薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2026年4月28日 児島 悠史

骨粗鬆症治療と食べ物。「カルシウム+ビタミンD」指導の肝って?

【特集】薬剤師が知っておきたい便秘&骨粗鬆症と「食べ物」の話のメイン画像
☞この記事でわかること
  • 「カルシウム」の積極的な摂取と併せて、どんなことを意識すれば良いか
  • 上手な日光浴の方法(日陰での日光浴、ガラス越しの日光浴の是非)
  • 乳脂肪の摂り過ぎを避けつつ、カルシウムを摂る方法

骨粗鬆症の治療を行う上では、薬物治療と併せてカルシウムの積極的な摂取が必要不可欠です。しかし、カルシウムが豊富な食品の摂取を増やすだけでは十分とは言えず、また摂取量を増やす食品の選び方によっては別の問題を引き起こすこともあるなど、提案の切り口には少し注意が必要です。

そこで今回は、骨粗鬆症の患者さんに対して、自信をもって食事に関する提案・アドバイスができるように、骨粗鬆症治療におけるカルシウム摂取のポイントについて解説します。

「カルシウム」の積極的な摂取は骨粗鬆症予防・治療の基本

「カルシウム」は、骨を構成する基本的な元素です。そのため、この「カルシウム」が不足することが骨粗鬆症の直接的な原因になります。このことから、「カルシウム」を積極的に摂取することは骨粗鬆症の予防・治療において非常に重要なアプローチになります。

この「カルシウム」が豊富に含まれる食品としては、乳製品や小魚、豆腐などの大豆製品などが代表的です。そのため、これらの食品を普段の食事に取り入れることが、まずは基本的な提案・アドバイスの軸になります。

しかし、「カルシウム」の吸収能は加齢によって低下する1)ほか、PPIのように「カルシウム」の吸収に影響する薬もある2)など、ただ「カルシウム」が豊富な食材を意識的に摂ればそれだけで解決する・・・という簡単な問題でもありません。

摂取した「カルシウム」がより効率よく吸収され、より効果的に作用するように、「カルシウム」以外の栄養素にも目を向ける必要があります。

「カルシウム」の吸収を助ける「ビタミンD」も一緒に摂る

摂取した「カルシウム」をなるべく効率よく吸収するためには、「ビタミンD」も一緒に摂ることが重要です。「ビタミンD」には、腸管からの「カルシウム」吸収を促進する作用がある3)からです(※骨粗鬆症治療薬の「エルデカルシトール」はビタミンDの製剤)。

「ビタミンD」を豊富に含む食材としては、鮭やサンマ、ブリといった魚類のほか、しいたけや卵などが挙げられます。そのため、「カルシウム」が豊富な食品と併せて、これらの食材も積極的に摂るように心がけることが重要です。

なお、「ビタミンD」は脂溶性ビタミンのため過剰摂取に注意が必要で、成人における目安量は8.5μg/日、耐容上限量は100μg/日、というところは押さえておく必要があります。

ただし、「ビタミンD」の含有量は、たとえば鮭1切れ(80g)で25μg程度、サンマ1尾で11μg程度のため、“食品”として摂るぶんには、よほど極端なことをしない限りは過剰摂取の心配はないと考えられます。

骨粗鬆症予防に効く、「ビタミンD」を産生する上手な日光浴の方法

「ビタミンD」は、日光(紫外線)を浴びることによって体内で産生することもできます。そのため、適度な日光浴も骨粗鬆症の予防・治療に重要です。

特に、家にこもりがちな高齢者の場合は、日光を浴びる機会が非常に少なくなっていることがあるため、注意が必要です。

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較と使い分け(羊土社)」。

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