薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2026年7月4日 根本真吾

【対象77成分一覧付】OTC類似薬でロキソニンは保険適用外になる?

【特集】選定療養とどう違う?「OTC類似薬」新制度の変更点は?のメイン画像
☞この記事に関連する主な薬剤

ロキソニン / アレグラ / ヒルドイド / マグミット / モーラステープ / イブ / ボルタレン / アレジオン / クラリチン / フルナーゼ / ムコダイン / トリアムシノロン


☞この記事でわかること
  • 「OTC類似薬=多くの薬が保険適用外になる」ではないこと
  • OTC類似薬の対象となる77成分(2026年6月時点)にはどんなものがあるか
  • OTC類似薬と選定療養制度、混同しがちな制度の違い
  • 患者説明では、どんなポイントに注意して対応する必要があるか

OTC類似薬の見直しが報じられて以降、服薬指導の際に「ロキソニンは保険で出なくなるんですか?」、「アレグラも選定療養みたいに高くなるんですか?」、「ヒルドイドはどうなるの?」などといった質問を受ける機会が増えていませんか?

薬剤師にとっても「長期収載品の選定療養との違いがよく分からない」という声が聞かれます。確かに、どちらも患者負担が増える制度であり、対象薬剤としてロキソニンやアレグラ、ヒルドイド、モーラステープなどが話題になるため混同しやすい部分があります。

そこで今回は、OTC類似薬制度の概要と、選定療養との違いについて整理します。

OTC類似薬=保険適用除外ではない

最も多い誤解は「OTC類似薬は保険適用外になる」というものです。実際に薬局でも、ロキソニンが二重線で削除されている処方箋を受け付けたことがありますが、よくよく話を聞くと、医師から「今後は処方できなくなるかもしれない。今のうちから知っておいてほしい」と言われたとのことでした。

しかし、現時点で決まっているOTC類似薬の制度は、保険給付を完全に外すものではありません。厚生労働省は、市販薬と成分・投与経路が同一で、一日最大用量が異ならない医療用医薬品について、薬剤費の4分の1相当額を「特別の料金」として徴収する仕組みを示しています1、2)。本制度は一部保険外療養とも呼ばれ、2027年3月の開始を目指しています。

つまり、「保険は使える」一方で、「自己負担が増える可能性がある」という制度です。

【図解】OTC類似薬における特別の料金

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参考資料1、3)より筆者作成

なぜOTC類似薬が議論されているのか?

背景には、医療保険財政の持続可能性確保、現役世代の保険料負担軽減、セルフメディケーション推進があります1、4)。政府は以前から「ドラッグストアでも購入できる成分を、どこまで保険で給付するべきか」という議論を続けてきました。

当初は完全に保険給付から除外してしまう案も検討されましたが、患者負担の急増、受診控え、治療中断などへの懸念から、薬剤費の一部を患者が負担するという現在の「特別の料金」を徴収する方式へ整理されています。

OTC類似薬の対象となる77成分とは?

厚生労働省は制度開始時点で、OTC類似薬の対象を77成分・約1100品目を対象とする方針を示しています2、5)

報道で頻繁に取り上げられているのは、ロキソプロフェン、フェキソフェナジン、ヘパリン類似物質、酸化マグネシウムなどです5、6)

患者さんの認知度で言えば、「ロキソニン」、「アレグラ」、「ヒルドイド」、「マグミット」といった商品名の方が分かりやすいかもしれません。

一方で、すべての鎮痛薬(湿布薬など)やアレルギー薬が対象になるわけではありません。例えばモーラステープやモーラスパップの有効成分であるケトプロフェンは、厚生労働省が公表した77成分リストには現時点では含まれていません(※選定療養の対象ではあります)。そのため、「湿布だから対象」ではなく、「対象成分に含まれるか」で判断する必要があります。

OTC類似薬の見直しと選定療養との違いとは?

ここが最も混同されやすいポイントです。整理しておきましょう。

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根本真吾
ねもとしんご

薬剤師/薬学博士(星薬科大学大学院)。 保険薬局に勤務し、服薬支援・処方鑑査・医療安全の実務に携わる一方、医薬品安全性評価や薬剤疫学研究にも取り組んでいる。特にJADERデータベースを用いたシグナル解析やフォーミュラリ研究を行い、日本医薬品情報学会総会などで発表歴を有する。臨床現場で生じる疑問を起点に、制度解説や薬剤情報を「現場で再現できる形」に整理することを重視。論文活用、処方鑑査、医薬品安全性などをテーマに、エビデンスと実務の橋渡しとなる情報発信を行っている。

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