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薬剤師のいまを知るトピックまとめ

更新日: 2026年3月17日 薬剤師コラム編集部

【薬剤師向け】チーム医療をわかりやすく解説!役割や多職種連携の仕組みなど

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「チーム医療」という言葉が医療現場に浸透してから10年以上が経ち、今では医療機関や地域医療に携わる多くの医療者にとって、当たり前の考え方となっています。
医療は日々進化し、患者のニーズもますます多様化しているなかで、安全で効果的な医療を実現するには、各職種が専門性を発揮し、協力し合うことが欠かせません。

本記事では、チーム医療の基本的な考え方や職種ごとの役割、薬剤師に期待されること、さらに今後の展望まで解説します。

チーム医療とは

「チーム医療」の推進は、患者の安全性と治療効果を高めるために、現代の医療で欠かせない考え方です。
患者・家族からは質の高い医療が求められる一方、医療の高度化・複雑化により医療現場の負担は増大しています。

こうした背景から、多職種が協働する「チーム医療」が、これからの医療を支える重要な仕組みとして注目されています。

チーム医療の概念は、昭和62年の「新たな医療関係職種の資格制度の在り方に関する検討会」で初めて議論され、その後の度重なる検討を経て、平成22年に厚生労働省が正式に考え方を示しました。

チーム医療の定義

医療に従事する多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供すること。

引用:チーム医療の推進について 平成22年3月19日報告書 /厚生労働省

このように、チーム医療の根本にあるのは、各専門職が専門性を尊重しあいながら協働し、患者にとって最も適切な医療を提供することです。

参照:チーム医療の定義等について 平成21年度 /厚生労働省

チーム医療がもたらすメリット

チーム医療は、医療の質や安全性が高まるだけではなく、業務の効率化や医療者の負担軽減など、さまざまなメリットがあります。
一人では対応が難しいケースでも、チームとして連携することで初めて実現できる効果があるのです。

医療の質と安全性の向上

チーム医療の大きなメリットのひとつは、医療の質と安全性が高まることです。
複数の職種がそれぞれの視点で患者の状態を確認することで、早期発見や重症化予防、副作用の防止につながります。

  • 看護師が感じた患者の変化を医師に伝えることによって、迅速に対応することができる
  • 医師の処方を薬剤師がダブルチェックすることによって、副作用のリスクが軽減する

このようにそれぞれが専門性を発揮することで、より質の高い安全な医療を提供することが可能です。

業務の効率化とコストの適正化

チーム医療は、業務の効率化や医療コストの適正化にも大きく役立ちます。
職種ごとの役割分担や情報共有がしっかり行われることで、

  • 重複した検査や不要な処方を減らす
  • 入院期間の短縮や再入院の防止

といった効果が得られます。

その結果、医療従事者の時間や病床、薬剤といった医療資源をより無駄なく活用でき、医療費削減も実現していくことができるでしょう。

医療従事者の負担を軽減

チーム医療では、業務をチームで分担することで、医療従事者一人ひとりの負担を軽くすることができます。

各職種が自分の専門領域に集中できるため、負担は減るだけでなく、業務の精度も向上します。さらに、お互いが不足している分を補い合うことで、各自が専門性をより高めながら働くことが可能です。

チーム医療に関わる職種と役割

チーム医療では、さまざまな職種が協力しながら患者の治療にあたります。患者一人ひとりに最適な医療を提供するために、その都度必要な職種がチームに参加します。

【チーム医療に関わる職種の例】

職種 主な役割
医師 診断・治療方針の決定、チーム全体のリーダーシップ
看護師 診察・診療の補助、患者の介助・観察、療養生活の支援
薬剤師 処方提案、副作用管理、服薬指導
リハビリ職(PT/OT/ST) 運動機能や生活動作の回復支援、リハビリプランの策定
管理栄養士 栄養管理、食事指導
医療ソーシャルワーカー 退院支援、社会的課題への対応、生活環境の整備

こうした職種が連携し、情報を共有することで、単独では提供できない安全で質の高い医療を実現するのがチーム医療の特徴です。

チーム医療の具体例

チーム医療は理論だけでなく、実際の医療現場でさまざまな形で運用されています。
ここでは、実際のチームがどのように機能しているのか、具体例を示して紹介します。

栄養サポートチーム(NST)

栄養サポートチーム(Nutrition Support Team:NST)は、患者の適切な栄養管理をとおして、全身状態の改善や合併症の予防を目的としたチームです。

以下のような職種がチームに加わり、栄養管理の方針を共有しながら治療計画を立てます。

  • 医師:病状にあった栄養補給方法を決定
  • 薬剤師:最適な栄養剤の提案、栄養補助食品や薬剤との飲み合わせ確認
  • 看護師:経管栄養の管理や摂取状況の観察
  • 管理栄養士:必要なカロリーや栄養素の計算、食事形態の調整
  • リハビリ職:食べる動作・咀嚼・嚥下等の訓練、食事中の姿勢の確認

参照:栄養サポートチーム(https://www.team-med.jp/team/eiyosuport/)/チーム医療推進協議会

感染対策チーム(ICT)

感染制御チーム(Infection Control Team:ICT)は、院内感染を予防・管理するチームです。感染症の発生状況をモニタリングし、予防策の実施や治療指針の策定を行います。

参加する主なメンバーとそれぞれの役割は以下の通りです。

  • 医師:感染症の診断、治療方針の決定
  • 薬剤師:抗菌薬・消毒薬の適正使用の管理
  • 看護師:感染対策の実践と指導、感染患者の動向を把握
  • 臨床検査技師:MRSAなどの薬剤耐性菌の検出状況をモニタリング
  • 救命救急士:感染症や疑いの強い患者を専門医療機関や隔離病棟へ搬送

参照:感染対策チーム(https://www.team-med.jp/team/kansensyo/)/チーム医療推進協議会

緩和ケアチーム

緩和ケアチームは、余命が限られたと医師から宣告を受け、緩和ケア病棟や施設、ご自宅で療養中の患者を対象として活動します。

身体的苦痛だけでなく心理・社会的・スピリチュアルな面にも配慮したケアを提供することが目的です。治療が困難な病気になるなかで、QOLを改善し穏やかな療養生活を送れるようサポートします。

主なチームメンバーと役割は以下の通りです。

  • 医師:緩和ケアの評価、治療方針の決定
  • 看護師:患者や家族が必要とするケアの実施、身体症状の緩和や心理的・社会的サポート
  • 薬剤師:疼痛ケア、医療用麻薬についての適正使用、副作用防止
  • 臨床心理士:病状や先行きの不安、死の恐怖のケア、家族に対する心理的ケア
  • 理学療法士:物理療法、リラクゼーションなどによる痛みの緩和、呼吸法の指導

参照:緩和ケアチーム(https://www.team-med.jp/team/kanwacare/)/チーム医療推進協議会

薬剤師がチーム医療で果たす役割

チーム医療のなかで、薬剤師は”薬のプロ”として欠かせない存在です。
安全かつ効果的な薬物療法を管理しています。

ここからは、「薬剤選択や処方提案」「医薬品の安全管理と副作用防止」「多職種カンファレンスでの情報提供」という3つの側面から、薬剤師の役割を具体的に確認していきましょう。

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
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