ヒルドイドフォームとスプレーの違いは?背部塗布・使用量の指導法
「ヘパリン類似物質」の主な剤形と言えば、前編で紹介した「W/O型」の「ソフト軟膏」や「油性クリーム」や、「O/W型」の「クリーム剤」などが挙げられますが、他にも「スプレー」や「フォーム」といったものもあります。
どちらも広い範囲に塗布しやすいタイプの剤形ですが、それぞれどんな特徴がありどう使い分ければ良いのか、薬剤師として押さえておきたいポイントを整理します。
- 「ヘパリン類似物質」の「スプレー」や「フォーム」は、どんな場面で使いやすいか
- 「ヘパリン類似物質」の「スプレー」や「フォーム」は、他の塗り薬とどんな点で異なるか
「ヘパリン類似物質」スプレー剤のメリットと患者への適切な使い方指導
「ヘパリン類似物質」の「外用スプレー」という剤形は、液状の薬剤をポンプで噴霧するタイプの製剤です。
製剤によって細かな設計は異なりますが、基本的には「ローション剤」と成分・分量も同じものをスプレーボトルの容器に入れたものが主流です1)。つまり、ローション剤を噴霧して使うタイプの製剤、ということです。
「スプレー」の最大のメリットは、手の届きにくい場所にも簡単に薬を噴霧できる、という点です。
たとえば背中は、自力では十分に塗布することが難しい場所です。実際、健常者であっても、上背部のうち自分の手で外用薬を塗布できる範囲は、40代未満でも平均55.9%、60~70代では43.6%と限定的であることが知られています2)。
そのため、こうした部位に薬を塗布する必要がある際には、広範囲に薬液を噴霧できるスプレーが非常に便利な選択肢になります。
ただし、スプレーは実際にどのくらいの量を噴霧したのかがわかりにくく、使用量を把握しづらいという弱点もあります。
ヘパリン類似物質は、使用量が少ないとその保湿効果は弱まってしまう恐れがある3)ため、初めて使用する患者さんに対しては、正しい使い方やその使用量の目安を具体的に指導することが重要です。
「フォーム」が便利な場面~使用感の強みと具体的な塗布量指導の目安
一方、「フォーム」は薬剤を“泡”の状態で取り出してから、皮膚に塗り広げるタイプの剤形です。液体のまま取り出して塗布する必要がある「ローション剤」などに比べると、泡の状態でしばらく保持できるため液だれなどを起こしにくく、扱いやすいという特徴があります。