「医療薬学専門薬剤師」ってどんな資格?資格取得体験記

日本医療薬学会「医療薬学専門薬剤師」とは?
医療薬学会によると、「医療薬学専門薬剤師」制度は「医療薬学に関する高い水準の知識・技能を備え、自らの臨床経験に基づいた教育・研究活動が実践でき、かつ社会から信頼される薬剤師を養成し、国民の保健・医療・福祉に寄与することを目的としています」とあります。
薬剤師としての専門性を示す客観的な根拠の一つとして、医療薬学専門薬剤師を取得しました。
医療薬学専門薬剤師の新制度は2020年から開始されましたが、制度規定は細かく多岐に渡り、「認定薬剤師資格等を保持していること」「医療薬学会会員年数」「実務経験をはじめ、学会発表歴や論文発表歴、集中講義の参加歴」「試験合格」など多くの項目があり、審査が複数回あります。
また、医療薬学専門薬剤師の要件は2020年1月に新制度に変更になっており、これに伴いこれまでの医療薬学「認定」薬剤師は廃止されています。
「医療薬学専門薬剤師」資格取得のきっかけ
私は自己研鑽の一環として資格取得をしました。
病院や薬局などの施設によっては、手当てなどが用意されているようです。スキルアップを目指し、医療薬学専門薬剤師を取得することも良いと思います。
また、広範な知識が得られるため、日業業務のレベルアップにもつながると考えられます。
仕事と勉強を両立させるコツは?
「医療薬学専門薬剤師」では病棟業務を含め、薬剤師業務の全般を広く学ぶ必要があります。このため、仕事と勉強を両立させるコツとして、日常業務を黙々と行うだけでなく、理解を少し深くまで進めながら行うことがコツとも言えます。
必要に応じて、医療薬学会から試験出題のガイドラインや参考図書がホームページで公開されていますし、医薬品添付文書やインタビューフォームなど通常の医薬品情報も大切な要素だと思います。
試験の難易度は、国家試験の内容に、より現場の実践的な内容を加え、病院や薬局の臨床や社会制度まで幅広い知識が求められる内容です。
薬剤師国家試験の受験から時間が経過している場合には、近年の国家試験の過去問も一定の参考になると思います。
「医療薬学専門薬剤師」資格申請に必要なこと
最新の「一般社団法人 日本医療薬学会」医療薬学専門薬剤師認定制度規程 をご覧ください。
ここでは、簡潔に記載します。
- (1) 薬剤師免許
- (2) 実務経験5年以上
- (3) 5年以上継続して医療薬学会会員
- (4) 「日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師」、「日病薬病院薬学認定薬剤師」、「日本薬剤師会生涯学習支援システム(JPALS)クリニカルラダー5以上」、いずれかの認定
- (5) 「医療薬学専門薬剤師研修施設」において1年以上の研修
- (6) 別に定めるクレジットを5年で50単位以上取得
- (7) 専門薬剤師認定取得のための薬物療法集中講義に1回以上参加
- (8) 本学会年会に1回以上参加
- (9) 自ら実施した5年の臨床実績10件提出
- (10) 学会発表:発表が2回以上(本学会年会での筆頭発表を含んでいること) 論文:医療薬学に関する学術論文が2報以上(筆頭著者論文1報以上)
- (11) 専門薬剤師認定試験の合格
「医療薬学専門薬剤師」試験会場での心構え
こちらも最新の「一般社団法人 日本医療薬学会」医療薬学専門薬剤師認定制度規程 をご覧ください。
筆記試験は、2通りの受験方法がありました。
① 医療薬学会が実施する「専門薬剤師認定試験」を受験する。試験会場:東京都渋谷区
②日本薬剤師研修センターが実施する「生涯学習達成度確認試験」を受験する。試験会場:全国7ヵ所(札幌市、仙台市、東京都、名古屋市、大阪市、岡山市、福岡市)。
いずれを選択した場合でも、試験問題や合格基準は同一とのことでした。
①の場合、時期は夏で「日本薬学会長井記念館地下ホール」が会場です。基本的にはマークシート方式で、時間に従い試験が進行されます。試験会場に戻ることはできませんが、途中退席も可能なため、多くの受験者は途中退席していました。