薬剤師の気になるトピックをお届け!今月の特集

更新日: 2026年7月22日 児島 悠史

なぜ食直後に打てる?アウィクリ・ルムジェブ等の改良点と服薬指導ガイド

【特集】インスリン製剤の基本をおさらい~種類・デバイス・指導のツボのメイン画像
☞この記事に登場する主なインスリン製剤
  • 超速効型: ノボラピッド、フィアスプ、ヒューマログ、ルムジェブ
  • 持効型: レベミル、ランタス、ランタスXR、トレシーバ、アウィクリ

☞この記事でわかること
  • 「超速効型」の新しいインスリン製剤、「フィアスプ」や「ルムジェブ」の改良点とメリット
  • 「持効型」の新しいインスリン製剤、「アウィクリ」の改良点とメリット

前編では、インスリン製剤にはなぜ「速効型」と「持効型」というタイプの異なるものがあるのか、このタイプはどのように使い分けるのかを解説しましたが、この「速効型」や「持効型」のインスリン製剤は、いまも改良が続けられ、新しい製剤が登場しています。

そこで今回は、近年新しく登場した新しいインスリン製剤の「フィアスプ」、「ルムジェブ」、「アウィクリ」が、従来の製剤に比べてどういった点が改良されているのか、それが患者さんにとってどんなメリットに繋がっているのかを解説します。

「超速効型」の新しいインスリン製剤「フィアスプ」「ルムジェブ」の改良点とメリットとは?

「フィアスプ」と「ルムジェブ」は、どちらも「超速効型」に分類される新しいインスリン製剤です。

どちらも有効成分のインスリン本体はそのままに、フィアスプは「ニコチン酸アミド」を添加することで、ルムジェブは「トレプロスチニル」と「クエン酸」を添加することで、それぞれインスリンの吸収を速めることに成功した製剤です1)

【表】主な超速効型インスリン製剤の特徴一覧 1)

分類 一般名 主な製剤 作用発現時間 作用持続時間
超速効型 インスリン アスパルト ノボラピッド 10~20分 4~5時間
フィアスプ 5~15分 4~5時間
インスリン リスプロ ヒューマログ 15分以内 4~5時間
ルムジェブ 10分以内 4~5時間

従来の超速効型のインスリン製剤も、注射してから血糖降下作用が発現するまでの時間は短かったですが、それでも健康な人の食事時のインスリン分泌パターンに比べると遅く、食事開始の15分前を目安に注射しておく必要がありました。

しかし、このタイミングが非常に厄介で、早過ぎると食前・食事中に低血糖を起こす、遅過ぎると食後の高血糖を起こす、といった問題がありました。

そこで、食事と“ほぼ同時”に注射できるくらい、作用発現の速い薬として開発されたのがフィアスプやルムジェブです。実際、フィアスプやルムジェブは、「ノボラピッド」や「ヒューマログ」と比べて作用発現時間が4~5分ほど早くなっていることが確認されています2)

これによって、注射のタイミングは「食事開始の0~2分前」と非常にわかりやすくなっており、注射タイミングのズレによる低血糖や高血糖を減らせることが期待されています。

また、作用の持続時間もやや短くなっている2)ことから、血糖降下作用が長引かず、食事からしばらく経ってから起こる低血糖リスクも軽減できる可能性が示されています3)

「持効型」の新しいインスリン製剤、「アウィクリ」の改良点とメリットとは?

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児島 悠史
こじま ゆうし

薬剤師 / 薬学修士 / 日本薬剤師会JPALS CL6。
2011年に京都薬科大学大学院を修了後、薬局薬剤師として活動。
「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」という理念のもと、ブログ「お薬Q&A~Fizz Drug Information」やTwitter「@Fizz_DI」を使って科学的根拠に基づいた医療情報の発信・共有を行うほか、大学や薬剤師会の研修会の講演、メディア出演・監修、雑誌の連載などにも携わる。
主な著書「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100(羊土社)」、「OTC医薬品の比較と使い分け(羊土社)」。

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