ヒルドイドソフトとGE油性クリームの違いは?服薬指導に活かす製剤学
「ヘパリン類似物質」は、様々な場面で用いられる保湿剤ですが、その塗り薬には「ソフト軟膏」と「クリーム」という異なる規格があります。一見するとよく似た外用薬ですが、「ソフト軟膏(W/O型)」と「クリーム(O/W型)」では基剤が明確に異なります。
では、こうした基剤の違いは、実際の外用薬の性質や使用感・保湿効果にどのような差を生むのか、使い分けを考える上でも重要なポイントをおさらいします。
- 「W/O型」と「O/W型」の基剤は、何が違うのか
- 「W/O型」と「O/W型」で、実際どのような使い分けを考えれば良いのか
- 「ソフト軟膏」のジェネリック医薬品が、なぜ「油性クリーム」なのか
患者にどう説明する?ヘパリン類似物質におけるW/O型・O/W型の違い
外用薬としてよく用いられるものに、「軟膏剤」と「クリーム剤」があります。
どちらも、ベースとなる成分(基剤)に薬(有効成分)を混ぜ合わせて作られていますが、軟膏剤とクリーム剤ではベースとなる成分(基剤)が異なるために、たとえ同じ有効成分のものであっても、使い心地や使用感などに違いが生まれることになります。
基本的に、軟膏剤は油の基剤に薬を混ぜ込んだものですが、クリーム剤の基剤は油と水を“乳化”させたものになっています。軟膏剤の方が付着力は強い一方、クリーム剤の方がのばしやすいのは、こうした基剤の差によるものと言えます。
油と水は完全には混ざり合わないため、クリーム剤はその“乳化”の方法によって、「油の中に水が分散しているもの」と「水の中に油が分散しているもの」の2パターンができることになります。
図:クリーム剤の乳化(W/O型・O/W型)のイメージ
「油の中に水が分散しているもの」は、「Water in Oil(油中水)型」と呼ばれ、これが「W/O型」と表現されます。「ヘパリン類似物質」であれば、「ソフト軟膏」と、その後発医薬品となる「油性クリーム」が該当します。
つまり、ソフト軟膏は“軟膏”と名前がついているものの、製剤的にはクリームだということです。そのため、該当する後発医薬品は油性クリームになります。
一方、「水の中に油が分散しているもの」は、「Oil in Water(水中油)型」と呼ばれ、こちらは「O/W型」になります。
ヘパリン類似物質であれば、「クリーム」が該当します。
分散媒が水である「O/W型」のクリーム剤は、分散媒が油である「W/O型」のクリーム剤に比べると、より“水”っぽい性質になるため、べたつきが少なく、水で簡単に洗い流せるようなクリーム剤になります。
【一覧】ソフト軟膏・油性クリーム・クリームの基剤分類と特徴
| ヘパリン類似物質の規格 | タイプ | 特徴 |
| ソフト軟膏、油性クリーム | W/O(油中水)型 | 分散媒が油のため、油っぽい(しっとり) |
| クリーム | O/W(水中油)型 | 分散媒が水のため、水っぽい(さっぱり) |