吸入指導で防げる?ステロイド吸入薬による声枯れ予防の3つの対応
ステロイド吸入による声枯れが発生した患者さんに服薬指導で対面した場合、皆さんはどのように対応されていますか?
筆者は自身が喘息患者であり、吸入による声枯れの経験もあるため、声枯れの辛さがよくわかりますが、声枯れは想像以上に患者さんのQOLを低下させます。声枯れを「大したことない」で片付けてしまうと、患者さんは独断で吸入を中止してしまい、喘息発作の再燃につながります。
本コラムでは、なぜステロイド吸入で声枯れが起こるのか、そして声枯れ予防の基本対応について、さらには、声枯れが改善しない場合の薬剤師としての医師への提案について説明します。
ステロイド吸入で声枯れが起こる3つの原因
ステロイド吸入による声枯れの原因にはさまざまな可能性の報告がありますが、主に以下の原因が考えられます2), 10), 13)。
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① 声帯周囲の筋症・粘膜変化によるもの
吸入ステロイドによる声枯れでは、薬剤が口腔咽頭や喉頭周囲に沈着することで、声帯周囲の筋症や粘膜の変化が起こり、声がかすれる可能性が指摘されています。
特に、薬剤が喉に残りやすい吸入手技になっていると、こうした局所作用が起こりやすくなると考えられます2), 10), 11)。 -
② カンジダによるもの
口腔咽頭カンジダはカビの一種である真菌による感染症ですが、これが声枯れの原因となる可能性があります。口腔内や喉の粘膜にステロイドが付着したままの状態が続くと、局所免疫のバランスが崩れ、カビが増殖しやすい環境になります1), 7), 10), 13)。 -
③ 吸入成分・製剤成分による局所刺激
吸入成分や製剤成分が喉や声帯に当たり、その刺激で一時的に声がかすれる場合があります10), 11), 13)。
声枯れの3つの原因を紹介しましたが、これらは必ずしも別々に起きるとは限りません。
実際には薬剤の沈着によって、声帯周囲の筋力低下、カンジダ、局所刺激が複合的に発生している可能性もあります2), 13)。
そのため、声枯れへの対応では「どの成分が合わないか」だけではなく、「薬剤が喉に残りやすい吸入になっていないか」という視点が重要になってきます2), 3)。
患者さんに伝えたい声枯れ予防の3つの対応
「吸入後のうがい」はステロイド吸入による局所副作用を減らすための基本です1), 2), 8)。特に口腔咽頭カンジダ予防としては大きな意味がありますが、声枯れにも予防効果が期待されています1), 2), 4), 10)。
ただし、声枯れが続く場合はうがいだけでなく、次のような、吸入手技の見直しや、吸入時の工夫によって改善につながることがあります。