薬剤師の在宅医療【入門編】訪問から帰局までの具体的な基礎知識

病院に約8年、調剤薬局に約5年、あわせて13年の薬剤師経験をお持ちの進藤まゆみ(仮名)さんに、「薬剤師専用e-ラーニング<m3ラーニング>」を体験いただきました。
今回の講座
『薬剤師に求められる在宅医療』

高齢者人口が増加する中、構築が進められている地域包括ケアシステム。そのシステムの中で薬剤師に求められている役割の要が在宅医療への取り組みです。

講座で学べること
・ 地域包括ケアシステムとその中で求められる薬剤師の役割について理解できるようになる
・ 在宅医療に関連する医療保険制度および介護保険制度について理解できるようになる
・ 在宅業務の流れと具体的な業務内容について学ぶことができる
・ 在宅医療に関わる他職種との連携について知ることができる
受講をおすすめしたい薬剤師イメージ
・ これから在宅訪問業務に携わる予定のある薬剤師
・ 在宅医療における薬剤師の役割について具体的に学びたい薬剤師
・ 地域包括ケアシステム推進より変化する調剤薬局の状況について把握したい薬剤師
講座の内容
第1部:薬剤師が関わる在宅医療の基礎
薬剤師として在宅医療に関わっていくために知っておきたい社会背景、政策や制度などについて確認します。
・ 高齢者人口の推移と在宅医療の需要
・ 地域包括ケアシステムとそこで求められる薬剤師の役割
・ かかりつけ薬剤師・かかりつけ薬局が持つべき3つの機能と2つの付加機能
・ 医療保険制度および介護保険制度※
※ 平成28年度報酬改定分の情報なので条件や点数など一部現在と異なります。

第2部:訪問業務を行う前に知っておくこと
在宅訪問業務において適切な薬剤提供・管理を行い、他職種とのスムーズな連携を行うために、事前に把握しておくべき基本的な事項について理解します。
・ 介護保険被保険者証、介護保険負担割合証の確認事項
・ 要介護認定の流れと要介護度(状態区分)
・ 介護施設の種類と特徴
・ 介護ヘルパーの行える医療行為
・ 在宅訪問業務の流れと必要書類および連携先

第3部:訪問~帰局時
患者様の住居を訪問してから行うべき「薬(モノ)だけを見る業務ではなく、患者個々(ヒト)の背景・生活に合わせた業務」について、より具体的に学習します。
・ 在宅医療の種類
・ 薬局から提供できる特定保健医療材料および衛生材料
・ 薬剤師介入による改善事例
・ 患者様を観察するにあたり薬剤師が求められる視点
・ 在宅医療における薬剤師の具体的な業務
・ 報告書と多職種連携

受講後の感想
・以前、在宅業務をメインに行っていた調剤薬局にヘルプで勤務していたことがあります。必要書類や連携先が多く、関連する制度も複雑で、未だに十分理解できていなかった部分もあったのですが、本講座での学習でそれが解消されました。
・私が調剤薬局に勤めていたときに比べ、薬剤師や院外薬局に求められる業務の内容やその比重がかなり変わってきていることが分かりました。今は病院勤務ですが、薬薬連携の面からも院外薬局が行うことができる業務の詳細を把握しておく必要性を感じました。
・「ヘルパーが行える医療行為」への考慮はこれまで欠けていた観点で、入院患者様の退院後を踏まえた処方提案に活かすことができると思いました。
・第1部はテンポが遅く、報酬点数などが平成28年度改定分だったので残念でしたが、薬剤師や薬局に関わる国の指針をまとめて確認することが出来たのでよかったです。
・第2部、第3部は、実際に在宅業務に関わったことがある私にとっては物足りない部分もありましたが、訪問時に持っていく道具や問題のあった患者様のお宅の写真、具体的な問題点とその対処法など実務に直結した内容が多く、これから初めて在宅業務に携わる人にとって、とても役に立つ内容だと思いました。
プロフィール

進藤まゆみ(仮名)
病院に約8年、調剤薬局に約5年、あわせて13年を薬剤師として勤務。現在は九州の総合病院(100~150床規模)で調剤業務、薬剤管理指導業務(服薬指導)を担当している。大規模病院の門前薬局や総合病院での勤務経験より,幅広い診療科およびその処方薬に対する知識の必要性を感じている。
普段は、「業務上で発生した問題・疑問を解決するための書籍・ネットでの検索」、「薬剤師会や製薬会社などが開催する勉強会への参加」で学習中。