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薬剤師のいまを知るトピックまとめ

更新日: 2026年4月9日 薬剤師コラム編集部

【2026年最新解説】緊急避妊薬のOTC化で薬剤師が知っておきたいポイント

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これまでは医師の処方が必要だった緊急避妊薬。
2026年2月からはOTC医薬品として、薬局やドラッグストアで購入できるようになりました。

今後、薬剤師は緊急避妊薬の作用や副作用、正しい服用方法を理解したうえで、適切な説明や指導を行いながら販売することが求められます。

本記事では、緊急避妊薬の基本的な知識に加え、薬局・ドラッグストアで販売する際の確認事項など、薬剤師が知っておきたいポイントについて解説します。

緊急避妊薬(アフターピル)とは

緊急避妊薬とは、避妊を行わなかった場合や避妊に失敗した場合に、緊急的に妊娠を防ぐ目的で使用する薬剤です。
性交後に服用することから、「アフターピル」とも呼ばれます。

低用量ピルやコンドームといった計画的な避妊方法とは異なり、緊急避妊薬は「最後の避妊手段」とも位置づけられています。
できるだけ早く服用する必要がある薬ですが、これまでは医療機関の受診と医師の処方が必要でした。

夜間や休日に受診できないケースがあることや、受診に心理的な負担を感じる方がいることなどから、長年にわたって市販薬化を求める声がありました。

そのような状況を受け、2023年から一部の薬局で試験的な販売が開始。2025年にはスイッチOTCとして承認され、2026年2月より処方箋なしで薬局・ドラッグストアにて購入できるようになっています。

参照:緊急避妊薬のスイッチOTC化について(経緯) /厚生労働省

緊急避妊薬の販売対象となるケース

緊急避妊薬は、予期せぬ妊娠のリスクがあるときに使用する薬です。
次のようなケースでは速やかな服用が推奨されます。

  • 避妊をせずに性交があった場合
  • コンドームの破損や脱落など、避妊の失敗があった場合
  • 低用量ピルの飲み忘れや下痢などがある場合
  • 同意のない性交やレイプ被害など、避妊措置が取られなかった場合

なお、販売対象は服用する女性本人のみです。
購入にあたってパートナーや親の同意は不要で、年齢制限も設けられていません。

参照:緊急避妊法の適正使⽤に関する指針(令和7年改訂版)/日本産婦人科学会 編
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/kinkyuhinin_shishin202504.pdf

薬局・ドラッグストアで販売できる緊急避妊薬の種類と作用機序

現在、日本で承認・販売されている緊急避妊薬は、黄体ホルモンであるレボノルゲストレル単剤です。
主に排卵を抑制または遅延させることで、妊娠の成立を防ぐと考えられています。

女性の体では、排卵の直前になると脳の下垂体から黄体形成ホルモン(LH)が急激に分泌されます。これが「LHサージ」と呼ばれる現象です。その約24〜36時間後に排卵が起こります。

レボノルゲストレルは、排卵前の卵胞期に服用することで、LHサージを抑制または遅延させる働きがあります。その間に、女性の性器内に進入しているほぼすべての精子が受精能力を失う、というのが主な作用機序です。

参照:緊急避妊法の適正使⽤に関する指針(令和7年改訂版)/日本産婦人科学会 編
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/kinkyuhinin_shishin202504.pdf

緊急避妊薬の服用方法と注意点

緊急避妊薬は、服用するタイミングが避妊効果に大きく影響する薬です。
また、服用に伴う副作用についてもあらかじめ理解しておく必要があります。
ここでは、緊急避妊薬の基本的な服用方法と、主な副作用について解説します。

性交後72時間以内に服用する必要がある

緊急避妊薬について、必ず知っておかなければいけないポイントは、「性交後72時間以内に服用する」ということです。

そして緊急避妊薬は、服用までの時間が短いほど効果が高いことが知られています。
日本産科婦人科学会の指針などによると、妊娠阻止率は以下のように時間とともに低下します。

性交後の経過時間 阻止率
24時間以内 約95%
25~48時間 約85%
49~72時間 約58%

服用が遅くなるほど避妊効果は低下するため、緊急避妊薬は「できるだけ早く服用すること」が非常に大切です。

参照:緊急避妊法の適正使⽤に関する指針(令和7年改訂版)/日本産婦人科学会 編
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/kinkyuhinin_shishin202504.pdf

服用後に妊娠の有無を必ず確認する

緊急避妊薬は高い避妊効果が期待できますが、妊娠を100%防げるわけではありません。
そのため、服用後は妊娠の有無を確認することが重要です。
緊急避妊薬の服用後、月経(生理)が起こることが避妊成功の一つのサインといわれています。

ただし、性器からの出血があっても、不正性器出血や妊娠初期の出血を月経と区別できない場合もあります。
そのため、性交から3週間経過した時点で、医療機関の受診や市販の妊娠検査薬で妊娠の有無を確認することが大切です。

薬局で緊急避妊薬を販売する際には、服用後の月経状況の確認方法や妊娠検査のタイミングについて、事前の丁寧な説明が求められます。

参照:緊急避妊薬のスイッチOTC化について(審査等) /厚生労働省

服用後も避妊を継続する必要がある

緊急避妊薬は、服用後も避妊効果が持続するわけではありません。
そのため、性行為を控えるか、コンドームなどの確実な方法で避妊を継続することが重要です。

もし低用量ピルの飲み忘れが原因で緊急避妊薬を服用した場合は、緊急避妊薬を服用後12時間以内に低用量ピルを再開するように勧めます。
通常、緊急避妊薬を服用後は、消退出血と呼ばれる少量の出血がみられます。

ただし、低用量ピルを再開した場合は、消退出⾎が遅れることも十分に説明することが大切です。

参照:緊急避妊法の適正使⽤に関する指針(令和7年改訂版) /日本産婦人科学会 編
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/kinkyuhinin_shishin202504.pdf

緊急避妊薬の主な副作用

緊急避妊薬の服用による主な副作用は、以下のようなものがあります。

  • 悪心
  • 下腹部の痛み
  • 不正出血、月経異常(月経過多、月経遅延)
  • 倦怠感
  • 頭痛

国内臨床試験では、72.3%に副作用の発現が見られたとの報告があります。
緊急避妊薬はホルモンを一時的に高用量で摂取する薬であるため、副作用の発現は珍しくありません。

緊急避妊薬は薬局での販売が可能になり、以前よりも気軽に入手できるようになりました。
だからこそ、薬剤師があらかじめ副作用の可能性を説明し、症状が出た場合の対処法まで丁寧に案内することが重要です。

参照:緊急避妊法の適正使⽤に関する指針(令和7年改訂版)/日本産婦人科学会 編
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/kinkyuhinin_shishin202504.pdf

2時間以内の嘔吐があった場合は要注意

緊急避妊薬を服用後、2時間以内に嘔吐した場合は注意が必要です。
副作用として悪心は約3.6%にみられますが、嘔吐はまれです。

ただし、2時間以内に吐いてしまうと、薬の成分が十分に吸収されていない可能性があります。そのため、追加服用が必要になることがあります。
このような場合は、速やかに医療機関または薬剤師に相談するよう、あらかじめ説明しておくことが重要です。

なお、服用後2時間以上経過してからの嘔吐であれば、避妊効果への影響は少ないとされています。

参照:緊急避妊法の適正使⽤に関する指針(令和7年改訂版)/日本産婦人科学会 編
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/kinkyuhinin_shishin202504.pdf

薬局・ドラッグストアで緊急避妊薬を販売する方法

緊急避妊薬のOTC化に伴い、現在は取り扱いのない薬局やドラッグストアでも、今後は販売を開始する店舗が増えていくと考えられます。
実際に対応する際に慌てないよう、薬剤師は販売までの流れや必要な体制を事前に把握しておくことが重要です。

緊急避妊薬を販売する前の確認事項

緊急避妊薬の購入を希望する方には、販売前に以下のようなことを確認する必要があります。

  • 服用する女性本人であること(男性による代理購入は不可)
  • 性交から72時間以内であること
  • 現在妊娠している可能性がないこと
  • 「肝臓病」「心臓病」「腎臓病」または重度の消化器疾患と診断されたことがないこと
  • これまでに薬剤でアレルギー症状を起こしたことがないこと

性交からの経過時間や健康状態などによっては、店頭での販売条件を満たさず、購入できない場合があります。その際は、速やかに医療機関の受診を勧めます。
服用可能と判断された場合は、1錠を販売し、薬剤師の面前でその場で服用してもらう必要があります。

これは必須条件であり、持ち帰って後から服用することは認められていません。

緊急避妊薬を販売できるのは、研修を受けた薬剤師がいる薬局・ドラッグストアのみ

緊急避妊薬のレボノルゲストレルは、現時点ではすべての薬局・ドラッグストアで販売されているわけではありません。
どの店舗でも自由に販売できるわけではなく、市販薬として取り扱うには一定の体制を整備する必要があります。

具体的には、次のような条件を満たすことが求められます。

  • 研修を修了した薬剤師が勤務していること
  • プライバシーに十分配慮した相談環境があること
  • 服用のための飲料水を提供できること
  • 近隣の産婦人科医などとの連携体制を構築していること

これらの条件を満たした薬局のみが取り扱い可能であり、現時点ではOTCとしての販売を行っていない店舗も少なくありません。
販売可能な薬局については、厚生労働省が公表している「要指導医薬品である緊急避妊薬の販売が可能な薬局等の一覧」で確認することができます。

参照:要指導医薬品である緊急避妊薬の販売が可能な薬局等の一覧 /厚生労働省
参照:緊急避妊薬を調剤・販売する薬剤師及び 販売する薬局・店舗販売業の店舗について /厚生労働省

薬剤師が緊急避妊薬を販売する際に配慮すべきこと

緊急避妊薬を求めて来局する方の多くは、妊娠の可能性に強い不安を抱えており、心理的負担が大きい状況にあるでしょう。

そのため、薬剤師は利用者の背景を踏まえた丁寧な対応が求められます。
ここでは、薬局・ドラッグストアで緊急避妊薬を販売する際に配慮すべきことについて解説します。

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薬剤師コラム編集部

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