『それって副作用?~添付文書に記載されている副作用症状が発現~』
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患者さんからテレビやネットで流れた医療情報について相談を受けたことはありませんか?データに基づいた情報といえども、巧みな拡大解釈により、新薬や健康食品の有効性と安全性は歪曲されて伝わってしまうことがあります。この連載では、患者さんの悩みを解消し、適切な指導をするうえで役に立つ知識を噛み砕いて解説します。
これを読んだらわかる データの読み方のエッセンス
- 添付文書の副作用情報には、因果関係があきらかではない有害事象も含まれる
- 副作用かどうかは、作用機序や疫学データ、現場の状況や病歴も確認して個別に評価しよう
患者さんからの電話
「昨日、『ウイルスリープ』というインフルエンザの吸入薬(※)をもらったんですけど、気持ち悪くて吐いてしまったんです。以前、飲み薬で吐いてしまったことがあったので、医師に伝えたら「吸入薬なら大丈夫だよ」と説明を受けたのですが、ネットで調べたら副作用項目に“嘔吐”って書いてあったんです。医師の説明と違うのですが、吸入薬でも吐き気の副作用が出るものなのでしょうか?」
※ウイルスリープ(架空の薬。居眠りしているウィル・スミスのことではない)
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