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薬剤師のための転職・求人コラム

更新日: 2026年8月5日 薬剤師コラム編集部

薬剤師がチーム医療で担う役割とは?病院・薬局での違いや必要なスキルも解説

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「チーム医療」という考え方は、今や医療現場で当たり前のものとなっています。しかし、薬剤師として自分にどのような役割が期待されているか、きちんと説明できますか?
病院や薬局で働く薬剤師はチーム内で薬物療法の専門家として活躍し、患者一人ひとりの命や生活を支える大切な存在です。

本記事では、チーム医療が広がった背景や目的を整理し、薬剤師が担う具体的な役割や必要なスキルをわかりやすく解説します。また、病院と薬局でのチーム医療の違いを知ることで、薬剤師としての貢献の幅をより深く理解できるでしょう。

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チーム医療とは

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チーム医療とは、医師・看護師・薬剤師など、さまざまな医療職が専門性を活かし、連携しながら患者一人ひとりに最適な医療を提供する取り組みです。

治療効果や医療の安全性を高めるだけでなく、医療従事者の負担軽減にもつながります。患者にとっても医療者にとってもメリットのある、現代医療を支える重要な考え方といえるでしょう。

参照:チーム医療の推進について(チーム医療の推進に関する検討会 報告書) /厚生労働省

チーム医療が普及してきた背景

近年、患者や家族からは「質が高く、安心・安全な医療」を求める声が高まっています。一方で、医療技術の進歩により医療は高度化・複雑化し、医療現場の業務負担は年々増加しています。その結果、医療従事者の疲弊や、一つの職種だけでは十分な対応が難しいケースが増えてきました。

さらに、日本では急速な高齢化が進んでいます。内閣府の「令和6年版高齢社会白書」によると、令和5年10月1日時点の高齢化率は29.1%です。2037年には3人に1人が65歳以上になると予測されています。高齢化に伴い、複数の疾患を抱える患者や、医療と介護の両方の支援を必要とする患者が増加してくるでしょう。

限られた医療資源の中で、患者一人ひとりに適切な医療を提供するためには、それぞれの専門性を活かして役割を分担し、連携していくことが不可欠です。

参照:令和6年版高齢社会白書(全体版) /内閣府

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チーム医療の目的と意義

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チーム医療は、単に複数の職種が関わる医療体制ではありません。医療の高度化・複雑化や人材不足といった医療現場の課題、そして多様化する患者のニーズに対応するための、重要な医療提供のあり方です。

ここでは、チーム医療が果たす主な目的と意義について、3つの視点から解説します。

医療従事者の負担軽減

チーム医療の目的の一つは、医療従事者一人ひとりの業務負担を軽減し、持続可能な医療体制を構築することです。各職種が個々で行ってきた業務の役割分担を明確にすることで、それぞれが専門領域に集中することが可能です。

多職種間で情報を共有することで、重複した説明や確認作業が減り、業務の効率化が進みます。また、チームとして意思決定を行うことで、個人に過度な責任が集中することを防ぎます。精神的な負担の軽減にもつながることは、医療従事者の業務環境改善に大きな意義があるといえるでしょう。

医療の質・安全性向上

チーム医療では、多職種によるチェック体制が整うことで、単独の判断では見逃されやすいリスクや問題点を早期に発見しやすくなります。

ダブルチェックの仕組みや、職種間の円滑なコミュニケーションは、医療事故やインシデントの予防に直結します。さらに、それぞれの専門的なエビデンスに基づいた意見を多職種で検討することで、より妥当性の高い治療選択が可能です。

患者の早期回復・重症化予防

チーム医療のもう一つの重要な意義は、患者の早期回復や重症化予防に貢献できる点です。複数の専門職が連携することは、患者一人ひとりの状態や課題に応じた、きめ細かな医療・ケアの提供につながります。

医師による診断・治療に加え、看護師による継続的な観察、薬剤師による服薬支援や副作用管理を組み合わせることで、治療効果を最大限に引き出すことが可能です。さらに、生活環境や社会的要因を考慮した栄養指導やリハビリ、心理的支援などの専門職と連携することで、再発や重症化を防ぎ、患者の生活の質(QOL)向上にもつながります。

参照:チーム医療の推進について(チーム医療の推進に関する検討会 報告書) /厚生労働省

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チーム医療における薬剤師の役割

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薬剤師は、患者にとって最適な薬物療法を支える存在です。ここからは、チーム医療の中で薬剤師が具体的にどのような役割を担っているのかを確認していきましょう。

薬剤選択のサポートや処方提案

薬剤師は、患者の年齢や腎・肝機能、併用薬、既往歴などを踏まえ、薬学的視点から最適な薬を選ぶサポートを行います。
薬の専門家として各種ガイドラインや最新のエビデンスに基づいた助言を行うことで、より適切な処方へと最適化を図ります。

他職種に医薬品の情報を提供

チーム医療における薬剤師は、医薬品情報の「窓口」であるといえるでしょう。他職種に対して、新薬の情報や注意すべき副作用、投与時のポイントなどを共有することで、安全な薬物療法を支えます。

また、薬の配合や投与方法、タイミングなど、現場で疑問が生じやすい点についても情報提供し、多職種が安心して治療にあたれる環境を作ります。

患者・家族への服薬支援

患者や家族が薬物療法に関して正しく理解できるようサポートしていくことは、薬剤師の重要な役割のひとつです。
薬の効果や副作用、注意点をわかりやすく説明し、不安や疑問にも丁寧に対応することが大切です。家族を含めたサポートは、自己管理が難しい患者の治療継続にもつながります。

医薬品の安全管理と副作用の防止

医薬品の安全管理は、チーム医療において薬剤師が中心となって行う業務です。重複投与や薬の相互作用をチェックし、副作用の発現状況をモニタリングすることで、早期発見や迅速な対応につなげます。

さらに、医療安全委員会や各種チーム活動を通じて、医薬品に関するリスク情報を職種間で共有し、インシデントやアクシデントの防止に貢献します。チーム全体で医薬品を正しく使用できるよう、研修を実施したり他職種に教育を行ったりすることも薬剤師の役割です。

参照:チーム医療の推進について(チーム医療の推進に関する検討会 報告書) /厚生労働省
参照:チーム医療における薬剤師の役割 /厚生労働省

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病院薬剤師が担うチーム医療での役割

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病院薬剤師は、院内で構成されるさまざまな医療チームに参加し、薬物療法の専門家として活動します。
正確かつ迅速な対応が求められる医療現場において、他職種との協働は不可欠であり、チーム医療の考え方は日常業務にも深く根付いています。

病院で結成される代表的な医療チームには、以下のようなものがあります。

チームの種類 目的・役割
栄養サポートチーム(NST) 栄養状態を評価・管理し、最適な栄養療法を提供
感染制御チーム(ICT) 院内感染の予防と管理、抗菌薬の適正使用や職員教育を通じて安全な医療環境を維持
褥瘡対策チーム 褥瘡の予防・治療、皮膚管理や体位変換、治療方針の立案・評価
周術期管理チーム 手術前後の患者の全身状態を管理し、合併症予防や術後回復を促進
精神科リエゾンチーム 精神心理面に問題を抱えた入院患者に対し、精神面と身体面の治療を調整
緩和ケアチーム 主にがん患者に対し、痛みや症状の緩和、生活の質向上のためのケアを提供

今回は、この中の栄養サポートチーム(NST)、感染制御チーム(ICT)、精神科リエゾンチームを例に、病院薬剤師がチーム医療で具体的にどのような業務を担っているのかをみていきましょう。

【実践例①】栄養サポートチーム(NST)における病院薬剤師の業務内容

栄養サポートチーム(NST:Nutrition Support Team)は、患者の栄養状態を評価し、適切な栄養管理を行うための多職種チームです。医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・臨床検査技師などが連携して活動します。

病院薬剤師は、患者ごとに選択される栄養療法に対し、薬学的な視点から処方設計を支援する役割を担います。具体的な業務は以下のとおりです。

  • 投与される栄養剤の熱量・たんぱく質量の計算
  • 経腸栄養・静脈栄養と併用薬との相互作用の確認
  • 投与量や投与方法の調整
  • 服用中の薬剤が栄養状態へ与える影響の評価

多職種カンファレンスでは、薬剤師がこれらの専門的知見を共有することで、過栄養や低栄養の予防、合併症リスクの低減につながります。

【実践例②】感染対策チームにおける病院薬剤師の業務内容

感染制御チーム(ICT:Infection Control Team)は、院内感染の予防および拡大の防止を目的として活動するチームです。医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師・事務職員など幅広いい職種が連携し、院内全体の感染対策に取り組みます。

ICTにおける病院薬剤師の役割は以下のとおりです。

  • 抗菌薬や抗ウイルス薬の適正使用の推進
  • PK-PD理論に基づいた薬剤選択、投与量・投与期間の提案
  • 院内における耐性菌の発生状況の把握と評価
  • 感染症診療マニュアルの作成・改訂への参画
  • 手指衛生や消毒薬の適正使用に関する院内スタッフへの教育・啓発

感染対策の重要性は、新型コロナウイルス感染症の流行以降、より一層高まっています。ICTでの薬剤師の取り組みは、院内の安全な医療環境の維持に欠かせないものになっています。

【実践例③】精神科リエゾンチームにおける病院薬剤師の業務内容

精神科リエゾンチームは、入院患者にみられるせん妄や不眠、抑うつといった精神症状や心理的問題に介入し、原疾患の治療が円滑に進むように支援するチームです。医師・看護師・薬剤師・臨床心理士・精神保健福祉士などが連携して活動します。

このチームにおいて病院薬剤師は、向精神薬の適正使用を支える役割を担います。

  • 向精神薬、抗精神病薬、抗うつ薬などの薬学的管理
  • 副作用(せん妄、錐体外路症状など)のモニタリング
  • 薬物相互作用や多剤併用リスクの評価
  • 服薬アドヒアランスの維持に向けた支援
  • 多職種カンファレンスへの参加と情報共有

精神症状に対する薬物療法は、治療経過やQOLに大きな影響を与えます。病院薬剤師は、患者の早期回復に貢献する重要な役割を果たしているといえるでしょう。


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薬局薬剤師が担うチーム医療での役割

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「チーム医療」というと病院内での多職種連携をイメージしがちですが、近年は地域全体を一つのフィールドとしたチーム医療の重要性が高まっています。その中で、医療機関と地域をつなぐ役割を担っているのが薬局薬剤師です。

地域医療における薬局薬剤師の役割

薬局薬剤師は、地域包括ケアシステムの一員として、地域医療を支えています。
地域包括ケアシステムとは、高齢化が進むなかで、高齢者が住み慣れた地域で自分らしく生活を続けられるよう、医療・介護・福祉・生活支援を一体的に提供する仕組みのことです。

この仕組みの中で薬局薬剤師は、以下のような役割を担っています。

  • 患者の服薬状況や治療経過を一元的かつ継続的に管理
  • 身近な健康相談の窓口
  • 在宅医療で地域の医療・介護職と連携

薬局薬剤師は病気の治療だけでなく、患者の生活全体や健康を支える存在として、その専門性を発揮します。

薬局薬剤師が関わることの多い医療従事者

薬局薬剤師は、日常業務の中でさまざまな医療・介護職と連携しています。
医師とは疑義照会や処方内容の確認を通じて治療方針を共有し、訪問看護師やケアマネジャーとは、患者の生活状況や治療上の課題について情報交換を行います。さらに、ヘルパーや地域包括支援センターとも連携し、服薬状況や体調変化に関する情報を集約します。

病院におけるチーム医療との大きな違いは、薬局では施設外の多職種との連携を前提としている点です。薬局薬剤師が関係職種と積極的に情報共有を行うことで、地域全体で患者一人ひとりを支える医療・ケア体制が築かれていきます。

在宅医療で期待される薬剤師の役割

薬剤師が地域でチーム医療に参画する代表的な場面が、在宅医療です。在宅医療チームの一員である薬局薬剤師は、医師の往診に同行したり、単独で患者宅を訪問したりしながら、薬物療法の管理を行います。

在宅医療における薬剤師の役割は、調剤にとどまりません。患者の生活環境や身体・認知機能を踏まえた服薬設計、残薬管理、副作用のモニタリングを行い、治療の効果や課題を在宅担当医師へフィードバックします。

また、訪問時に得られた気づきを訪問看護師やケアマネジャーと共有することで、チーム全体で患者さんのQOL向上を目指します。

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チーム医療で活躍するために薬剤師に必要なスキル

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チーム医療で薬剤師が力を発揮するためには、薬に関する専門知識だけでは不十分です。他職種と協働するために、薬剤師に求められる代表的なスキルを紹介します。

円滑な連携のためのコミュニケーション能力

チーム医療の一員として活躍するために、分かりやすく情報を伝えるコミュニケーション能力が必要です。

薬剤師にとっては当たり前の知識でも、他職種には伝わらないことがあります。専門用語を噛み砕いて説明し、必要な情報を簡潔に共有することで、治療方針の理解や意思決定がスムーズになります。また、他職種の意見を正確に理解するため、疑問点はその場で確認することも大切です。

日頃から密なコミュニケーションを心がけることが、情報共有しやすい環境づくりにつながります。

薬物療法に関する高い専門性

チーム医療において薬剤師に求められるのは、薬物療法のスペシャリストとしての高い専門性です。

ガイドラインや最新の医薬品情報を常に把握し、エビデンスに基づいて薬剤選択や投与設計、副作用対策を提案することで、治療の質と安全性を高めます。また、認定・専門薬剤師として特定分野の知識を深めることは、チーム内での信頼性向上にもつながります。

他職種の業務や役割への深い理解

チーム医療を円滑に進めるためには、自分たちの業務だけでなく、他職種の業務内容や役割を理解しておくことも、実はとても重要です。

他職種の業務を深く知ることで、薬剤師として「どこまで関与すべきか」「どの部分に責任を持つべきか」が明確になります。
その結果、お互いを信頼して助け合える、相互理解に基づいたより良いチームワークが生まれます。こうした連携は、最終的に患者にとっても安心できる医療の提供につながるでしょう。

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まとめ|薬剤師の専門性を発揮してチーム医療に貢献を

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チーム医療は、多職種が専門性を活かして連携し、医療の質と安全性を高めるために欠かせない医療提供の形です。薬剤師はその中で、薬物療法の専門家として処方支援や医薬品情報の提供、副作用防止や服薬支援を行います。

病院ではNSTやICT、精神科リエゾンチームなどに参画し、専門性の高い薬学的介入を担います。一方、薬局では地域包括ケアの一員として医療と介護の両面を意識しながら薬学的サポートを行うのが薬剤師の役割です。

高い専門性に加え、コミュニケーション力や他職種への理解を備えることで、患者にとって安全で質の高い医療の提供に貢献できるでしょう。

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
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