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薬剤師のいまを知るトピックまとめ

更新日: 2020年10月24日 薬剤師コラム編集部

いまさら聞けない!管理薬剤師の仕事とは?業務内容から年収、必須スキルを調査

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薬剤師のキャリアアップを考えると、必ず出てくるのが『管理薬剤師』というポジションです。薬局の管理を統括しておこなう『管理薬剤師』は、年収アップだけでなく、やりがいという点でも、年収や業務内容、資格の有無など、気になるかたも多いはず。
注目度のわりに、薬剤師との違いやなり方など、意外と知られていない『管理薬剤師』について、いまさら周りに聞きづらい事をまとめてみました。

管理薬剤師とは?

調剤業務などの通常業務に加え、従業員の監督や医薬品の管理をおこなうために、各薬局や店舗に配置されるのが管理薬剤師です。『医療法』により登録されている病院薬局、『薬機法』で定められている保険薬局と、職場によって関連する法律が異なり、責任や業務内容も変わります。特に保険薬局では、薬局のチェーン化が進み、経営者や開設者が薬剤師でない場合は、管理に伴う管理薬剤師を雇用し、各薬局や店舗など、ひとつの職場に1名の管理薬剤師がいることが法律(薬機法)にて義務付けられています。

どうやったらなれるの?資格は必要?その要件とは?

結論から言うと管理薬剤師に資格は必要ありません。
そのため一定の実務経験を経てから、社内での立候補や、昇進、管理薬剤師を募集している職場へ転職するなど、管理薬剤師への道はさまざまです。

一つの目安として、地域支援体制加算での管理薬剤師経験が5年と定められていることから、5年をひとつの区切りと考えている企業もありますが、管理薬剤師の求人票などを見てみると、最低でも3年程度の実務経験が必要になってくるようです。

どんなスキルが必要?

特別な資格は必要のない管理薬剤師ですが、薬機法では『保健衛生上支障を生ずるおそれがないように、その薬局に勤務する薬剤師およびその他の従事者を監督し、その薬局の構造設備及び医薬品その他の物品を管理し、その他その薬局の業務につき、必要な注意をしなければならない。(薬機法より引用)』と定義されています。
簡単に要約し、その中でも特に重要となってくる3つのスキルをみていきましょう。

医薬品や医療制度の最新知識

管理薬剤師は、医薬品や医療制度に精通している必要があります。臨床で用いられる薬や、次々発売される新しい薬に対する知識はもちろん、診療報酬や各種保険制度などの医療制度といった、年々システムが変更していくものについても、常に最新情報を習得していく必要があります。

在庫・数値管理の知識

医薬品の管理も、管理薬剤師の仕事の一つです。必要な量の医薬品を正しく在庫管理し、期限切れの医薬品を適切に処分するなどの専門知識が必要となってきます。近年では、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の置き換え率も診療報酬制度の重要項目となっています。処方箋単価や薬価、後発品の有無など、担当の薬局や店舗が利益を上げていけるように、経営視点での仕入れや売上を管理することも、管理薬剤師の重要な仕事となります。

コミュニケーション能力

薬局や店舗に在籍する多くのスタッフの監督・育成業務も、管理薬剤師の重要な仕事です。働き方や職種もさまざまなスタッフ同士のチームワークを高め、患者さんや取引先とのトラブルを仲裁し、時には経営者や開設者に法的立場や責任について理解を得るためスムーズなコミュニケーションが必要となってくるでしょう。

このように、通常求められる薬剤師としてのスキル以上に、広範囲に及ぶ専門的な知識と、管理能力、それを必要に応じてスムーズに伝えていくコミュニケーション能力が必要となります。簡単ではないだけに、責任とやりがいを感じられる素晴らしい仕事といえます。

管理薬剤師の年収はどれくらい?

責任や業務量が増える管理薬剤師は、一般の薬剤師よりも基本給が高くなる場合が多く、役職手当などもつくため月収に数万程度上乗せされることが多いようです。ボーナスを含めた平均年収は約750万円。一般薬剤師の平均が約470万円なのを考えると、約60%の年収アップになることがわかります。
※平均年収は厚生労働省による『第22回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告』参照 

こんなに違う!管理薬剤師になったら変化する業務

管理薬剤師になると責任や業務範囲が広がるため、一概に年収アップだけを見て、次の目標にするのは情報不足です。仕事も頑張りたいけれど、ライフワークバランスも重要という方は、管理薬剤師になる場合の仕事の変化も知っておきたいですよね。
管理薬剤師と一般薬剤師で変わる具体的な内容を挙げてみます

管理者として責任を持つ

管理薬剤師になると、薬局・店舗の業務の管理を任されるようになります。経営方針や運営の方針について、経営者や開設者と意見をかわすこともあるでしょう。管理薬剤師にしかできない仕事を通じて、マネジメントスキルや、経営視点が身につきます。

所属店舗以外への応援や転勤が減る

チェーン展開している薬局や店舗では、繁忙期や人手不足などに合わせて店舗間での応援派遣や転勤も多く、それが負担になることも。薬機法によって店舗間応援も含めて他店舗での勤務が禁止されている管理薬剤師は、同じ店舗でじっくりと働くことが可能です。

転職の幅が広がる

管理薬剤師の経験があれば、転職時の選択肢が広がります。小さな薬局・店舗では正社員は管理薬剤師のみ、ということもあります。小さな薬局・店舗で採用が難航している場合、高年収求人が出るケースがあるので年収の大幅アップを狙うことも可能です。

休みが取りにくい

通常業務に加え、本社や行政に提出する書類など締切りのある仕事が増えるため、仕事の進捗によっては休日出勤や、休みが取りにくいという場合があります。

副業・兼業ができない

薬剤師はパートや派遣就業での時給も高く、副業でもある程度の収入を得られるため、ダブルワークや、スキルアップのための複数薬局を掛け持ちで働く人もいる職種です。
しかし、管理薬剤師は薬機法や医薬品医療機器等法によって「兼業の禁止」がさだめられています。在籍する薬局・店舗以外での「薬事」に関する副業は、学校薬剤師などの公益性の高い業務を除いて認められていないので注意しましょう。

※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、厚生労働省は2020年4月に「管理薬剤師の常勤の扱い」「管理薬剤師の兼務」などについて通知を出し、兼業規制の緩和が実施されています。詳しくはこちら 

まとめ

ライフスタイルによって、ある人にはメリットがデメリットに、デメリットがメリットになりうると思います。しかし、薬剤師のキャリアアップを考えたときに『管理薬剤師』の経験は必要不可欠だと感じた方も多いのではないでしょうか。機会があれば、積極的にチャレンジしてみてはいかがでしょう。

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
m3.com薬剤師会員への意識調査まとめや、日本・世界で活躍する薬剤師へのインタビュー、地域医療に取り組む医療機関紹介など、薬剤師の仕事やキャリアに役立つ情報をお届けしています。

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