小児がタミフル・ゾフルーザを吐いたら?服薬嘔吐での再投与の決め手とは
- オセルタミビル(タミフル) / バロキサビル マルボキシル(ゾフルーザ) / 抗インフルエンザウイルス薬
- 「オセルタミビル」を、服用後に吐いてしまった場合の考え方
- 投与回数や体内動態が異なる「バロキサビル」では、この判断はどう変わるのか
- 薬の重要性は患者背景によってどう変わるか
- 飲み直しをする場合、具体的にどういった方法が考えられるか
前編では、子どもが服薬後に嘔吐した場合、「服薬から30分」を1つの目安にしつつ、その薬が“不足”した場合と“過剰”になった場合のデメリット、さらに薬の吸収速度などを踏まえて、飲み直しの必要性を検討することを解説しました。
では、実際の薬ではどのように考えれば良いでしょうか。
今回は、子どもに処方される機会も多いインフルエンザ治療薬の「オセルタミビル(タミフル)」と「バロキサビル マルボキシル(ゾフルーザ)」を例に、“服薬後に吐いてしまった”場合の対応を考えてみます。
「オセルタミビル(タミフル)」服薬後の嘔吐:30分以内であれば飲み直しができる
「オセルタミビル(タミフル)」は、インフルエンザの治療では1日2回、5日間服用する薬です。この薬に関しては、服用してから「30分」以内に嘔吐した場合には同じ1回量をもう一度服用し、「30分」以上経過していれば再投与せず、次の通常の服用時間まで待つ、という対応が案内されています1)。
つまり、前編で紹介した「30分」という一般的な目安を、そのまま当てはめやすい薬と言えます。
なお、この「30分」という目安は、「オセルタミビル」の薬物動態から見ても、それなりに妥当なものと考えられます。
「オセルタミビル」は、未変化体のTmax(最高血中濃度到達時間)が0.71時間と短く2)、血中の活性代謝物も投与から30分以内に検出され始める3)くらい、吸収の速い薬です。
そのため服用から30分が経っていれば、「十分量が必ず吸収されている」とは明確には言えないものの、「一定量の薬は吸収され始めている」と考えることは、大きくは矛盾しないからです。