一般名処方のヒヤリハット防止!グラセプター等、紛らわしい薬一覧
- タクロリムス製剤(グラセプターカプセル、プログラフカプセル、タクロリムスカプセル)
- テオフィリン製剤(テオドール錠、ユニコン錠、テオフィリン徐放錠、テオフィリン徐放U錠)
- デュタステリド製剤(ザガーロカプセル、アボルブカプセル、デュタステリドZA、デュタステリドAV)
- メトホルミン塩酸塩製剤(メトグルコ錠、グリコラン錠、メトホルミン錠MT、メトホルミン錠)
- キプレス、シングレア、アムロジン、ノルバスク、グラセプターカプセル
- 「グラセプター」と「プログラフ」、同じタクロリムス製剤の違い
- 「テオドール」と「ユニコン」、「ザガーロ」と「アボルブ」といった同一成分製剤の違い
- 「ニフェジピン」のL錠とCR錠、「メトホルミン錠」と「メトホルミン錠MT」の違い
保険診療に用いられる医薬品として薬価基準に収載されている薬は、いまや13,000~16,000品目ほどあるとされていますが、薬剤師には、この大量の薬を間違うことなく的確に調剤することが求められています。しかし、なかには非常に間違いやすい、紛らわしい薬もたくさんあり、知らないまま現場で遭遇すると過誤を避けることが困難なものもあります。
そこで今回は、実際に医療事故も起きているような事例から、特に間違いやすいケースとして、“一般名”は同じなのに“異なる製剤”として扱う必要があるものをピックアップして紹介します。
「そんな似た薬があるとは知らなかった…」で過誤を起こしてしまう前に、改めて薬の違いを復習しておきましょう。
「グラセプター」と「プログラフ」は同じ「タクロリムス」製剤なのに全く異なる製剤?
「グラセプターカプセル」と「プログラフカプセル」は、どちらも「タクロリムス」製剤です。
「カプセル剤」という剤型だけでなく、0.5mg・1mg・5mgという規格も共通しているため、これら2剤は「キプレス」や「シングレア」、「アムロジン」と「ノルバスク」のような“同一の医薬品”であるかのように思えます。
しかし、「グラセプターカプセル」は、1日1回の投与で『プログラフカプセル』と同等の有効性・安全性が得られるように改良された“徐放性”のカプセル剤です1,2)。
そのため、移植による拒絶反応抑制に用いる際には、用法が明確に異なる、という点に注意が必要です。
【一覧表】「グラセプターカプセル」と「プログラフカプセル」の違い
| グラセプターカプセル | 製剤名 | プログラフカプセル |
| タクロリムス | 有効成分 | タクロリムス |
| 0.5mg、1 mg、5 mg | 規格 | 0.5mg、1 mg、5 mg |
| 徐放性のカプセル剤 | 製剤的な特徴 | 通常のカプセル剤 |
| 1日1回 | 腎・肝・心・肺・膵・小腸や 骨髄移植による拒絶反応の 抑制に用いる場合の用法 |
1日2回 |
| ない | 該当するジェネリック医薬品 | タクロリムスカプセル |
特に近年は“一般名処方”が増えたことで、これら2剤の取り違え事故が非常に多く報告されています3)。現時点(2026年6月)では、徐放性のカプセル剤である「グラセプターカプセル」のジェネリック医薬品は販売されていない、という点にも留意してください。
なお、こうした“徐放性”製剤の組み合わせは、他にも喘息治療薬「テオフィリン」や降圧薬「ニフェジピン」などにもあります。
これらの組み合わせも、同じ“一般名”だからと取り違えると、異なる体内動態によって有効性・安全性にも差を生じ、患者さんの治療に大きな悪影響を与える恐れがあります。