【薬学生向け】病院実習のお礼状の書き方などを解説!例文付き
病院実習を終えた薬学生さんがすぐに突き当たるのがお礼状の壁。
普段かしこまった手紙など書いたことがないのに、いきなり実習先へのお礼状を書こうとしても、どんなふうに書けばいいのか途方にくれますよね。
お礼状には決まった書き方があるので、ポイントを押さえれば誰でも書けるようになります。
例文を見ながら、お礼状の書き方について学んでみましょう。
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病院実習でお礼状は必要?
病院実習の締めくくりとして大切なのがお礼状です。
昨今はメールやSNSが発達し、手紙を出す必要性を感じない人も多いでしょう。
そもそも実習先にお礼状を出す必要はあるのでしょうか?
病院実習のお礼状とは
薬学部の学生は皆、薬剤師として必要な資質を身につけるための実務実習が義務付けられています。
そのうち病院での実習は11週間、約2カ月半に及びます。
そのように長期間にわたりお世話になった相手先に対して、感謝と敬意の気持ちを伝える書簡がお礼状なのです。
口頭で感謝の言葉を述べるだけでなく、文面にすることで、より丁寧にこちらの誠意を伝えることができます。
病院実習でお礼状を出すメリット
お礼状を出すメリットは、感謝の気持ちが相手に伝わりやすく、良い印象が残りやすいという点です。
誰でも、素直に感謝の気持ちを伝えられれば嬉しい気持ちになるものです。
手書きのお礼状をもらえば、さらに気持ちのこもった丁寧な印象を受けるでしょう。
病院によっては、実習生からのお礼状を何年も保管しているところもあります。
所属している大学の印象もアップし、来年度、後輩たちが実習に訪れる際も、気持ちよく迎え入れてもらえるでしょう。
もし実習先への就職を希望しているなら、お礼状を出すことでより好印象を与えることもできます。
また、お礼状を出すことは、社会人の基本的なマナーでもあります。
お礼状を書く習慣を身につけておくと、今後社会に出て働くときに自分自身を助けるスキルになります。
病院実習のお礼状のポイント
学生の間は、お礼状を書く機会はほとんどないかもしれません。
はじめてお礼状を書く場合、どのようにすれば相手に失礼にあたらないのかわからないことも多いでしょう。
お礼状のポイントを順を追って解説します。
便箋と封筒を使用する
お礼状はハガキやメールでもいいのではないかと考える人もいるかもしれません。
しかし、ハガキやメールはどうしても簡易的な印象を与えてしまうため、病院実習のお礼状としてはふさわしくありません。
お礼状のような改まった手紙は、ぜひ封書で送りましょう。
便箋や封筒は、白無地のものを用意します。
薄いクリーム色などでもかまいませんが、派手な色のものや大柄な模様があるものは避けましょう。
封筒の宛先は都道府県名から記入し、宛名は病院名の後に、指導を担当してくれた薬剤師個人の名前を書きます。
敬称は「先生」とするほうが、より敬意を表した表現になります。
便箋を封筒に入れる際は三つ折りにして、封筒の裏から見たときにお礼状の書き出しの部分が右上に来るようにして入れましょう。
縦書きで書く
お礼状のようなかしこまった手紙は縦書きが基本です。
また、パソコンで打つより手書きのほうが温かみもあり、気持ちが伝わりやすくなります。
黒のボールペンか万年筆で、心を込めて丁寧に書きましょう。
できるだけ早く送る
お礼状はなるべく早く送るようにしましょう。
一般的には1週間以内といわれますが、病院実習の場合は3日以内には投函できるよう準備しておくとよいでしょう。
休日を挟むと配達が遅れますし、病院側も次の実習生の受け入れ準備でバタバタし始める可能性があるからです。
記憶が薄れないうちに、早めに送りましょう。
誤字脱字がないように注意する
誤字脱字の多い文書は、相手に対してよい印象は与えないでしょう。
仕事上でもこのようなケアレスミスをするのではないかと思われるかもしれません。
お礼状を書き終えたら、誤字脱字がないか十分にチェックしましょう。
病院実習のお礼状の書き方
いざお礼状を書こうにも、何から書けばいいのかわからなくて不安になりますよね。
お礼状には書き方があります。形式通りに書けば、誰でも書けるようになります。
ここからはお礼状の書き方について、具体的に解説していきます。
お礼状には決まった形式があります。
まず「頭語」から始まり、「時候の挨拶」「お礼の言葉」「主文」「結びの言葉」「結語」「後付け」の順に書きます。
一般的な手紙を書く際にも使えるマナーなので、この機会にぜひ覚えておきましょう。
1.頭語
頭語は手紙の冒頭に書く「こんにちは」にあたる言葉です。
「拝啓」「謹啓」などが代表的です。
最後につける「結語」と対になっており、組み合わせが決まっているので気をつけて使いましょう。
頭語と結語の組み合わせは後ほど解説します。
2.時候の挨拶
時候の挨拶は季節に合わせた挨拶の言葉で、四季のある日本ならではの表現が特徴です。
頭語を書いた後、1マス空けて書き始めます。
時候の挨拶には、季節の移り変わりと共に相手の健康を気遣う意味も込められています。
時季によって使える表現に違いがあるので、次の表を参考に、季節にふさわしい言葉を選びましょう。
| 月 | 時候の挨拶 | |
| 4月 | 陽春の候 | 春の訪れを感じる季節となりました。 |
| 春和の候 | 桜の花が美しく咲く季節となりました。 | |
| 5月 | 新緑の候 | 青葉のころとなりました。 |
| 緑風の候 | 風薫るすがすがしい季節となりました。 | |
| 6月 | 深緑の候 | 梅雨入りの時期を迎えました。 |
| 向暑の候 | 紫陽花の美しい季節となりました。 | |
| 7月 | 小暑の候 | 梅雨が明け、暑さがにわかに加わってまいりました。 |
| 盛夏の候 | 厳しい暑さが続きます。 | |
| 8月 | 晩夏の候 | 夏の暑さが残る時季ですが、お元気でお過ごしのことと存じます。 |
| 残暑の候 | 暦の上では秋となりましたが、まだまだ残暑厳しいころ。 | |
| 9月 | 涼風の候 | 秋晴れの気持ちよい天気が続いております。 |
| 爽秋の候 | 朝夕に秋の気配が感じられるころとなりました。 | |
| 10月 | 清秋の候 | 秋も深まり、過ごしやすい季節になってまいりました。 |
| 秋晴の候 | 虫の音にも秋の深さが感じられます。 | |
| 11月 | 霜寒の候 | めっきり日脚も短くなりました。 |
| 深冷の候 | 夜寒がひとしお身に染みるこのごろとなりました。 | |
| 12月 | 寒冷の候 | 道行く人の足音も慌ただしい年の暮れとなりました。 |
| 師走の候 | 年の瀬も押し迫ってまいりました。 | |
| 1月 | 寒中の候 | 松の内も過ぎ、寒さも厳しく感じる今日このごろです。 |
| 新春の候 | 寒中お見舞い申し上げます。 | |
| 2月 | 残寒の候 | 立春とは名ばかりの、寒い日が続いております。 |
| 梅花の候 | 梅のつぼみも膨らむころとなりました。 | |
| 3月 | 弥生の候 | 寒さもやわらぎ、ようやく春めいてまいりました。 |
| 春暖の候 | 日ごとに暖かさの増してくるこのごろです。 | |
3.お礼の言葉
時候の挨拶の後は、実習で指導してくださった方へのお礼の言葉を書きます。
忙しい仕事の最中に時間を割いて指導してもらったことへの感謝を述べるとよいでしょう。
4.主文
お礼の言葉に続き、実習中に学んだことや感じたことを具体的に述べます。
実習中の印象深いエピソードや、今後どのような目標を持って勉強に取り組みたいか等の抱負を付け加えるとなおよいでしょう。
文章は話し言葉ではなく、目上の人に対する丁寧な言葉遣いで書きます。
5.結びの挨拶
主文の後、全体を締めくくる挨拶の言葉です。相手の健康や繁栄を祈る言葉が一般的です。
実習先である病院の、今後の発展を祈る言葉を述べるとよいでしょう。
6.結語
冒頭の「頭語」と対になる締めの言葉で「さようなら」にあたります。
主な組み合わせは次のようになります。
| 頭語 | 結語 | |
| 一般的な手紙 | 拝啓 | 敬具 |
| 拝呈 | 敬白 | |
| 啓上 | 拝具 | |
| 改まった手紙 | 謹啓 | 敬具 |
| 恭啓 | 謹言 | |
| 粛啓 | 謹白 |
「前略」「草々」という組み合わせもよく知られていますが、こちらは親しい間柄で使う略式の言葉です。病院実習のお礼状では使わないほうがよいでしょう。
7.後付け
最後にお礼状を作成した日付と差出人の名前を書きます。
病院実習のお礼状では、名前の前に大学名と学部名を書くとよいでしょう。
病院実習のお礼状の例文
実際にお礼状の形式に従って書かれた例文を紹介します。お礼状を書く時どのようにまとめればいいのか参考にしてみてください。
例文1.5月に出すお礼状
拝啓 風薫るすがすがしい季節となりました。皆さまにおかれましてはますますご活躍のこととお慶び申し上げます。
このたびは2カ月半の実習においてご丁寧なご指導をいただきまして、誠にありがとうございました。
実習では実際の調剤の仕方や患者様とのコミュニケーションの取り方を学ばせていただきました。
また、薬剤師の先輩方の医療に対する思いをお聞きすることもでき、自分が目指したい薬剤師の姿を具体的に思い描くことができました。
この実習で学んだことを胸に、今後は国家試験の勉強に励み、先輩方のような立派な薬剤師を目指したいと思います。
簡単ではございますが、書中をもちまして御礼申し上げます。
皆様の末長いご健勝を心よりお祈り申し上げます。
敬具
令和〇年〇月〇日
〇〇薬科大学 〇〇〇〇
例文2.11月に出すお礼状
謹啓 向寒のみぎり〇〇先生におかれましてはますますご清栄のことと存じます。
このたびはご多忙のところ、病院実習の機会をいただきまして、誠にありがとうございました。
実習では生の医療現場に触れることができ、教科書で学ぶだけでは得ることのできない貴重な経験をさせていただきました。
特にチーム医療に必要な多種連携や情報共有のあり方については、大変有意義な学びを得ることができました。
今後は、この実習で学んだことや〇〇先生からご指導いただいたことを生かし、より一層勉強に励む所存です。
末筆ではございますが、〇〇先生の益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
敬具
令和〇年〇月〇日
〇〇大学 薬学部 〇〇〇〇
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まとめ
お礼状には、感謝の気持ちを伝えるという大切な役割があります。
また、心を込めた手書きのお礼状は、今後の信頼関係を築く上での大事な土台になります。
病院実習が終わったら、なるべく早めにお礼状を出すように心がけましょう。
お礼状の書き方は、社会に出れば必ず必要となってくるマナーです。
決まった形式に沿って書けば習得できるスキルなので、今のうちに身につけておきましょう。
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