なぜDOACはNGなの!?あえてワルファリンを選ぶ2つの状況とは?
- 心房細動の患者さんでは、「DOAC」を選ぶことが多い理由
- あえて古い薬の「ワルファリン」が選ばれる2つの状況とは
心房細動の患者さんでは、致命的な塞栓症を防ぐために抗凝固薬を使った治療を続けることが重要です。しかし、このとき使える薬には「直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)」と「ワルファリン」の2つがあります。
近年は、新しい「DOAC」が使われる場面が多くなっていますが、今でも「ワルファリン」が使われなくなったわけではありません。より安全かつ効果的な抗凝固療法を行うためには、病態によってしっかりと使い分ける必要があるからです。
そこで今回は、薬剤師として押さえておきたい、心房細動でDOACを選ぶことが多い理由と、あえて古い「ワルファリン」が選ばれる場面の2点に絞って、そのポイントを解説します。
心房細動で最も多い「非弁膜症性」のものには「抗凝固薬(DOAC)」を使う
経口の「抗凝固薬(DOAC)」には、2010年ころまで「ワルファリン」しか存在しなかったため、薬の選択に迷う場面はありませんでした。
しかし、2011年に「ダビガトラン(商品名:プラザキサ)」が登場したことを皮切りに、2014年までに「リバーロキサバン(商品名:イグザレルト)」、「アピキサバン(商品名:エリキュース)」、「エドキサバン(商品名:リクシアナ)」といった直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)が登場し、抗凝固治療は大きく様変わりすることになりました。
その結果、近年は心房細動の患者さんに抗凝固薬を使う際には新しいDOACを選ぶことが多くなっています。
ただし、ここで注意したいのは、新薬という真新しさや、「ワルファリン」と違って納豆を食べられるといった利便性の理由だけでDOACが選ばれているわけではない、という点です。
DOACを選ぶことが多い最大の理由は、心房細動の大部分を占める「非弁膜症性」のものに対しては、古い「ワルファリン」よりも新しい「DOAC」を選んだ方が、より安全に、同等かそれ以上の効果を得られることがわかっている1)からです。
実際、「非弁膜症性」の心房細動に対する第一選択薬は、「ワルファリン」ではなくDOACが選ばれています2)。そのため心房細動の患者さんは多くの場合、抗凝固薬(DOAC)を優先的に使うことになっています。
あえて「抗凝固薬(DOAC)」でなく、「ワルファリン」を選ぶ2つの場面とは?
では、心房細動のすべての場面で「抗凝固薬(DOAC)」が優先されるかというと、そういうわけではありません。