ゾルトファイ・ソリクア・キーンス解説!インスリン×GLP-1併用の鑑査と指導
- 【配合剤】 キーンス配合注、ゾルトファイ配合注、ソリクア配合注
- 【持効型インスリン】 アウィクリ(インスリン イコデク)、トレシーバ(インスリン デグルデク)、ランタス(インスリン グラルギン)
- 【GLP-1受容体作動薬】 オゼンピック(セマグルチド)、ビクトーザ(リラグルチド)、リキスミア(リキシセナチド)
- 「インスリン」と「GLP-1受容体作動薬」を併用するメリットにはどんなものがあるか
- この2剤を併用する際に気を付けたい注意点
糖尿病治療に用いられる注射剤である「インスリン」と「GLP-1受容体作動薬」は、それぞれ作用機序が大きく異なるため、場合によっては“併用”することもあります。
この「インスリン」と「GLP-1受容体作動薬」の併用には、どういったメリットがあるのか、また併用にあたってはどんな注意点が必要なのか。
近年、2型糖尿病の治療において増えてきた「インスリン」と「GLP-1受容体作動薬」の組み合わせについての基本をおさらいします。
「インスリン」と「GLP-1受容体作動薬」を併用するメリットは?
「インスリン製剤」と「GLP-1受容体作動薬」の併用は、ガイドライン等でも推奨される治療法の1つになっています1)。そのため近年は、持効型のインスリン製剤とGLP-1受容体作動薬の配合剤も登場し、便利な選択肢として用いられるようになっています。
こうした併用が増えてきたのは、作用の異なるこれら2つの薬の組み合わせが、2型糖尿病治療にとって有益な面が多いからです。
持効型インスリン/GLP-1受容体作動薬 配合注射剤の一覧
| 用法 | 持効型のインスリン | GLP-1受容体作動薬 | |
| キーンス配合注 | 週1回 | インスリン イコデク (アウィクリ) |
セマグルチド (オゼンピック) |
| ゾルトファイ配合注 | 1日1回 | インスリン デグルデク (トレシーバ) |
リラグルチド (ビクトーザ) |
| ソリクア配合注 | 1日1回 | インスリン グラルギン (ランタス) |
リキシセナチド (リキスミア) |
前編で解説した通り、インスリンはブドウ糖の取り込みを促すとともに、肝臓からの糖放出を抑えることで、強力に血糖値を下げる薬です。
しかし2型糖尿病の治療では、インスリンの基礎分泌を補うために持効型の「インスリン製剤」を使っていても、食後高血糖が十分に改善しないことがしばしばあります。
この場合、超速効型のインスリン製剤を用いて食後高血糖を是正するという方法もありますが、こうしたインスリン製剤の併用を行うと、今度はインスリンによる低血糖や体重増加のリスクが問題になる場合があります。
このときに選択肢になるのが、追加・併用する薬をGLP-1受容体作動薬にする、という方法です。
GLP-1受容体作動薬は、そのときの血糖値に応じてインスリンの分泌を促進するため、低血糖リスクを抑えながら血糖コントロールを改善できる、というメリットがあるからです。
また、GLP-1受容体作動薬には、血糖値を上げるグルカゴンの分泌を抑制する作用もあるため、食後高血糖の是正にも効果を発揮します。さらに、その食欲抑制作用によって、インスリン療法で問題になりやすい体重増加を軽減できる可能性もあります。
実際、持効型のインスリン製剤にGLP-1受容体作動薬を追加する方法は、超速効型のインスリン製剤を追加する方法と比べて、HbA1c値を下げる効果は同程度でありながら、低血糖リスクを抑え、体重減少も期待できることがわかっています2)。