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薬剤師のいまを知るトピックまとめ

更新日: 2020年9月26日 薬剤師コラム編集部

ハイリスク薬の基本と薬歴のコツが丸ごと分かる!

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ハイリスク薬とは?定義をおさらい

日本病院薬剤師会『ハイリスク薬に関する業務ガイドライン(Ver.2.1)』 によるとハイリスク薬は次のように定義されています

1 厚生労働科学研究「医薬品の安全使用のための業務手順書」作成マニュアルにおいて、「ハイリスク薬」とされているもの。

  • 投与量等に注意が必要な医薬品
  • 休薬期間の設けられている医薬品や服用期間の管理が必要な医薬品
  • 併用禁忌や多くの薬剤との相互作用に注意を要する医薬品
  • 特定の疾病や妊婦等に禁忌である医薬品
  • 重篤な副作用回避のために、定期的な検査が必要な医薬品
  • 心停止等に注意が必要な医薬品
  • 呼吸抑制に注意が必要な注射剤
  • 投与量が単位(Unit)で設定されている注射剤
  • 漏出により皮膚障害を起こす注射剤


2 平成20年度の診療報酬改定により定められた、薬剤管理指導料の「2」に関わる診療報酬算定上の「ハイリスク薬」

  • 抗悪性腫瘍剤
  • 免疫抑制剤
  • 不整脈用剤
  • 抗てんかん剤
  • 血液凝固阻止剤
  • ジギタリス製剤
  • テオフィリン製剤
  • カリウム製剤(注射薬に限る)
  • 精神神経用剤
  • 糖尿病用剤
  • 膵臓ホルモン剤
  • 抗HIV薬


3 上記以外で、薬剤業務委員会において指定した「ハイリスク薬」

  • 治療有効域の狭い医薬品
  • 中毒域と有効域が接近し、投与方法・投与量の管理が難しい医薬品
  • 体内動態に個人差が大きい医薬品
  • 生理的要因(肝障害、腎障害、高齢者、小児等)で個人差が大きい医薬品
  • 不適切な使用によって患者に重大な害をもたらす可能性がある医薬品
  • 医療事故やインシデントが多数報告されている医薬品
  • その他、適正使用が強く求められる医薬品

患者に対する処方内容や服用患者のアドヒアランス確認、副作用のモニタリングを確実に行ってください。また、一般用医薬品やサプリメント等を含め、併用薬及び食事との相互作用の確認も必要です。

具体的なハイリスク薬は、国立がん研究センターが「院内採用ハイリスク薬一覧」 としてまとめています。

ハイリスク薬の服薬指導のコツ

ハイリスク薬の服薬指導には、どんな注意点があるのでしょうか?
ハイリスク薬は中毒域と有効域が接近しており、治療有効域が狭いのが特徴。それゆえ投与方法や投与量の管理が重要です。不適切に使用すれば医療事故や重大なインシデントにつながりかねません。

服薬指導においては、最初にアウトカムを明らかにしておきましょう。患者さんと一緒に治療の目的、目標を話し合っておくことが大切です。副作用発生時の対処も、患者さんとの合意をとっておくべきでしょう。
また、対面で服薬指導される患者さんにとっては、同じ話を繰り返されることになります。「このお薬はとても大切な薬なので、ご面倒ですがいくつか確認をお願いします」と声をかけるなどの対策が有効です。
服薬効果は、患者さんの自覚症状の聞き取りが肝要です。一般医薬品、サプリメントとの相互作用は、個々の薬剤によりかなり幅がありますので、経過にも細心の注意を払いましょう。また、観察計画は時系列でみていきますので、薬歴の記載も慎重に行いましょう。

ハイリスク薬の薬学的管理指導については「注意すべき事項」として、日本薬剤師会が一覧を提示 しています。
薬剤タイプ別に「処方内容の確認」「アドヒアランスの確認」「副作用モニタリング及び重篤な副作用発生時の対処法の教育」「効果の確認」「相互作用の確認」「麻薬管理」など、細かくチェック項目を紹介しています。ぜひ参考にしてください。

ハイリスク薬の薬歴の書き方3つポイント

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
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