経口CGRPの新薬「アクイプタ」登場!ナルティークとの使い分けはどうする?
- 「アクイプタ(アトゲパント)」は、どんな効果を期待できる薬か
- 類似薬の「ナルティーク(リメゲパント)」とはどんな点が異なるか
2026年の上半期にも色々な新薬が登場しましたが、なかでもCGRP受容体拮抗薬「アクイプタ(一般名:アトゲパント)」は、 “経口投与”が可能なCGRP関連薬として「ナルティーク(一般名:リメゲパント)」に次いで登場した2番目の薬です。
この薬は片頭痛治療にどのようなインパクトをもたらすのか、また「ナルティーク」とはどのような違いがあるのかを簡単におさらいします。
「アクイプタ(アトゲパント)」ってどんな薬?CGRP関連薬とは?
「アクイプタ(アトゲパント)」は、片頭痛予防に用いるCGRP受容体拮抗薬です。
CGRPはカルシトニン遺伝子関連ペプチド(calcitonin gene-related peptide)のことで、主に三叉神経や後根神経節のニューロンに存在している物質です。特に片頭痛患者では、片頭痛発作時に血中のCGRP濃度が上昇することが確認されており、このCGRPが血管拡張などを起こし、片頭痛の痛みを発生させている、と考えられています。
このCGRPの作用を弱めることで片頭痛の発症を抑制する、というコンセプトで開発されたのが『エムガルティ(一般名:ガルカネズマブ)』や『アジョビ(一般名:フレマネズマブ)』といったCGRP分子またはその受容体に対するモノクローナル抗体医薬品です。
これらの薬は、これまでの予防薬では十分に片頭痛発作を抑えられなかった人にとっても効果を期待できる薬として、片頭痛予防の戦略を大きく変えることになりました。
ただ、これらモノクローナル抗体医薬品は、いずれも経口投与できないため注射剤として用いる必要がありました。「アクイプタ」は、先に発売された「ナルティーク(一般名:リメゲパント)」と同様、このCGRP関連薬を“経口投与”できるように改良した薬で、片頭痛予防の負担を大きく軽減する薬として期待されています。
「アクイプタ(アトゲパント)」で片頭痛発作をどのくらい減らせる?
基本的に「アクイプタ(アトゲパント)」などのCGRP関連薬は、既存の治療を行っていても日常生活に支障を来たすほどの片頭痛がある患者に限って使われる薬1)です。そのため、トリプタン系薬や既存の予防薬では十分に効果を得られない、という人によく用いられることになります。
実際、「アクイプタ」は月に4~14日ほど片頭痛発作を起こす人(反復性片頭痛)であれば1.5~2日ほど2)、月に15日以上の片頭痛発作を起こす人(慢性片頭痛)であれば2~2.5日ほど3)、月あたりの片頭痛発作を減らしてくれる効果(対プラセボ比較)が確認されています。
これによって日常生活のパフォーマンス低下を防げるだけでなく、トリプタン系薬の使用頻度も減らせることで、ひいては“薬剤の使用過多による頭痛”を避けることも可能になります。
類似薬の「ナルティーク(リメゲパント)」とは何が違う?
「アクイプタ(アトゲパント)」と「ナルティーク(リメゲパント)」は、どちらも経口のCGRP受容体拮抗薬ですが、使い方や目的には明確な違いがあります。