薬剤師の転職は何回までOK?転職回数を不利にしないコツを解説
薬剤師は転職経験者が多い業種と言われます。
ですが、あまり転職回数が多いと、かえって不利になるのではと不安を感じる人もいるのではないでしょうか。
薬剤師の転職は、何回までなら不利にならずに済むのでしょう。
また、転職回数が多くても転職を成功させることはできるのでしょうか。
薬剤師の平均的な転職回数と、転職成功のコツについて解説します。
薬剤師の転職は何回から不利になる?
転職回数が多いと、採用時に不利になるのでしょうか。
条件にもよりますが、基本的に採用する側は、長く働いてくれるかどうかをまず重視します。
そのため、短期間で転職を繰り返していると、またすぐに辞めてしまうのではないかという不安を採用担当者に抱かせてしまいます。
ただし、転職理由が家族の病気などやむを得ない事情であったり、自分のスキルアップのための積極的なチャレンジであったりするならば、好意的に受け止めてもらえるでしょう。
とはいえ、実際に何回までなら選考に影響が出ないのか、気になるところです。
薬剤師の転職回数は平均してどれくらいなのか調べてみました。
【データでみる】薬剤師は何回転職している?
薬剤師2,205人の方に転職回数についてアンケートを取ったところ、下の表のような結果になりました。
Q .あなたの転職回数は?
件数 | 割合 | |
---|---|---|
一度もない | 574 | 26.0% |
1回 | 519 | 23.5% |
2回 | 427 | 19.4% |
3回 | 291 | 13.2% |
4回 | 160 | 7.3% |
5回以上 | 234 | 10.6% |
アンケート集計時期:2024年3月、対象:エムスリー会員薬剤師
4人に3人が転職経験あり
アンケートの結果をみると、転職経験が一度もないと答えた人は全体の26パーセントの574人であるのに対し、一度でも転職したことがあると答えた人は1631人で全体の74パーセントを占めています。
薬剤師の4人に3人が、転職を経験していることがわかります。
1〜2回転職している人が多い
さらに細かく見ていくと、転職回数が1回の人は519人、2回の人は427人となっています。
転職経験があると答えた1631人のうち、58パーセント、半数強の人が1〜2回の転職をしていることになります。
これらの結果をまとめると、薬剤師の4人に3人は転職を経験し、回数は1〜2回が半数以上を占めているということになります。
つまり、薬剤師業界では、転職自体は珍しいことではなく、転職回数も2回までなら、さほど回数が多い部類には入らないといえるでしょう。
転職回数が多いのは採用側からはどう見える?
データで見た通り、薬剤師は4人に3人が1〜2回の転職を経験しています。
そのため、転職回数が1〜2回程度なら、採用側にそれほど悪印象を与えることはないでしょう。
ただ、転職回数が多い場合や、短期間で転職を繰り返している場合などは、仕事が長続きしないという印象を採用側に与えかねません。
その場合は、転職の理由について採用側が納得できるようなしっかりとした説明が必要です。
転職理由がポジティブなものであり、就業意欲の高さをアピールできれば、採用側も好意的に受け止めてくれるでしょう。
男性と女性で不利になるかどうかは違う
転職回数は少ないに越したことはありませんが、転職理由によっては、回数はさほど問題にされない場合もあります。
女性なら、転職回数が多くても、産休や育休、あるいは夫の転勤に伴う引っ越しなど、ライフイベントを理由にできれば、しかたないことと理解してもらえます。
ところが男性では、回数の多さは女性に比べるとシビアに見られる傾向があります。
男性薬剤師の場合は、産休や育休などで長期に休むケースが少ないので、採用する側も職場の中心となって長く働いてほしいという期待があるためです。
また、短期間で転職を繰り返していると、昇進ルートに乗ることができず、給与交渉が難しくなります。
そして、次第に転職そのものが難しくなってしまいます。
男性はなるべくキャリアアップのための転職に絞り、転職回数は最低限に抑えておくほうがよいといえるでしょう。
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【転職先別】転職回数はどう影響する?
転職回数が不利になるかどうかは、転職先の業種によっても変わります。
具体的に見てみましょう。
調剤薬局・ドラッグストア
調剤薬局やドラッグストアは、基本的にシフト勤務体制のため、常に人手不足です。
そのため求人も多く、転職回数が多めでも採用時に不利になることはあまりありません。
特に女性の場合は、出産などのライフイベントで転職するケースも多いので、回数はあまり問題にならないようです。
ただし、極端に転職回数が多かったり、業種の変更が多くてキャリアに一貫性が見られなかったりする場合などは、転職理由を詳しく聞かれることになるでしょう。
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病院
急性期病院や大規模な総合病院、あるいは国公立の病院などは中途採用が少なく、転職難易度は高いといえます。
これらの病院では、転職回数についても厳しめです。
転職回数はできる限り少ないほうが有利であることは間違いありません。
一方、慢性期病院や中規模の民間病院では、転職難易度はそれほど高くありません。
薬剤師の一般的な転職回数の範囲内なら、選考への影響はあまりないでしょう。
製薬会社
製薬会社はほとんどが新卒採用のみの募集のため、転職そのものが大変難しいといえます。
中途採用をする場合も経験者の募集に限られ、異業種からの転職は受け入れない企業が多いようです。
当然、転職回数の多さは不利になります。
ただし外資系の製薬会社では、転職回数に寛容な企業もあるようです。
【年齢別】転職回数の考え方
転職回数は、年齢によっても捉えられ方が変わってきます。
年代ごとに見ていきましょう。
20代
就職してから1~3年目は、実はもっとも転職経験者が多い年代です。
第二新卒とも呼ばれ、調剤の基本的なスキルは備えているこの年代は、即戦力とはならなくても将来有望な人材として求人の需要が高い年代です。
さらに実務経験を3年以上積んだ20代後半になると、スキルや実績も増え、即戦力としての需要が高くなります。
このように、20代での転職はさほど珍しいことではありません。
1つの職場に最低でも1年以上勤務していれば、1~2回の転職はそれほど問題にはならないでしょう。
しかし、経験が浅いうちに転職を数回繰り返している場合などは、仕事が長続きしない人物と受け止められ、採用時に不利になると考えたほうがいいでしょう。
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30代
30代はキャリアアップが見込める年代です。
経験やスキルも増え、主任などの責任ある立場につくことも増えてきます。
転職によって年収アップが図れるようになってくるのもこの年代なので、30代で転職経験を持つ人は少なくありません。
平均的な転職回数は1~2回ですが、たとえ転職回数が多くても、そのことをスキルアップに必要なステップととらえ、これまで培ってきた経験と実績でどれだけ職場に貢献できるかをアピールすれば、転職回数が大きく不利に働くことはないでしょう。
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40代以降
40代は転職そのものの難易度が高くなる年代です。
すでにキャリアを積んでいる40代は採用コストが高くつくため、積極的に採用する企業はあまり多くありません。
また、定年までの年数が少ないため、長く勤務できないというのも採用がためらわれる理由です。
加えて転職回数が多い場合は、どうしても仕事が長続きしない人という印象を与えてしまいます。
短期間で転職を繰り返している場合などは、キャリアそのものが分断されていてスキルが伴っていないのではないかと疑念を抱かれる可能性もあるでしょう。
40代以降の転職では、転職回数の多さは不利になると考えておくべきでしょう。
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転職回数が多い薬剤師が転職を成功させるポイント
転職回数が多い人が、回数の多さを不利な要素にせず、満足のいく転職を成功させるためにはどうすればいいでしょうか。
転職の成功を引き寄せるポイントについて解説します。
自分が長く働ける条件を考える
転職はしたものの、やはりうまくいかない、満足できないという結果になってしまっては本末転倒です。
まずは過去の転職を振り返り、なぜ転職するのか、自分が納得して働くために必要な条件は何かを、しっかり考えましょう。
希望条件をきちんと整理することで転職先とのミスマッチも防げますし、納得のいく転職を成功させることができます。
転職理由をポジティブに変換する
過去の転職理由がネガティブなものだと、採用担当者にあまり良い印象を与えません。
たとえば人間関係や仕事内容についての不満などは、それが本当の理由だとしてもそのまま伝えるのは控えましょう。
それよりも、前向きな姿勢をアピールすることで好印象を与えるほうが、転職成功の可能性が高まります。
転職理由について、まったくの嘘をつくことはNGですが、ネガティブなものは可能な範囲でポジティブなものへと言い換えてみましょう。
人間関係への不満が理由なら、「人間関係が悪くて嫌だった」とは言わず、「新しい環境で新しいチャレンジをしてみたい」というふうに変換してみると良いでしょう。
これまでの職歴とこれからのキャリアプランにストーリーをもたせる
転職先の仕事に対する前向きな姿勢や熱意をうまく伝えるためには、具体的なストーリーを作ると効果的です。
過去の職歴と今後のキャリアプランに一貫性を持たせることができれば、これまでの転職は必要なものだったと採用担当者を納得させることができますし、キャリアアップに向けての熱意も伝わります。
応募先の企業の経営方針や理念などはしっかりと調べておき、それらを具体的に織り交ぜながら自分が目指したいことを伝えれば、仕事への意気込みも評価されやすいでしょう。
転職で得た経験やスキルを伝える
転職回数が多くても、それに見合うだけの経験値の高さがあれば、採用される可能性は高くなります。
たとえば認定薬剤師等の資格がある、管理薬剤師の経験があるというふうに、即戦力となるようなスキルを持っていると非常に有利です。
他にも調剤経験の多さや専門知識の豊富さ等、転職したからこそ得られた経験を強みに、自分がどのように職場に貢献できるかをアピールするとよいでしょう。
専門家のサポートを受ける
転職の成功率をあげるコツとして、転職エージェントを利用するという方法もあります。
転職エージェントは、過去の職歴や転職先への希望条件を細かくヒアリングした上で、希望に合った求人を紹介してくれますし、応募書類の添削や面接対策も行ってくれます。
特に転職回数が多い場合は、面接対策が非常に重要になってきます。
説得力のある転職理由の答え方や自己アピールの仕方など、綿密な準備が欠かせません。
対面でじっくりと面談してくれる転職エージェントを利用すると良いでしょう。
サポートはすべて無料で受けられるので、不安のある人は、サポートが手厚いエージェントを探してみるとよいでしょう。
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【実例】転職理由の答え方
ネガティブになりがちな転職理由を、ポジティブな表現に言い換えた例を紹介します。
転職回数が多い場合の答え方例
「スキルアップを求めていくつかの職場で働きましたが、その結果、さまざまな症例を学ぶことができ、知識を深めることができました。
また、働く環境が変わることで、周囲とのコミュニケーションの取り方についても得るものがありました。こうした経験や学んだ知識を生かして、新しい職場に貢献したいと考えています。」
人間関係で辞めた場合の答え方例
「以前の職場では上司から調剤の基礎をしっかり学ばせてもらいました。
今後のために、もっと幅広く経験を積んでスキルアップを図りたいと思い、そのためには新しい環境に身を置くことが必要だと考えました。多くのスタッフがいる御社で、さまざまな方から学んでいきたいと思っております。」
まとめ
薬剤師の転職回数は1〜2回が一般的です。
転職回数が多い場合は、その理由をポジティブなものに言い換えて、仕事に対する熱意を具体的に伝えられるようにしてみましょう。
サポートの手厚い転職エージェントを利用するのも効果的です。
ただし、40歳以降は転職回数が多いと不利になるので注意が必要です。
転職コンサルタントに相談してみませんか?
募集元にアピールできるポイントを一緒にまとめてみましょう。
ご相談は無料です。