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わたしの転職体験インタビュー

更新日: 2025年10月29日 薬剤師コラム編集部

「社会貢献」ができる職場に転職、地方の医療システム維持に尽力する薬剤師

「社会貢献」ができる職場に転職、地方の医療システム維持に尽力する薬剤師のメイン画像

薬剤師歴20年を超えるしんやさんは、自身の理念・働き方を見つめ直し「収入」よりも「社会貢献」を優先する生き方を選びました。しんやさんは病院薬剤師として医療の全体像を学び、東日本大震災で医療の使命を自覚、調剤薬局の利益追求経営には価値観の違いを覚えました。そこで、安定よりも理念を優先したしんやさんに、転職の理由を伺いました。

しんやさん流<転職の処方箋>

その1.自分の価値観をもう一度深掘りして自己分析する

その2.自分の理念が転職先の経営者・社風と合うかを見極める

その3.「なんとかなる」の精神で転職を進める


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病院薬剤師として医療の全体像を学び、調剤薬局へ転職

最初に、しんやさんの経歴から伺います。2004年に大学を卒業してからは病院薬剤師としてキャリアを始められました。最初に病院を選んだ理由は?

しんやさん
医療の全体像を知るために、医療の現場に最も近い病院を選びました。病院薬剤師を2年間経験した後に、友人の紹介があり、調剤薬局に転職しました。病院では、入院中の患者さん、入院退院を繰り返す患者さんのフォローをしていました。しかし、日常に近い場所で医療を提供したいという思いがありました。

そして、調剤薬局に転職したんですね。どうでしたか?

しんやさん
病院とは異なるやりがいを感じました。チェーンの調剤薬局ゆえに、複数店舗をわたり歩くこともいい経験になりましたね。店舗によって、患者層、調剤の方法、診療科などが違うので、調剤で対応できる幅が広がりました。調剤薬局には約20年、2025年まで勤務しました。

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利益追求の違和感から転職を決断

仕事を通じて印象的だったことはありますか?

しんやさん
2011年の東日本大震災のときに薬剤師として働いていたことです。あのときは薬剤師が社会に医療を提供する使命感を感じ、覚悟を決めました。地震発生時、私は仙台市内で薬局に勤務していました。地震後は停電になりましたが、患者さんがいたため、照明・機材が使えない状態でも、可能な範囲で調剤をしました。翌日も電気は復旧しませんでしたが、お店を開け、系列の被災した店舗にも手伝いに行きました。また、被災地の避難所には薬剤師会のボランティアとして参加しました。この経験で、生活の基盤となる医療の大切さを再認識しました。

今回の転職のきっかけを教えてください。

しんやさん
あるとき、ラジオで「歴史の偉人たちは自分の理念を持っている」というエピソードを聞き、自分の働き方や人生に理念があるかを自問自答してみました。震災時の経験から、私の価値基準は、医療を通じた社会貢献であると認識しました。

しかし、当時勤めていたチェーン薬局の方針は「利益追求」だったため、私はそこに魅力を感じず、このまま仕事を続けていても、価値観のギャップが広がり、お互いに不幸になるのではと思いました。

転職の方向性は「地域の健康への貢献」ができる環境

転職先の方向性には「社会貢献」を重視したんでしょうか?

しんやさん
はい。自分が働く上での理念は大事にしました。前職では一般薬剤師から管理薬剤師、さらにマネージャーへと昇進し、収入も増えました。ただ、自分の価値観とは結びつかず、人生の満足感は得られませんでした。お金はあるに越したことはないし、大きな会社の安定も理解しています。しかし、それとは別に、自分の能力や時間を社会に還元したいという思いが強くなりました。長年薬局で働き、地域の健康や高齢者の課題を知っています。そこで、地域の健康や社会のために自分のリソースを使うことができればと考えています。

転職後の現職ではどのような働き方をされていますか?

しんやさん
2025年5月から薬局コンサルティングを営む会社に正社員として入社しました。自前の薬局もありますが、私は、自社への配属ではなく、他社薬局からの応援要請に応じ、人材不足の地域に入っています。

なるほど。それこそ地方の過疎地域の薬局などに派遣されることもあるんですね。

しんやさん
そうです。まだ入社後半年も経っていないので、経験値が少ないですが、医療リソースが足りない地域の薬剤師として、課題を感じながら働いています。

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現在のやりがいは「地方、地域の医療システムの継続」

現在の職場で、しんやさんの「社会貢献」は進んでいますか?

しんやさん
今のところ取り組みは立ち上げ段階です。ただ、地方の薬局では「医療の継続ができないほどの人材不足」という課題があります。私自身が自分の目で見て耳で聞き、地域の課題を集め、解決策をはかっていきたいと考えています。

地方で働くやりがいと課題にはどんなものがありますか?

しんやさん
現時点でのやりがいは、私が入ることで地方の薬局の店舗が通常営業でき、地域の医療システムを維持できていることです。責任も伴いますが、それはやりがいの一つです。ただ、薬局や病院があっても働く人がいないのは同時に課題でもありますね。地方の医療従事者の人材不足は行政との連携をうまくしないと解決が難しいと思います。

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「社会貢献」という価値観を共有できる職場に出会うまで

今の会社に決まるまで、転職活動はどのように行ったのでしょうか?また、今の会社の決め手はどんなところでしたか?

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
m3.com薬剤師会員への意識調査まとめや、日本・世界で活躍する薬剤師へのインタビュー、地域医療に取り組む医療機関紹介など、薬剤師の仕事やキャリアに役立つ情報をお届けしています。

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