【男性薬剤師必見】男性育休の取り方完全ガイド 新米パパの育児休業を応援
育児休業は女性が取るもの、というイメージはもう古いかもしれません。
近年、育休取得を検討する男性は増えており、それは男性薬剤師にとっても例外ではありません。
男性薬剤師が育休を取ることは、まわりに迷惑をかけることではなく、男性本人にとっても周囲にとってもポジティブなことだという認識が広まっています。
ここでは、「育休を取りたいけれど、職場の理解が得られるか、キャリアへの影響がないかが不安…」そんなふうに感じている男性薬剤師の方に向けて、育休の制度から取得のメリット、スムーズに育休に入るためのステップまでを解説します。
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男性薬剤師は育休を取れる?
育休を取る男性はほとんどいない、そういうイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。
しかし、育休を取る男性は増えています。ここから具体的なデータをもとにみていきましょう。
育休を取る男性は増えている
2022年10月に「産後パパ育休」が創設されるなど、男性の育児参加を後押しする国の制度が整えられてきています。
これに伴い、男性の育休取得率は年々上昇傾向にあります。
男性薬剤師のみを対象として育休取得の現状を調査したデータはありません。
ここでは労働者全体を対象としたデータから、男性はどのくらい育休を取っているのかを確認してみましょう。
厚生労働省が発表した「令和6年度雇用均等基本調査」 によると、育休の取得率は以下のグラフのようになっています。
引用元:「『令和6年度雇用均等基本調査』の結果概要」16ページ /厚生労働省
育休を取る女性の割合は8割以上と高い水準を保っています。
女性にとって育休の取得が当然の権利となっていることがうかがわれるでしょう。
一方で、男性の育休取得率は、令和に入って急上昇していることが目を引きます。
平成の間は5%に満たない数字がずっと続いていましたが、近年育休を取る男性が増え、令和6年度には40%を超えました。
この流れを見てもわかるように、男性が育休を取るのはもう珍しいことではありません。
育休取得のハードルは、かなり低くなっていると言えるでしょう。
育休を取る男性が増えている理由
男性の育休取得が増えている背景には、以下のような理由があげられます。
・制度の充実と企業の意識変化
2022年からの法改正(「産後パパ育休」の新設など)により、男性が育休を取りやすい制度が一気に整いました。
さらに大企業では、男性の育休取得率の公表が義務化されました。
企業イメージの向上や優秀な人材をつなぎとめるためにも、企業側が積極的に「育休を取ってください」と推奨する姿勢に変わってきています。
・夫婦で育児をするという価値観の浸透
共働き世帯が増えた現代では、「育児は女性の仕事」という考えは古くなりました。
育児をする男性が「イクメン」として取り上げられた時代を経て、男性が子育てをすることは当たり前のこととして捉えられるようになっているのです。
特に産後は、女性にとって体力的にも大変なときです。
出産直後の大変な時期を乗り越えるために男性も育休を取る、という意識が広がっています。
・子どもの成長を見たいという思い
男性本人の意識も、キャリアだけでなく家族の時間を大切にしたいというように変化しています。
生まれたばかりの赤ちゃんの、二度とない貴重な成長の瞬間を、父親として近くで見て、一緒に経験したいという思いも、育休取得の後押しとなっています。
男性薬剤師のための育児休業と給付金の基礎知識
このように、男性に対する育休の制度は改正が続いています。
ここでは、パパになる男性薬剤師が知っておきたい育休の制度について確認してみましょう。
男性の育児休業の内容
育児休業は、原則として子どもが1歳になるまで(特別な事情がある場合は最長2歳まで)取得できます。
妻が育休をとっていたり、専業主婦であったりしても、男性も育休を取ることが可能です。
男性の場合、妻が出産した日から育休を取得することができます。
育休をいつ取るかは柔軟に設定できます。出生直後にすぐ取ることも、数か月後から取得することも可能です。
また、2022年の法改正により、育児休業は原則2回まで分割して取得できるようになりました。
これは父母のどちらにも認められているので、父親と母親が交代で育休を取ることも可能です。
育児休業の詳細については、厚生労働省の以下の情報を参考にしてください。
参考:育児休業制度特設サイト /厚生労働省
産後パパ育休とは
男性の育休取得率を上げるために、2022年10月より「産後パパ育休(出生時育児休業)」が施行されました。
これは、従来の育児休業とは別に、子の出生後8週間以内に最大4週間(28日間)まで取得できる休業です。
父親が、出産直後の特に大変な時期に休業を取得し、育児や家事を集中的に行えるようにするために、期間を限定して設定されています。
最も大変な「産後」に限定されていることで、男性にとっても育休を取りやすい面があるかもしれません。
この「産後パパ育休」も、男性の育休取得率の上昇に寄与しているといえるでしょう。
育休中の給付金は男性ももらえる?
育休は取りたい、しかし、気になるのは休業中に収入がなくなることではないでしょうか。
女性の場合、育休中に「育児休業給付金」がありますが、男性も要件を満たせば「育児休業給付金」をもらうことができます。
育児休業給付金の主な内容は、以下の通りです。
・支給要件
雇用保険に加入しており、休業開始前の2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あること。
・支給額
休業開始時賃金日額に支給日数をかけた額に、休業開始から180日間は67%、それ以降は50%の割合で支給されます(それぞれ上限あり)。
そのほか、給付金については、さまざまな条件があります。
詳しくは、厚生労働省の次のサイトをご覧ください。
参考:育児休業、産後パパ育休や介護休業をする方を経済的に支援します /厚生労働省
実際に育休を取得する際には職場にもきちんと確認するようにしましょう。
上記の支給条件からわかるように、育休中も、給与の半分以上の収入は得ることができます。
共働きの場合、夫婦の給付金を合わせれば、まず不安のない金額となるでしょう。
経済面での不安を払拭するためにも、給付金についてもどのくらいの金額になるか夫婦で確認するとよいでしょう。
育休は取りたいけれど...男性薬剤師が感じる不安
ここまで、男性の育休取得のハードルが下がっていることをみてきました。
しかし、実際に育休を取るとなると、二の足を踏んでしまう人もいるのではないでしょうか。
ここでは、男性薬剤師が育休を取ろうと考えたときに感じる不安についてみていきます。
キャリアに影響するのではないか
育休を取ることで、昇進・昇格のチャンスを逃すのではないか、職場復帰後に遅れを取るのではないかと考える人は多いでしょう。
特にキャリア志向の強い薬剤師の方は不安を感じやすいかもしれません。
職場に迷惑をかけるのでは
薬剤師の主な職場である調剤薬局や病院は、働いている人員が限られていることが一般的です。
少ない人員で仕事を回している状態だと、「自分が休むことで他の人に負担がかかってしまう」という意識が強くなりがちです。
家族のために時間を使いたいけれど、職場のメンバーにも迷惑はかけたくないと考える優しい人ほど、ジレンマを感じることになります。
周囲の目が気になる
イクメンが一般的になってきたとはいえ、それは「仕事に迷惑をかけない範囲で」が一般的でした。
いざ仕事を休むとなると、「男性なのに育休を取るのか」「経済的には大丈夫なのか」など、周囲からネガティブな目で見られることが気になるかもしれません。
また、たとえ職場に理解があっても、もしかしたら自分たちの親からそのように言われる可能性もあります。
平日の昼間から家にいたり買い物をしたりするときに、近所の目が気になってしまうことも。
仕事をしていないと自分の価値がないように感じる
ワークライフバランスが大切にされるようになりましたが、仕事が人生の中心だという男性はまだ多いでしょう。
仕事にやりがいを感じ、職場での評価が自己肯定感につながっていると、仕事をしていない自分には価値がないように感じられるかもしれません。
育休を取ることに対するハードルは、まわりの環境だけでなく、自分のなかにあるともいえます。
パパ薬剤師が育休から得られるメリット
では、パパ薬剤師が育休を取ることによって得られるメリットにはどのようなことがあるのか、確認してみましょう。
「今」しかない子どもとの時間をすごせる
子どもの成長は驚くほど速く、乳児期は特にあっという間に過ぎ去ります。
これまでは、ママが自分の実家に里帰りして、パパは新生児の間の子どもを見ることはほとんどないということも一般的でした。
また、一緒に暮らしていても、赤ちゃんの顔を見るのは夜だけという人も多いでしょう。
育休を取ることで、新生児期の我が子の成長を毎日、近くで見ることができます。
おむつ替えや授乳などもママと一緒に行うことで、一緒に「親」になっていくことができます。
そして、初めての笑顔、初めての寝返りなど、「今」しかない子どもとの貴重な時間をすごすことができます。
これは何物にも替えられない経験となるでしょう。
パートナーとの絆が深まる
出産直後のパートナーは心身ともに非常に疲弊しています。それでも赤ちゃんのお世話は待ったなし。
そのような状態のときに、そのパートナーに寄り添い、一緒に育児や家事をしていくことで、パートナーとの絆は深まります。
育休中に協力し合い、苦楽を共にした経験は、これから長い人生を共に歩む揺るぎないベースとなるでしょう。
マネジメントスキル、マルチタスク能力が身につく
育休は仕事のブランクと捉えられがちですが、実はそんなことはありません。
家事や育児はマルチタスクの最たるもの。
特に新生児のお世話は、「不確実な状況下での意思決定」「限られた時間と資源(体力)の管理」「予測不能なトラブルへの対応」の連続です。
この経験を通して、マルチタスク能力は間違いなく磨かれていきます。
また、育児と家事の経験は、同僚の女性薬剤師とのコミュニケーションにも役立つでしょう。
育休は、マネジメントスキルやマルチタスク能力を身につけるチャンスでもあるのです。
後輩に道を示すロールモデルとなれる
先ほど見たように、男性も育休を取ることは当たり前になりつつあります。
しかし、男性の育休の取りやすさは職場によってまちまちなのが実情でしょう。
もし、職場に育休を取った男性の先輩薬剤師がいない場合、育休を取ることは後輩の男性薬剤師に新しい道を開くことになります。
誰でも前例のないことを行うときは勇気がいるものですが、だからこそ新しい価値観を示すロールモデルとなれるのです。
育休を取ることにためらいを感じるときは、少し広い視点に立って考えてみるといいかもしれません。
男性薬剤師がスムーズに育休を取るためのステップ
男性であっても、育休を取ることは法律で定められた立派な権利です。
また、育休の取得という面から見ると、すでに多くの女性薬剤師が取得しています。職場も育休の扱いには慣れているのではないでしょうか。
ただ、男性薬剤師がスムーズに育休に入るためには、事前の準備が鍵となります。
ここからは、男性薬剤師が育休を取るためのステップと、それぞれの段階での注意点について説明します。
1.上司・人事に育休取得の希望を伝える
育休の取得は原則1か月前までの申請が必要となっています。
ただ、育休を取りたいと考えるなら、できるだけ早い段階で直属の上司や人事に意向を伝えておくといいでしょう。
伝える前には、取得したい時期や期間について夫婦の間で話し合って決めておきましょう。
つい職場の状況を優先したくなるかもしれませんが、まず自分たちで方針を決めておくことが大切です。
その方針を伝えたうえで、実際にどのように育休を取るかを、上司や人事と調整していくようにしましょう。
2.職場の同僚に育休を取ることを伝える
上司や人事との間で育休の期間が決まったら、一緒に働いているスタッフにも育休を取ることを伝えます。
併せて、育休中の仕事のことについても相談し、引き継ぎなどについても確認していきましょう。
もし育休取得者が職場にいる場合は、子育てについてのアドバイスなどもきいておくと、よりコミュニケーションを深めることができ、育休中にも助かるでしょう。
3.業務の引き継ぎをしっかり行う
通常の業務と並行して、業務の引き継ぎを丁寧に行っていきます。
薬剤師の業務には、患者さんの対応、薬局内の在庫管理、薬歴管理、医師や他職種との連携など、さまざまなものがあります。
特にハイリスク薬や注意を要する患者さんの薬歴や指導内容、過去の頻出疑義照会内容などについては丁寧に伝える必要があります。
マニュアルにできるものはすぐに参照できるマニュアルを作成し、必要に応じて口頭で説明していくようにしましょう。
4.育休中の連絡ルールを明確にしておく
休業中に職場の緊急連絡に対応するかどうか、また、連絡する場合はどのような手段にするかを上司と取り決めておきます。
基本的には緊急事態以外は連絡はしないということにして、事前の引き継ぎをしっかりしておくようにするとよいでしょう。
また、やむを得ない緊急時の連絡ルール(メールのみ、電話も可など)についてもきちんと決めておきましょう。
パパ薬剤師が育休中に気をつけること
「育児休暇」という名称であっても、育休は単なる休暇ではありません。
パパ薬剤師が育休中に気をつけておきたいことはどのようなことでしょうか。
育休前にパートナーとしっかり話し合う
子どもが産まれる前に、育児や家事の役割分担、休業中のすごし方、金銭面などについて、パートナーとしっかり話し合っておきましょう。
子どもが産まれると時間的にも精神的にもゆっくり話し合う余裕はなくなります。
実際には赤ちゃんに合わせて変更していくことになるかもしれませんが、方針を決めて準備しておくことで、対応もしやすくなるでしょう。
育休=休暇ではない
育休に入る前は、子どもが寝ていたり、手が空いたりしたときには、自分がやりたいと考えていたことをやれるのでは、と思うかもしれません。
ただ、実際の新生児との生活のなかでは、そのような「自分の時間」はなくなるのが現実です。
育休は長期休暇ではなく、新たに「育児」という仕事が始まるのだと考えておきましょう。しかも、この新しい仕事は24時間・年中無休です。
せっかく育休をとっても、ママだけが赤ちゃんのお世話に追われ、パパは半分休暇気分でいると、二人の間が険悪になってしまうかもしれません。
家事や育児に慣れ、赤ちゃんが成長すれば余裕もできるかもしれませんが、育休中を利用して何かをやりたいという考えは、ひとまず封印しておきましょう。
育児も家事も自分ごととして行う
育休中は、家事・育児を「手伝う」のではなく、産後の大変な状態にあるパートナーに代わって「自分の役割」として主体的に育児と家事を行うことが大切です。
パートナーが求めることに応えるのはもちろん大切ですが、出産後のママはいろいろと考える余裕もないほど大変な状態にあります。
家事や育児を自分ごととして取り組むなかで、家事や育児のスキルも身につきますし、それ以上の気づきを得ることができるでしょう。
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まとめ
男性薬剤師の育休取得は、家族の絆を深めるだけでなく、自分のキャリアのためにも、職場のためにもプラスの経験とすることができます。
政府が男性の育休取得を後押ししていることもあり、育休の制度もどんどん変化しています。
育休を取りたいと考えたときは、まず育休制度と、自分の職場での状況について確認しましょう。
そして、夫婦の間でしっかり話し合って育休の取り方を考えましょう。
そのうえで、職場に育休を申し出て、育休中の体制を整えることで、不安なく育休に入ることができるでしょう。
育休を取ることを決めたら、この貴重な機会を活かし、新しい「パパ薬剤師」の自分に出会ってください。
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