湿った咳にアスベリンやアストミンでOK?去痰薬との使い分けを整理
- 風邪やインフルエンザ、新型コロナなどの際の「湿った咳」に適した咳止めはどれか
- 「湿った咳」に対して、咳止めの薬はどんな“効果”を期待して使われているか
- 逆に、「湿った咳」のときに避けた方が良い薬はどれか
「リン酸コデイン」、「デキストロメトルファン(商品名:メジコン)」、「チペピジン(商品名:アスベリン)」、「ジメモルファン(商品名:アストミン)」、「エプラジノン(商品名:レスプレン)」、「クロペラスチン(商品名:フスタゾール)」・・・。
咳止めの薬はたくさんありますが、これらの薬はどういった使い分けがされているのか、“作用機序”だけでは納得できない場面も多いと思います。そこで今回は、これらの咳止めの薬の使い分けのポイントを、「湿った咳」と「乾いた咳」の咳タイプをベースに整理します。
上気道感染症(湿った咳)時、QOL向上にとっても咳止め薬は欠かせない
咳止めの薬が用いられる最も一般的な場面は、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症といった上気道感染症に罹患したときです。というのも、咳は上気道感染症の代表的な症状の1つですが、昼夜を問わず出る咳は生産性や睡眠の質を悪化させる1)など、生活に大きな悪影響を与えるからです。
そのため、薬で咳の頻度を下げることは、上気道感染症の治療においても重要な意義がありますが、このとき咳止めの薬は何を選んでも良いというわけではありません。中には、あまり効果的でないもの、場合によっては逆効果になる恐れがあるものもあるからです。
湿った咳に薬学的な効果が確認されている「デキストロメトルファン(メジコン)」
風邪などの上気道感染症の際に出る「湿った咳」に対し、プラセボを上回る鎮咳効果が確認されている咳止めの薬というのは、実はほとんどありません2)。そういった意味では、風邪などの際の「湿った咳」に劇的に効く薬、というのはそもそも存在しない、と言えます。
しかし、そんな中でも「デキストロメトルファン」は、風邪の咳を20~25%ほど軽減するという効果が報告されている3)など、薬学的な有効性が確認されている貴重な咳止めの1つです。
このことから、湿った咳に対して、有効性を裏付ける科学的根拠のある薬を選びたい、という場合には「デキストロメトルファン」を選ぶのが一般的です。
副作用が少ない非麻薬性鎮咳薬。侮れない“プラセボ効果”とは?
では、「デキストロメトルファン(メジコン)」以外の咳止めを使う意味はないのか、というと、そういうわけでもありません。
咳止めの薬を使って得られる臨床的な効果には、“プラセボ効果”が占める割合も高い4)ということがわかっているからです。