【急性期脳梗塞治療】アルテプラーゼ静注療法 (t-PA療法)の適応時間が変更!?
現在、脳血管疾患の総患者数は188万人を超え、介護要因の疾患トップ3に入っています。病院やクリニックの外来には多くの患者さんが通院されており、臨床の現場では脳梗塞患者へ服薬指導を行うケースも多いのではないでしょうか。この連載では、内科医の視点から「薬剤師が知っておくと役立つ」脳梗塞の基礎知識や治療の変遷について、できるだけ分かりやすく解説します。
「4.5時間の制限」と「発症時間不明」に挑む急性期脳梗塞治療の最前線
「アルテプラーゼ静注療法 (t-PA療法)」 は投与禁忌事項に該当しない、脳梗塞発症4.5時間以内に投与することができる急性期治療の一つです。
当初は発症3.0時間以内にのみ適応でしたが、その後4.5時間以内と適応が拡大されています。そしてこの“4.5時間以内”という時間制限もまたどうなっていくかが注目されています。
例えば臨床の現場ではこのようなことをしばしば経験します。
「寝る前までは平気だったけど、朝起きたら呂律が回らない」
「寝る前までは平気だったけど、朝起きたら右手が動かない」
「さっきは大丈夫だったけど、一人でいたから症状の発症時刻が分からない」
これらの場合は“発症時間不明”と判断されてしまい、t-PA療法の適応とならないとされていました。
特に昨今は高齢患者が増えており、自分の症状がいつぐらいから起きたかを正確に伝えることが難しい人が増えている現状もあります。
DWI/FLAIRミスマッチ:脳梗塞の「発症時間」は推定できる?
ではこういった方は、本当に発症して時間が経過しているのでしょうか?おそらく、こういった疑問が出てくるとは思います。
特に起床時に症状が分かった場合は、寝ているうちに脳梗塞を発症しています。そうなれば正確な発症時刻を推定することさえ困難と言えるでしょう(脳梗塞は痛みなどが基本的にない疾患であるため、寝ているうちに起きても気づいて起きることはまずないので…)。
そこで近年分かったのが、「DWI/FLAIR ミスマッチ陽性」です。