外来がん治療認定薬剤師の資格取得体験記
「外来がん治療認定薬剤師」とは?
「外来がん治療認定薬剤師(APACC)」は一般社団法人日本臨床腫瘍薬学会(JASPO)による認定資格です。
公式サイトによると
- 外来がん治療を安全に施行するための知識、技能を習得した薬剤師
- 地域がん医療において、患者とその家族をトータルサポートできる薬剤師
の養成を目指して、2014年から作られた認定制度です。病院薬剤師だけでなく、保険薬局の薬剤師でも要件を満たせば取得することができます。
これまで病院が中心となっていたがん治療ですが、最近は通院しながら外来でがん治療や緩和を受けている患者も増えています。そういった外来や在宅で、がんと闘う患者に寄り添い、適切なアドバイスやケアを行うスペシャリストが「外来がん治療認定薬剤師」です。
「外来がん治療認定薬剤師」の資格取得のきっかけ
大学病院の門前薬局に転職し、高度かつ幅広い診療科の処方箋を応需し対応していました。それまでもがん患者の方が来局していましたが、治療内容が不明なことが多く心理状態に特別な配慮が必要とされるため、がん患者の方に向き合うのは難しいと感じていました。
そんなある日、門前の病院が地域がん診療連携拠点病院となり、レジメン提供書を持参した患者様が多く来局するようになりました。通院で抗がん剤治療を受けている患者様とその家族の方から治療内容や副作用について相談される機会が増える中で、薬剤師として患者様をフォローするための知識や技術が不足していると痛感しました。
患者様の治療方針をしっかりと把握し適切な服薬指導ができるようになりたいと思ったのが認定取得のきっかけです。同時期に、職場が専門医療機関連携薬局を目指すことになったのも後押しになったと思います。
「外来がん治療認定薬剤師」の難易度は高い?勉強法は?
「外来がん治療認定薬剤師」の資格を取得するには実務や講習の条件を満たし、介入事例の提出や筆記試験、二次面接に合格しなければなりません。
特に筆記試験の出題範囲は広く、過去問も存在しないため難易度が高く、漠然と勉強していては時間が足りませんでした。限られた時間の中で学習効率を上げるにはどうすれば良いか常に考えながら勉強しました。
仕事から帰ると家事に追われ落ち着いて勉強できないため、1日の中で小間切れの空いている時間を使いました。参考書を持ち歩くのは大変なので、スマホに取込み、読み返したいページを隙間時間に暗記しました。通勤前の15分、通勤の電車内、昼休みの時間等1コマ15分と考えれば何とか1時間の確保はできると思います。