ヒヤリハット!リンデロン液とマイクロファインプロの調剤過誤対策法
- 点眼・点鼻用リンデロンA液
- リンデロン点眼・点耳・点鼻液
- マイクロファインプロ 32G×4mm
- マイクロファイン 32G×4mm(ほか、マイクロファインシリーズ各規格)
- 「点眼・点鼻用リンデロンA液」と「リンデロン点眼・点耳・点鼻液」の違い
- 「マイクロファイン32G×4mm」と「マイクロファインプロ32G×4 mm」の違い
前編では、“一般名”が同じなのに、製剤的な特徴が異なるために全く別の製剤として扱う必要がある薬を中心に、取り違いを起こしやすい組み合わせを紹介しました。しかし、調剤過誤を起こしやすいのは、“一般名”が紛らわしいケースに限りません。中には、商品名=ブランド名が同じでも全く別の製剤、ということもあるからです。
そこで後編の今回は、同じブランド名なのに別製剤として扱う必要がある、非常に間違いやすいものの組み合わせを紹介します。「そんな似た薬があるとは知らなかった…」で過誤を起こしてしまう前に、改めて薬の違いを復習しておきましょう。
「点眼・点鼻用リンデロンA液」と「リンデロン点眼・点耳・点鼻液」は全く異なる製剤?
「リンデロン」と言えば、ステロイド外用薬として強さの異なる「リンデロンDP(Ⅱ群)」や「リンデロンV(Ⅲ群)」があることが有名ですが、実は液剤にも複数の製剤があります。それが、「点眼・点鼻用リンデロンA液」と「リンデロン点眼・点耳・点鼻液」です。
一見すると、どちらも「リンデロン」というブランドで、有効成分が「ベタメタゾンリン酸エステル(ナトリウム)」の点眼・点鼻用の液剤のように見えます。しかし、「点眼・点鼻用リンデロンA液」はステロイドに抗菌薬のフラジオマイシンを配合した製剤1)で、「リンデロン点眼・点耳・点鼻液」はステロイド単独の製剤2)と、そもそも薬の内容が全く異なります。
特に注意が必要なのが、抗菌薬の「フラジオマイシン」を配合した『点眼・点鼻用リンデロンA液』は、耳には使えない、という点です。これは、中耳炎や鼓膜穿孔の患者さんに「フラジオマイシン」を点耳すると、副作用で不可逆的な難聴を引き起こす恐れがあるからです1)。
点眼や点鼻の治療ではどちらの製剤も選択肢になりますが、点耳の治療においては、こうした重大な副作用を避けるために、「フラジオマイシン」が配合された「点眼・点鼻用リンデロンA液」をうっかりと調剤してしまわないよう、十分な注意が必要です。