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Dr.竜平の脳梗塞治療と薬剤選択

更新日: 2020年9月10日

脳梗塞に合併する疾患の管理

脳梗塞に合併する疾患の管理の画像1

現在、脳血管疾患の総患者数は115万人を超え、介護要因の疾患トップとも言われています。在宅医療の現場でも、脳梗塞の患者へ服薬指導を行うケースも多いのではないでしょうか。この連載では、内科医の視点から「薬剤師が知っておくと役立つ」脳梗塞の基礎知識や治療の変遷について、できるだけ分かりやすく解説します。今回は脳梗塞患者が合併する疾患(主に生活習慣病)についての管理をお話ししたいと思います。

1. 脳梗塞に合併する疾患とは?

脳梗塞は今までお話しした通り、一度発症してしまえば重篤な後遺症を残す可能性がある疾患です。このため“発症させないこと”が重要であることは言うまでも無いかもしれません。そして脳梗塞を発症してしまっても、2回目の脳梗塞(つまり再発)を起こさないよう対策を取るべきです。
脳梗塞はいろいろな因子が絡み合って発症しますが、やはり生活習慣病をしっかりコントロールすることが大切です。具体的には、高血圧、2型糖尿病、脂質異常症などです。それぞれの管理方法は内服治療がメインであり、それについて概説していきたいと思います。ちなみに“生活習慣病”という名称は聖路加国際病院の日野原先生が提唱したものであり、現状に即したうまい名称だと思います。今回は高血圧、2型糖尿病、脂質異常症の内服について話したいと思います。

2. 各疾患の管理方法

2-1. 高血圧

どの数値以上をもって高血圧とするかは時代変遷があります(2019年の高血圧ガイドラインでも提唱が変わりました)。理想を言えば120/80mmHg前後で管理することが良いと思いますが、外来や訪問診療を担っている中で内服治療をせずにこの数値を達成している人は皆無です。これは年齢とともに動脈硬化が進行するためです。
高血圧治療の第一歩は運動・食事療法で、内服治療と同じくらい適度な運動や減塩が非常に重要です(他の疾患に伴い血圧が上昇している場合はそちらの治療が優先です)。日本人は塩分感受性が高い(=少しの塩分で血圧が上がってしまう)と言われているにも関わらず和食は塩分が多いため、食事療法の改善の余地が残されています。
高血圧治療における薬物療法でよく使うのは①カルシウム拮抗薬、②アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、③アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)、④βブロッカー、⑤利尿剤です。主に①〜③で調整し、追加として④、⑤を使用します(心不全がある場合は別です)。ちなみに、糖尿病合併の場合は今までの研究結果からARBやACE阻害薬が第一選択となるため、その薬剤を選択することが多いです。なお、ACE阻害薬の副作用に空咳があります。副作用ではありますが、嚥下障害がある方に意図的に空咳を起こして誤嚥を予防するというメリットもあります。このように、患者状況に合わせてより良い薬を選択するようにしていきます。
運動・食事療法や内服をしても血圧コントロールが悪い場合は2次性高血圧症を疑います。意外と見落とされがちなのが甲状腺疾患を始めとした内分泌疾患です。精査に困った場合は専門医へ紹介して対応します。

2-2. 2型糖尿病

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Dr. 竜平 ドクター りゅうへい

地方の医学部を卒業後、大学病院で脳神経内科診療に従事しました。その後、実家のクリニックに副院長として入職し内科診療を行なっています。また在宅医療にも興味を持ち診療業務を行なっています。趣味は格闘技やプロ野球観戦です。
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