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薬剤師のための転職・求人コラム

更新日: 2024年6月15日 薬剤師コラム編集部

薬剤師はいつまで働ける?転職はできる?長く働くためのポイントを解説

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人生100年と言われるようになり、年をとっても元気なうちは働き続けたいと考える人が増えてきました。
ずっと働けると考えて、薬剤師の資格を取った方もいるのではないでしょうか。
ここでは、薬剤師はいつまで働けるのかを考え、年齢を重ねても働き続けるためにできる準備についても解説します。

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薬剤師はいつまで働ける?

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医療系の資格職である薬剤師は、年をとっても働き続けられるイメージがあります。
医療の世界でも、医師であれば高齢になっても診療を続けている人はたくさんいますが、薬剤師はどうなのでしょうか?

薬剤師は高年齢でも働ける

薬剤師の資格に年齢制限はないので、薬剤師は何歳になっても働くことはできます。
ただ、大手の調剤薬局チェーンやドラッグストア、大規模な病院に勤めていると、会社や病院の規則で定年が定められています。

現在は、社会的に定年延長の流れがありますが、一般的に60〜65歳が定年という職場が多いようです。その後、再雇用制度を利用して、65〜70歳くらいまで働けるというところも増えています。

個人経営のような調剤薬局や病院の場合は、一律に定められた定年ではなく、いつまで働けるかは雇用主の意向と薬剤師本人の希望によって変わってきます。

また、自分で薬局を開業している場合は、いつまででも働き続けることができます。

薬剤師は60代以降も比較的高年収

次に示す表は、厚生労働省が調査した、薬剤師の年齢別の年収です。
60〜69歳の平均年収は550万円、70歳以上でも558万円となっています。
40〜50代の働き盛りに比べれば下がっていますが、それでもかなり高年収といえます。

ただ、70歳以上で働いている人は実際には少ないことを考えると、この年収は、個人で薬局を経営している人の影響で高くなっているとも考えられます。

男女計
20~29歳 423万円 454万円 407万円
30~39歳 586万円 627万円 532万円
40~49歳 636万円 723万円 593万円
50~59歳 692万円 797万円 611万円
60~69歳 550万円 543万円 577万円
70歳~ 558万円 544万円 585万円

※平均年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出

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薬剤師が長く働き続ける方法

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薬剤師が長く働き続けるには、いくつかの方法があります。
何も考えなくても毎年働くことができた現役時代と違って、定年後の薬剤師がよい条件の職場で働き続けるには、事前にしっかり準備しておくことが大切です。

現在の職場で再雇用制度を利用する

最初の選択肢として考えたいのは、現在働いている職場に再雇用制度があるならば、それを利用して働き続けることです。

少子高齢化が進むなかで、労働人口の減少や年金の事情もあって、定年はどんどん延びていく流れにあります。そのなかで、定年後の再雇用制度を導入する企業や病院も増えてきました。
現在は過渡期なので、再雇用制度も職場によってあったりなかったり、条件もさまざまです。毎年条件が変わっていく職場もあるので、自分の場合はどうなるのかはしっかり確認しておきましょう。

年をとってからの転職は、収入面でも厳しいですし、新しい職場に入ってそこのやり方を覚えたり、新しく人間関係を作ったりするのはなかなか大変です。
現在の職場で働き続けることができるなら、そうしたストレスはありません。
まずは現在の職場での再雇用の可能性を確認して、それをベースに考えていくようにしましょう。

長く働ける職場にあらかじめ転職しておく

現在の職場に再雇用制度がない場合は、定年を迎える前に、再雇用制度がきちんと整備されていたり、定年がなかったりするような、長く働ける職場にあらかじめ転職しておくと安心です。
また、いまの職場について、夜勤があったり、シフト制で働く時間が不規則だったりして、高齢になって働くことに体力面で不安を感じる場合も、無理なく働ける職場へ転職しておくほうがいいでしょう。

ただ、定年が迫る50代後半になってから転職するのは難易度が高くなります。
現在の職場で長く働けるか不安に感じて、条件を落とさずに転職したいと思うなら、50代になる前に準備して転職することをおすすめします。

50代になってからの転職では、管理薬剤師などでの転職でない限り、現在の待遇を落とさずに転職することが難しくなります。
場合によっては、現在の待遇が下がることと、将来働き続けることを天秤にかけることになるかもしれません。
いろいろな面を総合的に考えて準備するようにしましょう。

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定年後に転職する

定年をひとつの区切りとして、定年後に転職するという方法もあります。
一般的に、60歳を過ぎての転職は難しいですが、専門職である薬剤師の場合は普通のサラリーマンよりは有利な待遇で転職することができます。

現在の職場に不満を感じながらも働き続けてきたような場合、定年を機に心機一転したいと考える方もいるのではないでしょうか。
定年後に転職を考えている人は、そのことも見据えて定年前から準備していきましょう。

薬剤師が定年後に転職するときのポイント

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薬剤師が定年後に転職するときには、若いときとは違って意識しておかなければならないポイントがあります。
定年後だから不利になることもありますが、考えようによっては有利になるポイントもあります。
満足度の高い転職を成功させるポイントについて、具体的にみていきましょう。

定年後に転職しやすい職種を選ぶ

薬剤師が働いている職種にはいくつかありますが、定年後でも比較的転職しやすいものと、難しいものがあります。

定年後でも転職しやすい職種には、調剤薬局とドラッグストアがあります。
定年後にスムーズに転職するには、転職しやすい職種のなかから、より自分の希望する条件に合った職場を選ぶことが大切になります。

それぞれの職場の特徴と、逆に転職が難しい職種にはどういうものがあるかについてみていきましょう。

調剤薬局

調剤薬局は定年後でも比較的転職しやすい職種のひとつです。
その理由としては、調剤や服薬指導という中心となる業務が年齢に関係ないことがあげられます。
また、基本的に人手不足であることも、転職しやすい理由です。

ただ、チェーン展開しているような大手の調剤薬局は、若い薬剤師を中心に採用し、自社の定年後の社員も再雇用していたりするため、定年後に転職して入るのは難しくなっています。

逆に、中小の調剤薬局や、個人が経営しているような調剤薬局は、人手不足のため、年齢が高くても採用される可能性が高いです。
定年後に転職するなら、中小や個人経営の調剤薬局をねらうとよいでしょう。
大手と違って採用に悩んでいる中小や個人の調剤薬局にとって、即戦力となるベテランの薬剤師はありがたい存在でもあるからです。

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ドラッグストア

ドラッグストアも定年後に転職しやすい職種です。
ドラッグストアは成長産業で、新規出店も積極的に行われています。年中無休で営業時間も長い店舗が多いため、スタッフがたくさん必要なのです。

ただ、大手の全国チェーンのドラッグストアは、定年も定められていますし、長く戦力になる若手を中心に採用しています。
ドラッグストアでも地域に密着した小規模な店舗がねらい目といえます。

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定年後に転職が難しい職種は?

一方で、定年後に転職したいと思っても難しいのは病院です。
医療の現場で働ける病院は人気があるので、採用は新卒が中心になっています。また、管理職の数も多くはありません。
定年後に転職するにはハードルが高いといえます。

ただ、若手の薬剤師の少ない地方の病院や、療養型の病院など人手不足の病院は、高年齢でも採用される可能性があります。

また、製薬会社も定年後に転職が難しい職場です。
一般企業である製薬会社は社員に対する定年の規定もしっかり運用されているので、そこに外部から転職するのは難しいといえます。

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調剤経験を積んでおく

定年退職後に転職してきたような、ベテランの薬剤師に期待されているのは、即戦力としての役割です。調剤経験は必須といえます。
新しい職場に入っても、すぐに状況を把握して、柔軟に対応してくことが求められています。

若い薬剤師ならばいろいろ教育してもらえますが、ベテランとして採用された場合は難しいでしょう。
逆に、いろいろな診療科の処方箋や薬に精通し、職場のスタッフにアドバイスできるようであればとても重宝されるでしょう。

いつまでも働き続けるためにも、さまざまな調剤経験を積んでおくことが大切です。

現在の状態に合わせて職場を選ぶ

年齢を重ねると、いろいろなことが変化していきます。
まず、体力が落ち、長時間の立ち仕事や夜遅くまでのシフトがきつく感じられるようになります。
逆に、子どもが大きくなると教育費がかからなくなったり、家のローンも終わっていたりするので、そこまで収入にこだわる必要がなくなるかもしれません。

若いときのように、バリバリ働いて高収入を得る、というのではなく、必要な収入を確保するために無理のない範囲で働く、というように、年齢に合わせて仕事の捉え方も変えていきましょう。
体力的な無理はきかなくなってくるので、収入面だけでなく、勤務時間や自宅から職場までの近さなど、現在の自分の状態に合わせて職場を選ぶことが大切です。

謙虚な姿勢で臨む

ベテランとしてのスキルで新しい職場に貢献することは大切ですが、新しい職場ではいくつであっても新人で、新しく覚えなければならないこともいろいろあります。
自分より若い薬剤師に対しては謙虚な姿勢で接していくことが大切です。

職場にいるスタッフにとっても、自分よりも年上の人が入ってくるというのは気を遣うものです。そこでよけいな負担をかけることのないように自分の立場をわきまえつつ、実務で助けていけば、なくてはならない人材となることができるでしょう。

ベテランの薬剤師には、さまざまな経験をしてきたからこその懐の深さやコミュニケーション能力が武器になります。

また、薬局のデジタル化が進むなかで、新しい機械やシステムがどんどん導入されています。それに対して苦手意識を持つのではなく、積極的にチャレンジして取り入れていく姿勢も大切です。

転職エージェントを利用する

年齢を重ねてからの転職は、求人票には書かれていない、目に見えない壁の存在が大きくなります。
そういうときに味方になってくれるのが薬剤師専門の転職エージェントです。
求人票だけではわからない企業のホンネを、転職エージェントのコンサルタントは把握しています。

本当に高年齢の薬剤師の採用に積極的な職場を紹介してもらえれば、実は若手を欲しがっている職場に応募してしまうような無駄な労力をかけなくてすみます。
自分のこれまでの仕事の棚卸しも兼ねて、転職エージェントに登録してみてはいかがでしょうか。

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年齢別|薬剤師の転職難易度

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いくつになっても転職できる薬剤師ですが、やはり年齢によって転職の難易度は変わってきます。
ここでは、年齢によって薬剤師の転職がどのような影響を受けるのかを説明します。

20代 ポテンシャル転職

第二新卒から20代の間は、これからの伸び代に期待したポテンシャル転職ができる時期です。
一度就職して基本的なスキルやビジネスマナーを身につけているので、教育コストがかからず、新しいことにも対応していきやすいと、積極的に採用する職場が増えています。
すぐに仕事を辞めるのはがまんが足りない、というような風潮も薄れているので、20代の転職難易度は低いといえます。

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30代 即戦力として求められる

10年程度働いて薬剤師として基本的なスキルを身につけ、患者さんへの対応も安心して任せられる30代は、即戦力としてのニーズが高い年代です。
ある程度の経験があれば、転職も比較的スムーズに進められます。

管理薬剤師などへの昇進も可能なので、転職による年収アップも期待できます。
30代までに調剤業務を身につけておくことは、薬剤師の転職という面から見ると重要なポイントです。

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40代・50代 管理職経験が左右する

40代以降の転職は、30代までと比べると難易度が高くなります。
40代、50代の転職で成功のポイントとなるのは、管理職経験があるかどうかです。

40代以降は給与も高いので、採用コストが高くなります。しかし、定年までの年数は短いので、そのバランスを考えると採用されるためのハードルが高くなるのです。

管理職経験があれば、管理薬剤師やドラッグストアの店長職、エリアマネージャーへの転職ができ、キャリアアップ、年収アップが望めます。
一方でそのような経験やキャリアがない一般薬剤師としての採用となると、40代以降の薬剤師より、コストが安く伸び代のある、より若い人のほうが有利になります。

40代からの転職では、管理職経験などのそれまでのキャリアが難易度を左右します。若いころと同じ感覚で転職するのではなく、自分が何のために転職するのかをしっかり考えることが大切です。

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60代以降 地方や人手不足の職場がねらい目

60代以降の転職では、自分が求める条件を整理して、人手不足の職場をピンポイントでねらうことが転職成功のカギになります。
先ほども説明したように、大規模なチェーン店よりも、個人で経営している薬局や小規模なドラッグストアのほうがねらい目となります。

また、都市部には若い薬剤師がたくさんいますが、人口が少なく薬剤師も少ない地方では、人手不足が深刻なため年齢は関係なく採用されるチャンスがあります。
故郷へのUターンなども視野に入れると、可能性が広がるかもしれません。

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まとめ

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薬剤師は、自分が働きたいと望むならばいつまででも働き続けることのできる職業です。
ただ、高齢になっても働き続けるためには、若いときから定年後も仕事を続けられるように準備しておくことが大切です。

また、若い薬剤師のなかで一緒に気持ちよく働いていける人間力や、新しい技術を積極的に取り入れていく柔軟性が必要となります。
せっかく手にしている薬剤師という資格を生かして、自分が望む人生設計を実現させていきましょう。

50代、60代の方の転職のご相談、お気軽にご連絡ください。

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
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