「薬物療法専門薬剤師」ってどんな資格?資格取得体験記
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薬物療法専門薬剤師とは?
薬物療法専門薬剤師は、薬物療法に関する幅広い知識と高度な臨床能力を備えた薬剤師として認定される専門資格です。
薬剤師は薬の専門家でありますが、薬物療法専門薬剤師はさらに高い専門性を示すものです。この資格は、日本医療薬学会により2012年に設立され、薬物療法の現場で他の医療従事者と協力しながら、患者さんに最大限の利益をもたらすことを目的としています。
また、資格取得後には臨床だけでなく、学会や論文発表など学術的な活動も求められるため、ジェネラリストとしての役割に加え、学術的な貢献も担っています。
2024年5月時点で認定者は全国で70名と限られており、高度なスキルと豊富な経験が求められます。
「薬物療法専門薬剤師」取得のきっかけ
私が専門薬剤師の資格を取得するに至った理由は、他の薬剤師と良い意味で差別化を図りたいという思いからでした。
日々の業務を通じて感じていたのは、医師や看護師などの他職種と共に薬剤師として頼られるようになっていくなかで、専門的な知識とスキルが求められているという現実です。
特に、私が担当している消化器領域には、専門薬剤師の資格が存在しないため、自分自身で特別な価値を付け加える必要がありました。
資格取得は決して簡単な道のりではありませんでしたが、その過程で得られた知識や経験は、私の日々の業務に大いに役立っています。
例えば、消化器疾患に関する最新の治療法や薬物療法について深い知識を持つことで、患者さんに対してより高度な薬学的管理を提供することが可能になりました。また、資格を持つことで、医療チーム内での信頼度も高まり、医師や看護師だけでなく、同僚からの相談も増え、垣根を超えた関わりに繋がっています。
このように、専門薬剤師としての資格は、私にとって単なる証明書以上の価値を持っています。患者さんや医療従事者から頼られる薬剤師であり続けるために、これからも自己研鑽を続けていきたいと思います。
仕事と勉強を両立させるコツは?
仕事と勉強を両立させるためには、まずそれぞれに対する情熱が必要不可欠です。
薬剤師という職業は、得た知識を患者さんに直接還元することのできる珍しい職種であると同時に、医師と同様に間違うことの許されない責任を担う職種でもあります。この2つの特徴は、薬剤師としてのやりがいを最大限に感じさせてくれることに繋がります。
さらに、私は『研究』にも強い興味を持っています。研究を通じて、自分の手が直接届かない患者さんに対してもアプローチすることが可能です。例えば、新しい薬物療法の効果を検証したり、治療のガイドラインを改善するための研究で、多くの患者さんに間接的に貢献することができるのです。これが私のモチベーションの源泉となっています。
具体的なコツとしては、時間の使い方が重要です。仕事の合間や通勤時間、始業前や終業後など自分の取り組みやすい時間を利用して勉強することが効果的です。
とはいえ、私も時にはさぼり癖が出ることもあります。勉強会やセミナー、学会に積極的に参加し、勉強ができる環境に身を置くことも重要です。これらを実践することで、無理なく、そして効率よく仕事と勉強を両立させることができると思います。
「薬物療法専門薬剤師」の資格申請に必要なこと
薬物療法専門薬剤師の資格を取得するためには、いくつかの重要な条件を満たす必要があります。学会の規定や研修ガイドラインを十分に理解し、早い段階から準備を進めることが重要です。
まず、日本医療薬学会の会員資格が必須です。資格取得を目指す場合は、早めに入会し、資格申請時点で会員歴を5年以上継続している必要があるため、計画的に準備を進めましょう。
さらに、研修歴が求められます。資格申請には、学会が認定した「薬物療法専門薬剤師研修施設」での5年以上の研修経験が必須です。研修は、基幹施設や連携施設で行われるため、これらの施設で研修環境が整っている職場を選ぶことが重要です。
日々の業務においては、薬学的介入を意識して取り組むことが必要です。特に、継続的な介入を行った症例の記録が重要となります。これらの介入内容は、適切なガイドラインや論文などの根拠に基づいていることが求められます。そのため、日々の業務の中で、エビデンスをもとにした判断を行い、記録として残しておくことが大切です。
さらに、資格申請には症例報告だけでなく、学会発表や査読付き論文の執筆といった学術活動の実績が求められます。これらを計画的に準備するためには、業務や研究の中で必要な経験を積み重ねていく必要があります。
専門薬剤師としてのキャリアを形成するため、日々の実践を丁寧に行うことが成功への鍵となります。
「薬物療法専門薬剤師」試験会場での心構え
薬物療法専門薬剤師の認定試験は、午前2時間、午後2時間のマークシート形式で行われますが、その内容は非常に幅広く、試験対策には特別な注意が必要です。
日々の業務で対応しない内容も多く含まれており、専門薬剤師認定取得のための薬物療法集中講義で扱われた内容からも出題されます。この講義には毎年参加し、最新の知識を習得しておくことを強くおすすめします。
試験勉強として詰め込む方法よりも、日々の業務を通じて知識を体系的に整理することが重要です。
特に、ルーチンワークだけでなく、クリニカルクエスチョンや患者さんからの質問に丁寧に向き合い、ガイドラインや論文を参照しながら根拠を調べて回答する姿勢が効果的です。また、業務で得た知識を適切に記録し、振り返る習慣をつけることで試験対策になります。