘の治療を行う上では、薬よりも食事や生活習慣などの面からアプローチする非薬物療法が優先されます1)。薬物治療は、非薬物治療だけでは症状が十分に改善しない場合の選択肢です。つまり、便秘の薬が処方されている患者さんは、基本的にほぼ全ての人に食事指導・食事療法を行う必要がある、ということです。
そのため、薬剤師にとっても食事について提案やアドバイスを行うことは非常に重要ですが、日ごろ食事に関して勉強する機会がないため、具体的で実効性のあるアイデアがなかなか浮かばないこともあります。
そこで今回は、薬剤師として自信をもって提案・アドバイスするために重要な、便秘治療における食事の重要性について、ポイントを絞って解説します。
食物繊維の摂取が適する便秘の患者さんと適さない患者さんって?
便秘の解消に重要なものとして、まず思い浮かぶのは「食物繊維」です。確かに、日本でも海外でも、食物繊維の摂取は便秘の治療法として推奨されている2,3)手段の1つのため、基本的なアプローチの方法として間違ったものではありません。
しかし、食物繊維の摂取量と便秘症状にはそこまで明確な相関はなく、食物繊維の摂取が効果的なのは“普段から食物繊維の摂取量が不足している人”に限られる4)可能性があります。
逆に、食物繊維も過剰摂取すると、かえって便秘を悪化させる恐れもある4)ため、提案する人は慎重に見極める必要があります。
また、こうした食物繊維の摂取をより効果的にするためには、十分な量の水分摂取も重要です。実際、食物繊維が豊富な食事をとりながら、1日1.5~2リットルほどの水分補給を心掛けると、便秘の症状はより大きく改善する5)という報告もあります。
このことから、偏食傾向で食物繊維の摂取量が不足しているような患者さんの場合には、食物繊維の積極的な摂取と、いつもより少し多めの水分摂取を心掛けることが、便秘の症状緩和に非常に重要なポイントになります。
食物繊維の積極的な摂取の適・不適の患者傾向
| 適 | ・調理パンやインスタント食品が中心で、食物繊維の摂取量が不足していると考えられる患者さん ・いつもより多めの水を飲んでも大丈夫な患者さん |
| 不適 | ・野菜や海藻の摂取量が多く、食物繊維の摂取を既に心掛けている患者さん ・心不全などで水分摂取量に制限がある患者さん |
食物繊維を負担なく導入できる、具体的な食材を知ろう
食物繊維を豊富に含む食材としては、野菜や豆類、きのこ、海藻、果物、精白されていない穀物(玄米、オートミールなどの全粒穀物)などが代表的です。そのため、普段の食事にこれらの食材を使ったものを1品加える、といったことが基本的な対応になります。
しかし、これらの食材は調理に手間もかかるため、多忙な現代人にとってはあまり気軽に扱えるものではなく、“机上の空論”になりがちです。
そこで知っておきたいのが、気軽に負担なく普段の食事に導入できるような、より実効性のある具体的な食材です。