【回答例あり】入社すぐ新卒や第二新卒、社歴短い方の転職面接クリアのコツ


新卒すぐや第二新卒で転職活動をする場合、「どうして1社目をすぐに辞めたのか」と面接できかれることが多くなります。そのような場合でも、きちんと準備しておけば、短い社歴を心配しすぎる必要はありません。大切なのは、自分が転職に対して前向きで、成長する意欲があることを伝えることです。
この記事では、薬剤師としての経験を活かしながら、短い社歴をどう説明すればよいかをまとめました。また、よくある質問の例や答え方も紹介しています。転職の面接が不安な方は、この記事を読んでしっかり準備しましょう。
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新卒の就活面接と、転職面接の違い

新卒の就活でしか面接を経験していない場合、転職の面接がどのようなものか気になりますよね。転職を成功させるためには、就活の面接との違いを理解することが大切です。
ここでは、「新卒の就活面接」と「転職面接」の違いについて見ていきましょう。
転職の面接は欠員補充
企業が転職の面接を行う理由は、「急に足りなくなった人手を補うため」です。退職や部署異動、昇進などで薬剤師が減ることは決して珍しくありません。
薬剤師が不足すると、調剤や患者対応の負担が増え、現場の業務に支障をきたしてしまいます。そのため企業は中途採用によって、早急に必要な人材を確保しようとするのです。
一方、新卒採用の目的は、「将来の経営幹部候補や職場の中心となる人材の確保」です。
採用目的の違いを理解しておくと、企業のニーズに合ったアピールができ、転職をスムーズに進められます。これまでの経験をきかれる
新卒の就活では、「ポテンシャル」や「将来性」が重視されます。
一方、転職の面接で求められるのは、「即戦力として現場に貢献できるスキルや実績」です。そのため、たとえ短期間しか働いていなくても、これまでの仕事で得た経験やスキルを具体的に説明できなければなりません。
自分の強みを整理し、企業が求める人物像とマッチする点をアピールすることが、転職成功の鍵となります。
新卒や第二新卒で社歴が短い場合の面接ポイント

新卒や第二新卒で社歴が短い場合、面接ではどのように対応すればよいのでしょうか。ここでは、具体的な対応方法を確認していきます。
現職で得たものと問題点を整理する
新卒すぐや第二新卒で社歴が短い場合、「現職で得たもの」と「課題」を整理しておくことが大切です。短期間であっても、習得したスキルや知識、達成した成果、学んだことは必ずあるはずです。これらを具体的に説明できるよう準備しましょう。
また、仕事で感じた課題や自身の改善点を明確にし、次の仕事でどのように成長したいかを考えておくことも重要です。
特に「退職理由」については、前向きな内容にまとめる必要があります。採用担当者は「またすぐに辞めるのではないか」と不安を感じているため、その懸念を払拭できるような説明が必要です。
課題を整理し、自分に合った職場環境を明確にすることで、転職後のミスマッチ防止にもつながります。
次の職場で得たいものを考える
面接では「次の職場で何を得たいか」を具体的に伝えることも重要です。将来どのような薬剤師になりたいか、どの専門分野に進みたいかを明確にしておきましょう。
例1.在宅医療に力を入れている企業で、地域医療に貢献する薬剤師として成長したい
例2.手厚い研修制度やサポート体制のある薬局でスキルを磨きたい
例3.ワークライフバランスが整った環境で、長期的に働きたい
次の職場での譲れない「転職の軸」をはっきりさせると、転職の目的がよりクリアになり、成功しやすくなります。
また、「転職の軸」は「志望動機」とも一致します。そのため、企業への効果的なアピールにもつながるでしょう。
社歴が短い点をカバーする返答例
社歴が短いことについて「どのように答えれば印象を悪くしないか」と悩む方も多いでしょう。しかし、言い方を工夫すれば問題ありません。大切なのは、「ネガティブ」な退職理由を「ポジティブ」に言い換え、前向きな姿勢を伝えることです。
なお、求人内容や面接で伝えられた給与や待遇が実際と異なる場合による離職については、事実をそのまま伝えても問題ありません。
【返答例1.長時間労働による離職の場合】
「1日の業務時間が平均10時間以上で、週に数回は閉局後も残業が続く状況でした。調剤業務の効率を上げるために、薬歴管理ソフトの活用や業務フローの見直しを提案しましたが、採用には至りませんでした。私は、業務効率を高めることで患者さんへの対応時間を増やし、さらに研修や勉強会に参加して知識を深めたいと考えています。そのため、研修制度が充実し、生産性を重視する御社で新たな挑戦をしたいと思っています。
※この返答では、労働環境の課題を具体的に説明しつつ、自身の改善努力や成長意欲をアピールしています。
【返答例2.人間関係による離職の場合】
前職では個人プレーが重視され、同僚との連携が少ない環境でした。その中で私は、患者さんの安全や満足度を高めるためには、チームでの情報共有や協力が重要だと感じていました。御社のチーム医療を重視する取り組みに共感し、応募しました。
※人間関係が理由の場合は、「職場環境のミスマッチ」に視点を切り替え、前向きな意欲を伝えることがポイントです。
転職時の面接の流れ

新卒すぐや第二新卒の転職の面接は、どのような流れで進むのでしょうか。
ここでは、面接の流れに従って、シチュエーションごとの注意点やマナーを解説します。
1.服装・準備
薬剤師の転職面接では、医療業界の基本である「清潔感」が非常に重要です。清潔感のない人は患者さんの信頼を失い、薬局の評判を落とす可能性があるため、採用においても厳しく見られます。
男性・女性ともにシンプルなスーツに革靴を合わせ、スーツやシャツのしわ、靴の汚れがないよう事前にチェックしましょう。また、髪型は前髪が顔にかからないように整えて、清潔でしっかりした印象を与えることが大切です。
面接当日に必要なものも、事前に準備しておきましょう。筆記用具、ハンカチ・ティッシュ、薬剤師免許証、履歴書や職務経歴書のコピー、面接会場の案内は必須です。
2.受付
面接会場には、開始時間の10〜15分前に到着するようにしましょう。遅刻は厳禁です。電車の遅れや道に迷う可能性を考え、余裕を持って早めに出発してください。不安な場合は、事前に地図で道を確認したり、現地を下見したりしておきましょう。
受付に行く前には、建物の前やトイレでスーツや髪型をチェックしておきましょう。服にしわがないか、髪が乱れていないかを確認し、整った見た目で受付に向かいます。
受付での挨拶も大事です。面接はここから始まっていると考え「〇〇時に面接予定の〇〇です。本日はよろしくお願いいたします」と、明るい声で礼儀正しく伝えましょう。
受付で好印象を持ってもらえれば、面接全体もスムーズに進む可能性が高まります。
3.面接
受付での印象も重要ですが、採用を左右するのはやはり「面接中の態度」です。第一印象は数分で決まるため、明るい表情を心がけましょう。
入室する際は、ドアを3回ノックして「失礼します」と声をかけてから入ります。椅子の横に立ち、「〇〇と申します。本日はよろしくお願いいたします」と一礼し、面接官に促されてから座ります。
座る際は背筋を伸ばし、背もたれに寄りかからず、両膝を揃えて手を膝の上に軽く置きます。面接中は、面接官の目を見てハキハキと話し、要点を簡潔にまとめることが重要です。
なお、質問がわからない場合は「もう一度お願いできますか」と丁寧に確認し、落ち着いて対応すれば問題ありません。
4.面接後
面接が終わったら、その内容を振り返り、次回への改善点を見つけることが重要です。面接官とのやりとりや「こうすれば良かった」と感じた点をメモに残しておくと、今後の転職活動に役立ちます。
転職エージェントを活用している場合は、面接直後にキャリアアドバイザーからのアドバイスを受けるのがおすすめです。「プロの視点」からのフィードバックを得ることで、一人では気づきにくい改善点が明確になり、次の面接に向けた効果的な対策を立てることができます。
なお、お礼メールやお礼状は、入社意欲をアピールできますが必須ではありません。感謝の気持ちを伝えたい場合に送るとよいでしょう。
転職の面接でよくある質問と回答例

薬剤師の転職では、ある程度聞かれることが決まっています。ここでは、面接でよくきかれる質問と、その回答例を紹介します。答え方のポイントもお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
自己紹介
自己紹介は面接で必ずきかれる定番の質問です。応募者のスキルや人柄を知り、応募先の求める人材像に合致しているかを判断することが、自己紹介をきく目的です。
ポイントは、経験やスキルを簡潔にまとめること。1〜3分程度で、以下の内容を盛り込むと効果的です。
- 名前
- 略歴
- 実績
- 適性
- 強み
【質問例】
自己紹介を1分でしてください
【回答例1】
本日はお時間をいただきありがとうございます。薬剤師の〇〇〇〇と申します。調剤薬局で1年間勤務し、患者さまへの服薬指導や調剤業務を経験しました。この短い期間で、薬剤師としての基礎を学び、患者さまに寄り添う姿勢の大切さを感じました。御社で幅広い業務に挑戦し、スキルアップしたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
【回答例2】
〇〇〇〇と申します。本日はありがとうございます。病院薬剤師として半年間勤務し、調剤や服薬指導を経験しました。短い期間でしたが、患者さまの安全を第一に考える姿勢やチーム医療の重要性を学びました。地域に根ざした医療に従事したいと思い、御社を志望しました。よろしくお願いいたします。
これまでの経歴
1社目の社歴が短くても、面接ではこれまでの経歴について質問されます。短い社歴でも、そこで得たスキルや経験を具体的に説明し、それを次の職場でどう活かしたいかをしっかり伝えることが重要です。
【質問例】
これまでのご経験について教えてください
【回答例1】
大学卒業後、病院薬剤師として半年間勤務し、患者さまやそのご家族向けの講習会に携わる機会がありました。短期間ではありましたが、患者さま一人ひとりに寄り添い、信頼関係を築くことが重要だと学びました。御社では、この経験を活かして地域医療に貢献しながら、患者さまに信頼される薬剤師を目指していきたいと考えています。
【回答例2】
大学卒業後、総合病院の薬剤師として勤務し、調剤・服薬指導・抗がん剤調製などの業務を経験しました。短い期間ではありますが、病棟業務も担当し、医療チームとの連携や患者さまとの対話の大切さを学びました。
転職する理由
転職理由も、面接で必ずきかれる質問の一つです。面接官は、応募者が自社と相性が良いか、同じ理由で早期退職してしまわないかを判断するために、この質問をします。そのため、たとえネガティブな理由であっても、前向きな表現に変えて伝えることが重要です。
特に、「またすぐに辞めるのではないか」という懸念を持たれないよう、自分が長く働く意欲があることをアピールしましょう。
【質問例】
- 転職を検討するに至った背景を教えてください
- どうして前職を辞められたのですか?
【回答例1】
大学病院で約1年間勤務し、抗がん剤調製や調剤業務に携わりました。短い期間ではありますが、がん治療における薬剤師の役割の重要性を実感しました。専門性をさらに深めたいと考え、より多くの症例に携われる環境で働きたいと思い、御社を志望しました。
【回答例2】
現在の職場は大手調剤薬局チェーンですが、個々の業務が細分化されており、幅広いスキルを身につける機会が少ないと感じています。御社の多岐にわたる業務内容に魅力を感じ、幅広い経験を積みながら成長したいと思い、転職を希望しました。
薬剤師として働いて印象に残ったこと
面接で「薬剤師として印象に残ったこと」をきかれる理由は、「応募者の価値観」や「主体性」を見極めるためです。この質問に答える際は、自身の経験を具体的に述べ、どのような行動を取ったか、その経験から何を学んだかを伝えることが大切です。
【質問例】
- 今までの経験で、学びや気づきがあった印象深いエピソードを教えてください
- これまでの業務で、患者さまと接していて印象に残ったエピソードを教えてください
- 調剤業務で、注意深く対応したことや成功した経験について教えてください
【回答例1】
在宅医療に携わった際、寝たきりの患者さまを訪問し、医師や家族と連携しながら薬剤管理を行いました。患者さまが服薬を継続できるよう、わかりやすい説明と定期的なフォローを行った結果、ご家族から「安心して治療を続けられる」と感謝されました。この経験から、患者さまの生活に寄り添う医療の大切さを学びました。
【回答例2】
調剤薬局で勤務中、複数の医療機関から処方された薬に相互作用のリスクがあることに気づきました。すぐに医師に確認し、患者さまへ適切な説明を行った結果、「安心できた」と感謝の言葉をいただきました。今後も患者さまに信頼される薬剤師を目指したいと思っています。
これから薬剤師としてやりたいこと
面接では、「今後どのような薬剤師として活躍したいか」という質問がよくきかれます。この質問では、「応募先の募集内容」と「自分の目標」が一致している点をアピールすることが大切です。
特に、5年以内のキャリアプランを明確にしておくと、面接官に具体的なビジョンを伝えることができます。
目標が現実的で、応募先の環境で達成できることを示すと、より説得力が増します。
【質問例】
- 今後、どのような薬剤師になりたいと考えていますか?
- 当院でどのようなキャリアを積みたいと思っていますか?
【回答例1】
「かかりつけ薬剤師」として地域の方々に信頼される存在になることを目指しています。患者さま一人ひとりの生活背景や健康状態に寄り添いながら、適切な薬物療法を提供したいと考えています。御社の在宅医療や地域密着型の取り組みに共感しており、今後はその一員として貢献したいと思っています。
【回答例2】
まずは御社での業務を一つひとつ確実に覚え、薬剤師としての基礎をさらに確実にしたいと考えています。その後は、後輩の指導や管理薬剤師としてマネジメントスキルを磨き、チーム全体の力を引き出せる役割を担いたいです。
【Q&A】新卒・第二新卒で社歴が短い場合の面接対策

社歴が短いと、「転職活動で不利になるのでは」と不安になる方も多いでしょう。また、気になることがあってもなかなかききづらい場合もあるかもしれません。
ここでは、社歴が短い場合の面接でよくある疑問やその対策について詳しく解説します。
未経験の職種に転職できる?
社歴が短くても、未経験の職種に挑戦することは可能です。調剤薬局やドラッグストアのほか、病院薬剤師(大学病院除く)やCRCなどは、未経験から挑戦できます。
未経験でもOKな職種に共通しているのは、「専門性がそこまで高くないこと」や「人手不足であること」です。
一方で、大学病院の薬剤師や研究職など、高度な専門性が求められる職種は未経験からの転職は難しくなります。
就職してすぐに転職するのはよくない?
就職してすぐの転職は、必ずしも悪いことではありません。特に薬剤師は転職が多い職種であり、転職そのものはネガティブに捉えられにくいです。
ただし、面接で転職理由を問われることが多いため、準備は必要です。
「残業が多かった」「職場が合わなかった」といったネガティブな理由でも、伝え方次第で印象を良くすることができます。たとえば「より良い環境で成長したい」といった前向きな理由に変換することが大事です。
また、「これが最後の転職です」と長く働く意志を示すことも重要です。
お給料や残業についてきいてもいい?
転職面接で給料や残業についてきくのは問題ありません。ただし、きき方には注意が必要です。
直接「残業はしたくない」や「給料を上げてほしい」と伝えると、きつい印象を与える可能性があります。
質問する際は、前職を例に挙げて「前職では週に2〜3日の残業がありましたが、御社ではどの程度でしょうか?」といった具体的で柔らかいきき方を心がけましょう。
ただし、こうした待遇面での質問は面接官に悪い印象を持たれる可能性もあります。そのため、転職エージェントを通して確認するのがおすすめです。
エージェントならききづらいことも代わりにきいてくれるので、ぜひ活用してみてください。
「何か質問はありませんか?」ときかれたときは?
逆質問は、応募者の志望度や積極性、コミュニケーション能力を見極めるために行われます。「特にありません」と答えるのは非常にもったいないです。アピールチャンスを逃さないためにも、事前に質問を準備しておきましょう。
効果的な質問の例としては、以下のようなものがあります。
「研修やスキルアップのサポート体制について教えていただけますか?」
「入社までに〇〇を勉強しようと考えていますが、他に準備すべきことはありますか?」
初めての転職面接成功のポイント

最後に、初めての転職面接を成功させるポイントを紹介します。転職の面接は緊張するものですが、しっかり準備をすれば大丈夫です。これから紹介するポイントを押さえて、自信を持って面接に臨みましょう。
これからの仕事に対する意欲を伝える
面接では「これから成長していきたい」という前向きな姿勢をしっかりアピールすることが大切です。
社歴が短い応募者の場合、企業は経歴に加えて「将来性」や「潜在的な力」にも注目します。そのため、仕事への意欲を具体的に伝えることが重要です。
例えば、「認定薬剤師の資格取得を目指してスキルアップをしたいです」など、明確で前向きな発言をすることで、好印象を与えられます。
社会人としてのマナーがあることを示す
面接では、社会人としての基本的なマナーを守ることが大切です。
企業は第二新卒の応募者に対して、「すでにビジネスマナーやスキルを身につけており、新卒のような研修が不要」と期待しています。
当日は遅刻しないこと、面接にふさわしい服装や丁寧な言葉遣いを心がけるなど、基本的なマナーを徹底しましょう。
また、面接後も気を抜かず、退室時には挨拶とお礼をきちんと伝えることが重要です。
結論から話す
面接では「結論ファースト」で話すことを意識しましょう。結論ファーストとは最初に結論を伝えて、そのあとに理由や背景を説明する方法です。
時間が限られている面接では効率的なコミュニケーションが欠かせません。結論を先に伝えることで、面接官に「何を言いたいのか」が伝わりやすくなります。
ただし、この話し方に慣れるには練習が必要です。面接前に繰り返し練習をして、結論ファーストの話し方に慣れておきましょう。
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まとめ

新卒すぐに転職する場合や、第二新卒で社歴が短い場合でも、しっかり準備をして伝え方を工夫すれば、転職は成功できます。就活とは異なるポイントを理解して、自分の強みやこれからの意欲をしっかりアピールすることが大切です。
とはいえ、「社歴が短いと不利になるかも…」と不安に感じる方も多いでしょう。そのような場合は、薬剤師専用の転職エージェントを頼るのも一つの方法です。
エージェントは、面接準備や不安の相談に乗るだけでなく、条件交渉のサポートも行ってくれます。
一人で悩まず、プロの力を借りて、自分にぴったりの職場を見つけましょう。
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