なぜ食直後に打てる?アウィクリ・ルムジェブ等の改良点と服薬指導ガイド
- 超速効型: ノボラピッド、フィアスプ、ヒューマログ、ルムジェブ
- 持効型: レベミル、ランタス、ランタスXR、トレシーバ、アウィクリ
- 「超速効型」の新しいインスリン製剤、「フィアスプ」や「ルムジェブ」の改良点とメリット
- 「持効型」の新しいインスリン製剤、「アウィクリ」の改良点とメリット
前編では、インスリン製剤にはなぜ「速効型」と「持効型」というタイプの異なるものがあるのか、このタイプはどのように使い分けるのかを解説しましたが、この「速効型」や「持効型」のインスリン製剤は、いまも改良が続けられ、新しい製剤が登場しています。
そこで今回は、近年新しく登場した新しいインスリン製剤の「フィアスプ」、「ルムジェブ」、「アウィクリ」が、従来の製剤に比べてどういった点が改良されているのか、それが患者さんにとってどんなメリットに繋がっているのかを解説します。
「超速効型」の新しいインスリン製剤「フィアスプ」「ルムジェブ」の改良点とメリットとは?
「フィアスプ」と「ルムジェブ」は、どちらも「超速効型」に分類される新しいインスリン製剤です。
どちらも有効成分のインスリン本体はそのままに、フィアスプは「ニコチン酸アミド」を添加することで、ルムジェブは「トレプロスチニル」と「クエン酸」を添加することで、それぞれインスリンの吸収を速めることに成功した製剤です1)。
【表】主な超速効型インスリン製剤の特徴一覧 1)
| 分類 | 一般名 | 主な製剤 | 作用発現時間 | 作用持続時間 |
| 超速効型 | インスリン アスパルト | ノボラピッド | 10~20分 | 4~5時間 |
| フィアスプ | 5~15分 | 4~5時間 | ||
| インスリン リスプロ | ヒューマログ | 15分以内 | 4~5時間 | |
| ルムジェブ | 10分以内 | 4~5時間 |
従来の超速効型のインスリン製剤も、注射してから血糖降下作用が発現するまでの時間は短かったですが、それでも健康な人の食事時のインスリン分泌パターンに比べると遅く、食事開始の15分前を目安に注射しておく必要がありました。
しかし、このタイミングが非常に厄介で、早過ぎると食前・食事中に低血糖を起こす、遅過ぎると食後の高血糖を起こす、といった問題がありました。
そこで、食事と“ほぼ同時”に注射できるくらい、作用発現の速い薬として開発されたのがフィアスプやルムジェブです。実際、フィアスプやルムジェブは、「ノボラピッド」や「ヒューマログ」と比べて作用発現時間が4~5分ほど早くなっていることが確認されています2)。
これによって、注射のタイミングは「食事開始の0~2分前」と非常にわかりやすくなっており、注射タイミングのズレによる低血糖や高血糖を減らせることが期待されています。
また、作用の持続時間もやや短くなっている2)ことから、血糖降下作用が長引かず、食事からしばらく経ってから起こる低血糖リスクも軽減できる可能性が示されています3)。